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平成15年

自然体験 | 組合員レポート

FUN FOREST 森の教室 「堆肥づくりとバームクーヘンづくり」

平成15年5月11日(日)くもりときどき小雨
岐阜県恵那市飯地高原ファンフォーレストにて
参加者/5組21名

  • 堆肥づくり講師
    大橋信男さん(株式会社ミズホ相談役会長)
  • バームクーヘンづくり講師
    原田秋男さん(ネイチャークラブ東海) 原田けいこさん(同) 秋田貢さん(同) 秋田聡子さん(同)
  • ※このページにある写真をクリックすると拡大写真を見ることができます。

5月の飯地高原ファンフォーレストでは、一帯に群生するチゴユリや紫色の花をつけたジゴクノカマノフタなど可憐な草花が咲き誇り、コナラやカエデの若葉も色鮮やか。参加した5グループは午前は堆肥づくり、午後からは焚き火を使ってのバームクーヘンづくりに取り組んだ。あいにくの曇り空、ときどき小雨がぱらつく天候だったが、ヤマガラやカケス、コゲラなど野鳥のさえずりも間近に。山の息吹を感じながら、「森の教室」でのひとときを楽しんだ。

09:55~

開会式

早めに到着した人たちは森の中を散策。堆肥づくりを行う森の広場を歩いていた参加者は、「ここの地面は落ち葉でふかふかだね」と驚いた様子。そしてマツの幹に顔を出したキノコ摘みに熱中する子どもたちの歓声が、静かな森の中に響いた。

開会式では、スケジュールの説明に続いて、堆肥づくりを担当する講師の大橋信男さんの紹介、森へ入るときの注意事項などが伝えられた。野鳥たちの声を背に、「森の教室」が始まった。

10:20~

大橋さんによる堆肥づくりの話を聞く

本部ハウス前の広場から森の広場に移動。コナラの木々の下で、イス代わりの丸太に座った参加者たちは、有機・バイオ農法に取り組む大橋さんの体験談を聞いた。

「私が有機農法の研究を始めたのは35年前から。リウマチにかかった妻を食事療法で治したことがきっかけでした。肉食から菜食へと食事方法を変えて、体質改善によって病気を克服。この経験から薬で病を抑えるのでなく、安全に育てた野菜を食べ、免疫力や治癒力を高めることの重要性を痛感した」と大橋さん。さらに良質な土づくりのもととなる堆肥の大切さを説明し、「化学肥料を使ったものと比べ、堆肥で育てたナスやキュウリは格段に甘くておいしい」と話した。

参加者たちは熱心に耳を傾け、「趣味で園芸をやっていますが、すごく勉強になりました」という人も。堆肥づくりへの理解を深めた。

←大橋さんの説得力ある話に聞き入る参加者たち。
11:00~

堆肥づくりを体験

続いて堆肥づくりのスタート。堆肥の原料は大橋さんが用意した発酵菌や米ぬかのほか、昨秋集めておいた落ち葉、おがくず、鶏ふん。大橋さんが「乾燥した原料は少し水で湿らせますが、今日は小雨なのでちょうどいい」と話す。指示に従って参加者たちはスコップで落ち葉を地面に広げ、その上におがくずをのせていった。次に発酵菌を混ぜた米ぬか、鶏ふん、再び落ち葉、おがくずの順にサンドイッチ状に層を重ねていく。

小さなスコップを手に、砂遊びでもするように楽しそうに作業を始めた子どもたち。小雨がぱらつき始めると大人たちはシートの下へ。作業に慣れてきた子どもたちが大活躍した。山の高さが80センチほどになったところで作業は終わり。「後は1週間ごとにひっくり返して、全体がまんべんなく発酵するようにしてやります。2~3か月でふかふかの堆肥が完成します」と大橋さん。家で野菜をつくっているという参加者は、「今まで堆肥におがくずを使っていたけど、湿らせることを知らなくて。次からきちんとやってみたい」と納得顔だった。

↑堆肥づくりの準備に子どもたちも積極的。 ↑「落ち葉のケーキみたい」と、堆肥づくりに熱中する子どもたち。
←できあがった堆肥の山。
11:40~

昼食タイム

曇り空のもと、昼食は屋内で。周囲を緑の木々に囲まれた本部ハウス内にて各自持参したお弁当をほおばる参加者たち。堆肥づくり作業の後は、おにぎりが最高においしい!

