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中国茶

信天翁(アホウドリ)喫茶主
医学博士 山中 直樹(宗直)

清涼お茶飲料商品

お茶飲料が清涼飲料として人気だ。ペットボトル、缶や紙パック性等各種目につく。日本経済新聞社のNikkeiプラス1(2002年8月3日)が"何でもランキング"で「のみたいお茶飲料」の銘柄調査を行って発表した。

その結果、人気十位以内に入った商品としては緑茶が四品目、烏龍茶が三品目、本当のお茶ではない大麦、ハト麦等のブレンド茶が二品目、麦茶が一品目となっていた。

緑茶人気四品目の商品銘柄は次のようだ。「生茶」(キリンビバレッジ)が一位。「おーいお茶 緑茶」(伊藤園)が三位。「旨茶」(アサヒ飲料)が六位。「まろ茶」(日本コカ・コーラ)が十位となっていた。

「おーいお茶 緑茶」では、国産の茶葉を100%、無香料、無調味が特徴とのこと。しかし、「国産」との表示はない。また、抽出茶飲料特有のビタミンC添加はある。他の緑茶には国産茶との記述はなかった。中国等からの輸入緑茶が用いられていることを示す。

十位以内には入っていなかったが、「中国緑茶」(ネスレ)では中国緑茶としての銘柄茶である「黄山毛峰仕上げ」とある。しかし、逆に、「国産」との表示だ。中国緑茶の銘柄茶が日本で栽培されているとは思えないから、この「国産」の意味は何かと最近問題の「表示」について考えさせられる。

ウーロン茶の商品は三品目が入っていた。その人気商品は次のようだ。「烏龍茶」(サントリー)が四位に。「聞茶」(キリンビバレッジ)が七位。「金の烏龍茶」(伊藤園)が九位に入っている。

「サントリー烏龍茶」は1981年以来の商品であり、お茶飲料の元祖的商品。「聞茶」は包種茶と安渓ウーロン茶を使っているとある。発酵度の低い包種茶は緑茶に近く、台湾で生産されるもの。一方、安渓ウーロン茶は中国銘茶「安渓鉄観音」(福建省南部)の生産地の茶葉なのだ。「金の烏龍茶」は安渓で作られる黄金桂と言う桂花の香りを持つ茶葉とその他四種をブレンドしていると言う。

抽出されたお茶飲料が清涼飲料として急成長している。今や、高級茶や有名な銘柄を思わせる商品が増加している。しかし、どの位の量の割合で高級茶葉や銘柄茶をブレンドしているか不明な「表示」となっている。魚沼産コシヒカリと同様な面がないか。

原産地、商品調整地も含めて不明瞭な「表示」はよくない。牛肉等にある商品表示と同じ問題を内包していないかと気になる。

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