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初めての1人暮らしごはん

郷土料理研究家
栄中日文化センター提携 インターティアラ・お料理サロン 主宰
伊藤 華づ枝

初めての一人暮らしごはん~魚をさばいて料理する~

 前シリーズでは「かんたんコース料理」と題し、家庭でも手軽に作る事ができるコース料理のレシピを、とっておきのテーブルコーディネートとともにご紹介しました。今シリーズは、(1)初めての一人暮らしごはん、(2)パパッと2人ごはん、(3)一緒に作れる!KIDSごはんの3つのジャンルに分けて、みんなが幸せになれるレシピをご紹介しています。各ジャンルを毎月順番に取り上げ、その月のテーマに沿って役立つ情報とおすすめレシピをお届けします。

 第7回目の今月は、「初めての一人暮らしごはん~魚をさばいて料理する~」

寒さの中にも、少しずつ春の便りが届き始めました。店頭にはフキノトウやタケノコ、ウド、ワラビなどの山菜や、春キャベツ、菜の花、新玉ねぎなどのみずみずしい春野菜が並びます。アサリやハマグリなどの貝類やワカメやヒジキなどの海藻類も水が温かくなる春先においしくなる食材です。一人暮らしだからこそ、日々の食卓に旬を取り入れ、季節の移ろいを感じたいものですね。今月は、一人暮らしの食生活を格段にアップさせる魚介類の調理について取り上げます。今春から一人暮らしを始める人も必見!魚介類のうまみたっぷりの本格シーフードカレー、手作り干物のレシピとともに、初めての人でも取り入れやすい魚介類の扱い方をご紹介します。
その他の魚介類の取り扱いについては、
2005年11月号「エプロン一年生さんの為の基本クッキング」第4回:知っておきたい基本の切り方~魚介類・肉類の切り方~
もご参照ください。

★魚介類のすすめ

魚は私たちの健康に欠かせない栄養素の宝庫です。老若男女を問わず、必要な栄養素がたくさん含まれています。

■良質タンパク質

筋肉や臓器、皮膚や血液など、私たちの体を作る重要な役割を果たしています。魚のタンパク質には、必須アミノ酸がバランス良く含まれています。

■カルシウム

丈夫な骨や歯を作ります。心臓や筋肉の働きを正常に保ったり、精神を安定させる働きもあります。

■DHA(ドコサヘキサエン酸)

脳の活性化や生活習慣病予防の効果があります。

■EPA(エイコサペンタエン酸)

血液をサラサラにし、生活習慣病の予防や改善、抗アレルギー作用などが期待できます。

■タウリン

疲労回復や肝機能向上、血圧の正常化や目の健康に役立ちます。

■亜鉛

味覚を正常に保つ、新陳代謝や発育を促す、生殖機能の維持、免疫力アップ、美肌など多くの機能があります。

一人暮らしの食事は、魚介類より肉類が多くなりがち。魚介類は、難しい、手間がかかる、保存に不向きなどのイメージが強いようです。しかし、一度覚えてしまえば大丈夫。自分で作った魚料理のおいしさは格別です。さあ、安心・安全でおいしい魚料理をはじめましょう。

★魚介類の下処理

一人暮らしでも取り入れやすい、代表的な魚介類の扱いについてご紹介します。

■エビ

エビが入ると料理が華やかになります。炒め物や揚げ物、煮物、サラダなど、出番の多い食材です。冷凍のものも多く、保存も便利です。

~背ワタの取り方~

・竹串などで背ワタを抜く
エビの背中を丸め、節の3つ~4つ目あたりに竹串を刺し、すくい上げるようにして取り除きます。


・背開きにして背ワタをとる
背に2~3センチの切込みを入れ、包丁の先で背ワタを取り出します。


■イカ

一人暮らしの定番料理であるパスタや焼きそば、お好み焼き、炒め物に、うまみたっぷりのイカは大活躍。酒の肴としても最高です。

~イカの下処理~


  1. 胴の下からワタを傷つけないように、やさしくイカの足を引っ張り、ワタを取り除きます。
  2. 胴についている軟骨を取り除きます。
  3. 胴と耳の付け根を離します。
  4. 1/4ほど皮がむけたら、静かに引っ張り皮をむきます。皮はキッチンペーパーや新聞紙などで滑らないように丁寧にむきましょう。(料理によって皮をむく場合とむかない場合があります)
  5. ワタと足を切り離し、足の付け根にあるくちばしを押し出します。

