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和紙ちぎり絵

平野流和紙ちぎり絵代表
平野 滋子

今回のテーマは"夏"です。
ちぎり絵も夏を思わせるうちわや扇子に貼ることが出来ます。うちわや扇子、それぞれには凸凹があるので、貼り方、糊のつけ方には気をつけましょう。

うちわ

 ◎朝顔
ピンクとブルーのお花を作ります。紙は板締和紙を使います。
板締の濃淡を使い色のうすい所がめしべになる様に使います。
花びらのちぎり方は2枚で仕上げます。
葉は緑色の4種類の板締和紙を使います。
大きな葉は濃い色、小さな葉は新芽ですので薄い色が良いでしょう。
つるは草色の雲竜紙を使います。雲竜の繊維を抜いて下さい。
その時太いのや長いのは目打ちで半分に割って使います。

 ◎子守り
人物画は先に顔や体から貼ります。髪の毛は黒の雲竜紙で貼り、頭のはえぎわは黒の雲竜紙の毛羽を利用します。
かんざしは、無地和紙の金色でも黄色でも良いと思います。
大人と子供の着物は柄の紙を使うと便利でしょう。
目・眉毛・鼻などは黒の雲竜紙で細く手際良く仕上げます。

 ◎ひょうたん
木になっているひょうたんですので青緑の板締和紙が良いでしょう。
この時、ひょうたんの丸味に注意します。
葉は2種類の板締和紙の緑色を使います。
葉は1枚で葉のかた型にちぎります。
つるは黄緑色の雲竜紙を使い繊維を抜きます。

扇子

扇子には男持用と女持用とがありますが、作品にはこだわる必要はありません。

 ◎ホタル
葉の上にホタルが1匹止まっています。
葉は3種類の板締和紙を使います。
大きな葉の上にホタルを作ります。
黒の胴体・赤の頭は無地の和紙を使い、足やひげは黒の雲竜紙の繊維を使います。
草は少しうすい色の緑色を使うと良いでしょう。

 ◎朝顔
ピンクの花の花びらは1枚でちぎります。
葉は3種類の緑色の板締和紙を使います。
つるは黄緑の雲竜和紙の繊維を抜いて使います。
葉の葉脈は白の雲竜紙が良いでしょう。

 ◎月景
水墨月に月景をしてみました。水墨用に白から黒の濃淡で染めてある、むら染和紙を使います。
遠くの山は薄い色で近くの山になるにつれ、だんだんに濃い染めの所を使います。
右側の松の木は濃い染めの所を使い、重ね貼りをします。
松の葉は濃淡をうまく利用して、遠近感をだします。この時、松の葉の貼りすぎに注意して下さい。


 ちぎり絵教室について
私と、友人はちぎり絵教室を見つけて二人で申し込んで始めました。先生の指導を受けながら作品が一枚が仕上がり出来てうれしかった。それから毎回楽しみが 一つ一つ、作品が難かしいけどだんだんと出来上ってうれしく思います。毎月教室に来るのが待ちどうしいぐらいです。それから習い始めて、三年ぐらいたって からぼつぼつと6号から8号へと進んでまいりました。周囲の皆さん達に聞いたりしてだんだんと、出来上って楽しみがふえてきます。これも先生の御指導が良 くて又、皆さん達も聞いたりしていろいろと話しをしたりして教室の中は、いつも笑いがいっぱいです。私も何んだ、かんだと、もう今年で端がけ12年目にな ります。これからもお世話を掛ますが呆け防止の為頑張って続けてまいりたいとお思います。 今後共よろしくお願いします。

 中日ビルとの出会い
私が中日ビルの教室に通うようになったのは足の手術で入院した時、パンフラワーの花を作っている人に出会って、私もこんな可愛い花を作ってみたいと思った のがきっかけです。退院して、中日ビルのパンフラワーの教室で、大好きな花を作って自分なりに満足していました。そんな時、娘が結婚することになり、私の 作ったマーガレットの花をブーケとして式の当日手に持ってくれました。うれしくて涙が出ました。この感激、この素晴らしい体験が出来たことを感謝していま す。それからしばらくたって新しいことがやりたくて、ちぎり絵教室に入会しました。ちぎり絵教室ではパンフラワーの時とちがった色々な感動がありました。 知らなかった珍しい花の名前や葉の形、特徴等、勉強になることばかり。またバザーや作品の展示等、はげみになることも沢山あって、楽しみながらの作品づく り。素晴らしい先生やお友達とも出会えて、中日ビルに来て本当によかったと思います。これからも出来る限りがんばって続けていきたいと思っています。

 退職し緊張感から解放され、さてこれからの余生は自分のために過そうと思い、何をしようかと思ったとき、ちぎり絵をやってみようと思い始めました。
  最初は思うように出来なくて不安でしたが、やっているうち友達も出来、お稽古日が待ち遠しく作品が出来上るのが楽しみになりました。そのうち小さい作品ば かりでは物足りなくなり、少しづつ大きい作品に取り組むようになり人物・風景・花等、作ってみたい作品に夢が膨らみました。途中、何度も投げ出しそうにな りました。
  出来上がったときの喜びはひとしおです。新築祝いや結婚祝いに差し上げると喜んでいただけるのも、私自身の喜びです。
 細かい手作業のため、ボケ防止になり緊張感なく気軽に教えて下さる先生や仲間に恵まれ楽しく長く続けられるよう望んでいます。

 ちぎり絵
  ちぎり絵に出合って、はや十年。
 休みやすみではあるがいつの間にかこんな年月になってしまった。
 ちぎり絵は奥が深く、十年と言ってもまだ入口のような気がする。お手本が変わる度にどうしようか、いつになったら仕上るか、と思いながらとりかかる。バック紙を貼るとシワが出たり、うす紙を使うのが苦手でいつまでたっても苦労する。
 でも教室はいつも和やかで、楽しく二時間があっという間に過ぎてしまう。これからもしばらくは続けたいと思っている。


今回で平野滋子先生の執筆の「和紙ちぎり絵」は終了しました。
長い間のご愛読ありがとうございました。

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