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自然体験

自然体験 | 組合員レポート

山村たいけんin東白川
桧と杉で作るクリスマススワッグと花餅作り(名古屋地区)

平成28年11月26日(土)晴れ
参加者 22組53名

  • 案内人/川尻秀樹さん
    技術士(林業部門)、樹木医、森林インストラクター、きのこアドバイザー。
    現在、NPO法人ツリークライミングジャパン副理事長、NPO法人メタセコイアの森の仲間たち顧問など、多方面で活躍中。
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シキザクラがちらほらとほころぶ東白川村こもれびの里。朝から好天に恵まれ、シジュウカラ・カケス・ムクドリなど鳥の合唱が辺りに響き渡る。師走を間近に控え、東白川村の素材でつくるクリスマススワッグと花餅をつくる体験を楽しんだ。

10:40~

開会式

 東白川村こもれびの里へ到着すると、囲炉裏のある「こもれびの館 母屋」にて温かい白川茶をいただく。東白川村の村雲和裕さんより本日のスケジュール案内の後、同村の今井俊郎村長が歓迎のため来場、あいさつを頂戴する。「東白川村では田舎の価値を見直していただくことに力を尽くしています。自然を大切にし、昔からの風習や行事を子どもさんにも体験していただきたい。この村は明治時代の廃仏毀釈によって寺がなくなって以来今も神道の村で、冠婚葬祭や年中行事は90%以上が神式です。四季を通して自然を敬う行事やお祭りも多数あります。今日一日この村で楽しい時間をお過ごしください」。最後に案内人の川尻秀樹さんが「東白川村は白川茶発祥の地としても有名です。皆さんが村に来てくださることで村が潤うと、森林が守られ、水が良くなり、お茶もおいしくなる。皆さんにとってもよいことがいっぱいなんです」とあいさつされた。

11:00~

川尻さんのお話

 「海外ではリースと共になじみのある伝統的なクリスマス飾りがスワッグです。ツリーやリース、スワッグなどに使われる常緑樹は古くから生命の象徴、魔よけとして利用されてきました。日本でもサカキやソヨゴといった常緑樹は燃やすとパチパチと音を立て邪気を払うとされ、神事に広く使われます。ところで日本のしめ縄は用途によってワラのより方が違うのを知っていますか?日常で使うものは右ない、神さまにお供えするものは左ないが基本なんです」。
 川尻さんのお話から、風習や伝統文化の意味を知り、体験がより深まっていく。

11:10~

クリスマススワッグづくり

川尻さんに教えてもらいながら

 「ヒノキやスギに含まれている成分は消臭効果もあり、健康にもいいんです。今日は東白川村の特産でもある東濃ヒノキと、スギを使ってクリスマススワッグを作ります。ヒノキの枝と一緒に置いてある赤い実はイイギリ。別名をナンテンギリといいますが、ナンテンではありません。よく南天箸というのが売っていますが、あれもナンテンではなくイイギリを使っていることが多いんです」。参加者は、川尻さんの雑学に感心しきり。
 針金ハンガーを曲げて、ヒノキの枝やスギの枝を麻ひもで結びつけながら形をひし形に整えていく。枝ぶりがさまざまなので個性豊かに仕上がっていく。イイギリの実やリボンをワイヤーでくくりつけ、最後に長いリボンを結んでオーナメントをあしらったら完成!
「今回初めてスワッグを知ることができた。飾り方や材料にも意味があることを知り、クリスマスやお正月を迎える気持ちが変わりそう(40代女性)」

素敵なスワッグ完成!
12:20~

山の幸バイキング

 薪ストーブのあるレストランにて「山の幸バイキング」の昼食へ。栗味おこわ、猪鍋などの郷土料理や、アユの唐揚げ、天然にがりの手作り豆腐などオリジナル料理、地元の手作りこんにゃくなどの特産品も盛り込まれた10種類のメニューのほか、4種類の自家製カレー、サラダバー、白川茶・バターナッツカボチャ・シソを使った3種類の地産地消スイーツも大好評!
「猪鍋が最高でした!(40代男性)」

13:35~

花餅づくり

 午後は再び「こもれびの館 母屋」にて正月飾りの花餅作りに挑戦。
 まずは川尻さんから花餅の材料や風習について学ぶ。「今日の花餅作りに使うのは、ネジキ(カツウルシ)の枝。今年伸びた枝だけが赤く、花餅が映えることと、赤い枝に白い餅は紅白で縁起がいいため好んで使われます。ほかにカエデ、エゴノキ、クリ、ヤナギなども使いますが、昔からネジキが最高級。枝の曲がりも味のうちです」。台座にはコナラやクリやサクラの木。タカキビやモチキビ、ナンテン、ヒカゲノカズラ、マツボックリで台座を飾る。

まずは枝を整えて

 花餅の始まりは諸説あるが、広く知られているのは生花が少なくなる冬場に餅を花に見立てて華やぎを演出した説や、養蚕農家が繭玉を木の枝につけて正月飾りにした説とのこと。
 枝が整ったらビーツ(赤ダイコン)のおろし汁で着色した赤ののし餅と、白ののし餅を包丁で小さく切って枝に巻きつけていく。紅白の花が咲き誇り、話の花、笑顔の花も咲き、参加者同士の交流も深まった。
「材料がすべて自然のもので、自分の村ですべて用意できるというのが素晴らしいと思った(40代女性)」

お餅を枝にくっつけていくのが楽しい
14:35~

餅つき&白川茶で一服

 本日最後の体験は、こもれびの館の土間で、石臼と杵を使った昔ながらの餅つき。白餅とヨモギ餅を「よいしょー!」の掛け声と共に力強く。子どもたちや、かつて子どもだった参加者がみんなで力を合わせておいしいお餅がつき上がった。
「昔を思い出して何回も餅つきをやれてうれしかった。やっぱりおいしいね、つきたては(70代男性)」

みんなで力を合わせて
15:15~

閉会式

 「今日は東白川村の神土(かんど)という地で、神に捧げるものをいろいろと作りました。皆さんの体験が村の未来にもつながります。ぜひ、また東白川村を訪れてください!」と川尻さんが締めくくった。里山での体験交流を通じて、心もつながった一日となった。
「村長さんのお話も川尻さんのお話もとても良くて、応援していきたい気持ちになった(40代夫婦)」「山村の方が水や山の木を大切にされていることがわかり、恩恵を感じながら作ることができた(60代男性)」

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