12:30~

森のバームクーヘンづくりに挑戦

昼食後は本部ハウス横の広場に集合。ネイチャークラブ東海の原田秋男さん・けいこさん、秋田貢さん・聡子さんの指導でバームクーヘンづくりに初挑戦した。生地は小麦粉とホットケーキミックス、砂糖をタマゴとバターで溶いて、さらにレーズンやクルミも入れた「森の教室」特製。芯となる直径約8センチ、長さ約3メートルの青竹の周りに少しずつ生地をかけ、それを焚き火であぶる。これを何回も繰り返す手間のかかる作業だ。

竹を持つ役と生地をかける役に分かれて作業を開始。「誰か回数を数えてください」という声に、元気よく返事した男の子が小枝を並べてカウント。タイミングよく竹を回さないと、生地が流れ落ちてしまうため、まるで運動会の競技のように子どもも大人も真剣そのもの。初めは薄かった生地が回数が増えるごとに、年輪のように少しずつ厚みを増していく。甘い香りに「早く食べたい!」という声も。

焚き火の横では、薪割りを子どもたちが手伝った。中にはソヨゴの木をノコギリで薄く輪切りにして記念品にする子も。開始から1時間半。生地つけとあぶり焼き作業を根気よく続けること30回。全員が力を合わせて作ったバームクーヘンが焼き上がった。

↑竹に生地をつけていくのも一苦労だ。 ↑「こげちゃうよ!」と、声をかけ合って親子で竹をぐるぐる回す。
←直径約15センチの見事な「作品」にみんなが注目。
14:05~

ミント茶で試食タイム

バームクーヘンをかかえた原田さんたちの周りに、興味津々で参加者たちが集まった。中には「できたのをどうやって抜くの?」と心配そうにのぞき込む男の子も。竹の一方を切ってからバームクーヘンを持ち、竹だけを回すとバームクーヘンがするりと抜け、周りから「おおぉ!」と歓声があがる。

切り分けて、原田さんたち持参のミント茶をいただきながら試食。甘い匂いが漂うバームクーヘンは年輪もしっかりついてかなりのでき映え。試食するどの顔にもニッコリと笑顔があふれた。

食べ終わると、焚き火の周りに集合。「今日は森の木を燃やして、お腹いっぱいになりました。木と火に感謝しようね。耳をすませてごらん。木が"ありがとう"と言っているのが聞こえるかな」。原田けいこさんの言葉に子どもたちもうなずいていた。

↑ジャンケンに勝って、端っこをゲット。「ここもおいしそうでしょ」 ↑試食が待ち遠しい参加者たち。切り分ける原田けいこさんの手元に目は釘付け!
←手間をかけ自分たちで作ったバームクーヘンの味に、自然と笑みがこぼれる。
14:30~

閉会式

記念撮影の後は閉会式。原田さんたちに続いて、秋田貢さんは「森にはテレビもゲームもないけど、今日は焚き火がテレビ代わりだったね」、秋田聡子さんは「これからも森で大いに遊びましょう」とあいさつ。各グループには昨年の落ち葉から作った堆肥がお土産として渡された。さらに大橋さんから子どもたちには、カブト虫(幼虫)のプレゼント。「やったぁ、ありがとう」「大事に育てます」と子どもたちからもお礼の言葉が。楽しい思い出と自然の恵みをお土産に、笑顔で飯地高原の森を後にした。

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