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中国茶

信天翁(アホウドリ)喫茶主
医学博士 山中 直樹(宗直)

白茶

白茶は茶葉の芽芯をわずかに酸化して、乾燥させただけの最も自然に近い茶だ。

白毫銀針に代表される白茶は中国茶の六大分類(緑茶、白茶、黄茶、黒茶、青茶、紅茶)中の一種でデリケートな美味を持つ茶。

大白茶、水仙という茶樹品種の新芽を摘み取って製造される。新芽は産毛のような微細な白毛がしっかり生えている特色を持つ。それ故に、白毛が落ちないような製茶法となる。

製法の特色は「不炒不揉」と言って茶葉の酸化を止める殺青となる釜炒り、茶の抽出を良くしたり,酸化を促進するための揉捻は行わない。シンプルな製造工程であるだけに品質の良さは摘採の時期や条件、小規模手づくりの注意深い製造が要求される。

我が国で目にする白茶類は白毫銀針、白牡丹、寿眉である。貢眉もあるが我が国では珍しく、香港等では手に入るようだ。

白毫銀針は産毛のような白毛で覆われた細長い針のような銀白色の外観を持つ。白い芽芯(白毫芽芯)を厳選して用いるからだ。摘採して芽芯のみを選定する工程を「抽針」と言う。白毫銀針の原葉は鮮針と言う一本一本が針のような鮮芽のみを用いる。

抽針後に残った小さな芽葉や茶葉等を用いて製造されるのが寿眉と呼ぶ白茶となる。

白牡丹は福建省の建陽、水吉で二十世紀に誕生した新しい白茶なのだ。大白茶と呼ぶ茶樹から製造されるものを大白。水仙品種と呼ぶ茶樹から製造されるものを水仙白と言う。白毫銀針の場合より、少し成長し、開葉近い一芯一葉または一芯二葉から製造される。

福建省の政和の大白茶品種で作られたものを政和白毫銀針と言う。

白毛猴と呼ぶ白茶は、福建省では白毫銀針に取って代わられてしまい、現在、その名は使われていないようだ。

白茶は茶葉の酸化を止める殺青は行わずに鮮葉を陽光に晒すか、室内で萎凋しながら乾燥させる。80~90%の乾燥後、焙籠に紙を敷き、40~50℃の弱火で焙り乾かす。

葉脈が黒変したものは良い製品ではない。紅変化程度の軽度の酸化を促した自然乾燥が良い。茶葉の原形が崩れておらず、薄くて軽い白毛に被われた白茶を選ぶ。

白茶は揉捻を行わないため、茶の抽出は悪い。70~80℃の温度で蓋をして蒸らしながら、ゆっくり点てるのが良い。

湯色、水色は薄く透明感があり、薄橙色。香も味も淡く、ほんのりした甘さを持ち、刺激の無い茶味となる。

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