■貝の砂抜き

アサリやハマグリなどの貝類がおいしくなる季節です。市販されているものは、ほとんど砂抜き済みとなっていますが、料理前に再度砂抜きすることで、よりおいしくいただけます。

  1. 貝の殻を手でこすりつけながら水道水でよく洗い、表面の汚れを取ります。

  2. ボウルやバットなどに貝を重ならないように並べ、塩水(3%程度)をひたひたに浸します。
    貝が吐き出した砂を再び吸わないようにするため、ザルなどの上にのせるとよいでしょう。
  3. 新聞紙などをかぶせて暗くし、1~2時間ほどおきます。最後に、再度水道水で洗ってから調理します。

次は、これらの魚介類を使ったカレーに挑戦です!!

本格シーフードカレー

うまみたっぷり、ごちそうカレーです

エネルギー570kcal、タンパク質28.6g、脂質16.6g、塩分2.9g(1人分)
材料 2人分 1人分
はまぐり 4粒(90g) 2粒(45g)
エビ 6尾(90g) 3尾(45g)
イカ(胴のみ) 100g 50g
ホタテ貝柱 4コ 2コ
白ワイン 30~40ml 20~30ml
サラダ油 大さじ1・1/2 大さじ1弱
赤唐辛子 1本 1/2本
玉ねぎ(小角切り) 大1/2コ(150g) 大1/4コ(80g)
(A)    
ガラムマサラ 大さじ1/2 小さじ1弱
ターメリック 小さじ1/2 小さじ1/4
レッドチリパウダー 小さじ1/3 少々
トマトピューレ 75ml 大さじ2・1/2
魚介の蒸し汁(足りない場合は水を足す) 100~120ml 50~60ml
小さじ2/3 小さじ1/3
生クリーム 25ml 大さじ1弱
ご飯 2人分 1人分

作り方

  1. はまぐりはよく洗い、エビは殻をむき、背ワタを取って塩でもんで、よく洗います。
  2. イカはハラワタを抜き、皮をむいて1cm幅の輪切り、ホタテ貝柱は片面に軽く切り込みを入れます。イカはスルメイカ又はヤリイカを使用。
  3. 鍋に1.と2.、白ワインを入れ、フタをして火にかけ、はまぐりの口が開くまでワイン蒸しにし、ザルに上げて魚介と蒸し汁を分けます(蒸し汁は後で使用します)。
  4. フライパンにサラダ油を入れ、種を抜いた赤唐辛子を炒めて香りが出たら、玉ねぎをじんわりと炒め、(A)を加えてよく炒めます。
  5. 4.の赤唐辛子を取り出し、トマトピューレ、3.の蒸し汁を加えます。
  6. 5.に3.の魚介を戻し入れ、塩と生クリームで味を整えます。
  7. 器にご飯を盛り、6.をかけます。

※写真にはイタリアンパセリを添えました。


イワシのみりん干し

安心感と満足感は手作りならでは

エネルギー184kcal、タンパク質14.5g、脂質10.7g、塩分0.7g(1枚分)
材料 作りやすい分量(5枚分)
イワシ(1尾140g位) 5尾
(A)  
しょうゆ 25ml
みりん 50ml
砂糖 大さじ1/2
白ごま 大さじ1

作り方


  1. 頭と腹を切る

    よく洗って水気をふく
    イワシはうろこ(ほとんどない)を指先で軽くこそげとります。頭と腹をキッチンバサミで切り落としてワタを取り出し、よく洗って水気をふきます。

  2. 腹に親指を入れて身をはがす
    腹に親指を入れ、中骨にそって尾のつけ根まで指を進めて身をはがします。

  3. 中骨をつまみ上げる

    尾のつけ根で切る
    中骨をつまみ上げ、手を添えて静かに取り除き、キッチンバサミで尾のつけ根で切ります。
  4. キッチンペーパーで3.の水気をふき取ります。

  5. 調味料につける
    ボウルに(A)を混ぜ合わせ、4.を15分間程浸けます。

  6. 水気をふく

    ごまをふって軽く押さえる
    5.の水気をキッチンペーパーで取り、白ごまをふって軽く押さえ、万能干し網に入れて外で約1日干します。
  7. グリルで4~5分間程、軽くあぶっていただきます。

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