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自然体験

自然体験 | 組合員レポート

山村たいけんin東白川
桧と杉で作るクリスマススワッグと花餅作り(三河地区)

平成28年12月3日(土)晴れ
参加者 26組60名

  • 案内人/川尻秀樹さん
    技術士(林業部門)、樹木医、森林インストラクター、きのこアドバイザー。
    現在、NPO法人ツリークライミングジャパン副理事長、NPO法人メタセコイアの森の仲間たち顧問など、多方面で活躍中。
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四季咲きザクラがちらほらとほころぶ東白川村こもれびの里。朝から好天に恵まれ、シジュウカラ・カケス・ムクドリなど鳥の合唱が辺りに響き渡る。師走を迎え、東白川村の素材でつくるクリスマススワッグと花餅をつくる体験を楽しんだ。

10:30~

開会式

 東白川村こもれびの里へ到着すると、囲炉裏と薪ストーブのある「こもれびの館 母屋」にて温かい白川茶をいただく。東白川村の村雲和裕さんより本日のスケジュール案内の後、同村の安江良浩参事が歓迎のため来場、あいさつを頂戴する。「岐阜県には世界遺産で有名な白川村とこの東白川村の二つしか村がありません。東白川村はつちのこの目撃情報が多く、毎年5月のつちのこフェスタには村の人口より多くの人が訪れます。また明治時代の廃仏毀釈によって寺がなくなって以来今も神道の村で、冠婚葬祭や年中行事は90%以上が神式なんですよ」。最後に案内人の川尻秀樹さんが「東白川村は白川茶発祥の地としても有名です。皆さんが村に来てくださることで村が潤うと、森林が守られ、水が良くなり、お茶もおいしくなる。皆さんにとってもよいことがいっぱいなんです」とあいさつされた。

10:50~

川尻さんのお話

 「海外ではリースと共になじみのある伝統的なクリスマス飾りがスワッグです。ツリーやリース、スワッグなどに使われる常緑樹は古くから生命の象徴、魔よけとして利用されてきました。日本でもサカキやソヨゴといった常緑樹は燃やすとパチパチと音を立て邪気を払うとされ、神事に広く使われます。ところで日本のしめ縄と日用品のワラジなどは、材料であるワラのない方が違うことを知っていますか?日常で使うものは右ない、神さまにお供えするものは左ないが基本なんです」。
 川尻さんのお話から、風習や伝統文化の意味を知り、体験がより深まっていく。

11:00~

クリスマススワッグづくり

木のいい香りに包まれながら

 「ヒノキやスギに含まれている成分は消臭効果もあり、健康にもいいんです。今日は東白川村の特産でもある東濃ヒノキと、スギを使ってクリスマススワッグを作ります。ヒノキの枝と一緒に置いてある赤い実はイイギリ。別名をナンテンギリといいますが、ナンテンではありません。よく南天箸というのが売っていますが、あれもナンテンではなくイイギリが使われています」。参加者は、川尻さんの雑学に感心しきり。
 針金ハンガーを曲げて、ヒノキの枝やスギの枝を麻ひもで結びつけながら形をひし形に整えていく。枝ぶりがさまざまなので個性豊かに仕上がっていく。イイギリの実やリボンをワイヤーでくくりつけ、最後に長いリボンを結んでオーナメントをあしらったら完成!
「自然素材を使ってつくるので思うようにいかず大苦戦。こちらが自然に合わせていかないと、と気づいた(40代女性)」

スワッグ完成!川尻さんと一緒に
12:20~

山の幸バイキング

 薪ストーブのあるレストランにて「山の幸バイキング」の昼食へ。栗味おこわ、猪鍋などの郷土料理や、アユの唐揚げ、天然にがりの手作り豆腐などオリジナル料理、地元の手作りこんにゃくなどの特産品も盛り込まれた10種類のメニューのほか、4種類の自家製カレー、サラダバー、白川茶・バターナッツカボチャ・シソを使った3種類の地産地消スイーツも大好評!
「地元ならではの味が楽しめた。猪鍋の脂がこってりしていてすごくおいしかった!(40代男性)」

13:30~

花餅づくり

 午後は再び「こもれびの館 母屋」にて正月飾りの花餅作りに挑戦。
 まずは川尻さんから花餅の材料や風習について学ぶ。「今日使うのは、ネジキ(カツウルシ)の枝。今年伸びた枝だけが赤く、花餅が映えることと、赤い枝に白い餅は紅白で縁起がいいため好んで使われます。ほかにカエデ、エゴノキ、クリ、ヤナギなども使いますが、昔からネジキが最高級。枝の曲がりも味のうちです」。台座にはコナラやクリやサクラの木。タカキビやモチキビ、ナンテン、ヒカゲノカズラ、マツボックリで台座を飾る。

笑顔の花も咲いて

 花餅の始まりは諸説あるが、広く知られているのは生花が少なくなる冬場に餅を花に見立てて華やぎを演出した説や、養蚕農家が繭玉を木の枝につけて正月飾りにした説とのこと。
 枝が整ったらビーツ(赤ダイコン)のおろし汁で着色した赤ののし餅と、白ののし餅を包丁で小さく切って枝に巻きつけていく。紅白の花が咲き誇り、話の花、笑顔の花も咲き、参加者同士の交流も深まった。
「神道の話や、植物の知識が心に残った。ふるさと体験をすることが自然を守ることにつながるんですね(30代女性)」

よい年が迎えられそう
14:30~

餅つき&白川茶で一服

 本日最後の体験は、こもれびの館の土間で、石臼と杵を使った昔ながらの餅つき。白餅とヨモギ餅を「よいしょー!」の掛け声と共に力強く。子どもたちや、かつて子どもだった参加者がみんなで力を合わせておいしいお餅がつき上がった。
「スタッフの方が本当に温かい。子どもやお年寄りにやさしいイベント(60代女性)」

みんなで力を合わせて
15:15~

閉会式

 「今日は東白川村の神土(かんど)という地で、神に捧げるものをいろいろと作りました。皆さんの体験が村の未来にもつながります。第二のふるさととして、また東白川村を訪れてください!」と川尻さんが締めくくった。里山での体験交流を通じて、心もつながった一日となった。
「東白川村の魅力が存分に伝わって、今度はキャンプでぜひ来たい!(30代男性)」

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