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自然体験 | 組合員レポート

山村たいけんin東白川 朴葉ずし&朴葉もち体験

平成16年6月19日(土)曇りのち晴れ
参加者 11組37名

  • 案内人/川尻秀樹さん
    技術士(林業部門)、樹木医、森林インストラクター、きのこアドバイザーなどとして活動。現在、飛騨インタープリターアカデミー運営委員、NPO法人ツリークライミングジャパン副理事長、NPO法人メタセコイアの森の仲間たち顧問など、多方面で活躍中。
  • 朴葉採り案内人/藤井茂樹さん
  • ※このページにある写真をクリックすると拡大写真を見ることができます。

東白川村を東西に流れる白川は鮎の解禁も間近。初夏のこもれびの里では、朴葉(ほおば)ずしや朴葉もちなど、素朴な郷土料理づくりに取り組んだ。

10:05~

開会式

ムラサキシキブ(紫式部)のかわいい薄紫の花が咲き、「ツッピー、ツツピー」と シジュウカラの声が響くこもれびの里。受付横のテーブルには赤く熟した実がたわわについたユスラウメ(山桜桃)の枝がおかれていた。「この実は食べられますよ」と話す地元の藤井茂樹さんの声に、参加者が試食する姿も。
開会式では「今日は朴葉ずしをつくりますが、この地方には田植えが終わった頃に、これを食べる習慣があります。山里では朴はどこのお宅でも家の近くに植えておいて、昔から葉や木を利用しました」と、案内人の川尻秀樹さんが山村の暮らしや樹木の話をまじえながらあいさつした。

10:20~

朴葉を採りに出発

まず一行は、本日の「主役」である朴葉を採りに出発。こもれびの里から数分、朴の木がある茶畑まで歩いて行った。たくさんの葉をつけた枝を、はしごに乗った藤井さんがノコギリで見事に倒すと「おぉっ!」と参加者からも歓声が。
飛行機のプロペラのように数枚の葉が生えるのが朴葉の特徴。各自がすし用に4枚、もち用に2枚の朴葉を枝からゲット。虫食いのないきれいな葉を選んでいった。
朴の木の表皮は柔らかくて手で簡単にむける。木材は下駄に使われ、香りがいいので風呂にいれて昔は入浴剤の代わりにもしたとか。川尻さんが1枚の朴葉をちぎってお面にするのを見て、子どもたちもまねをする。「子どもの頃は朴葉を持って、風車のように回るまで走って遊んだものですよ」と藤井さん。葉を手にした一行は、散策しながらこもれびの里へ戻った。

10:50~

朴葉ずしをつくる

持ち帰った朴葉を水洗いした後、タオルで軽くふいてから作業に入った。まず川尻さんが朴の花の写真を手にして花や葉について説明。「さっき採った朴の葉は緑ですが、みなさんがよく見る朴葉は茶色でしょう。朴葉には殺菌力があり、茶色になっているのは殺菌効果がでている証拠なんです。葉はキズがついて傷みやすいので注意してください」。さらに、具を混ぜたご飯を使う飛騨地方と違って、「東濃地方ではご飯に具をのせてつくります」と朴葉ずしに関する解説が続き、参加者は耳を傾けた。
朴葉ずしづくりの手順は、最初に葉を「お皿」にしてご飯を盛りつけ、上に具をのせていく。具は鮭、玉子焼き、シーチキン、キャラブキ、しぐれ、漬け物、紅ショウガの7品が用意された。役割を分担して、子どもたちも張り切って手伝っていた。
具をのせたら葉を二つに折り、桶に並べていく。並べ終えると上からふたをして重石をのせる。「通常は半日くらいおきます。朴葉の香りがついて、酢飯もなじんでおいしくなるんです」と藤井さん。
ある女性は「今日は朴葉ずしのつくり方を教わって、家で母につくってあげようと参加しました。これなら家でもできそうですね」と話していた。

←風車のような朴葉を手に、川尻さんがライブ解説。
←「誰だかわかる?」。朴葉は子どもたちの遊び心をくすぐる。
←"小さなおすし職人さん"は元気いっぱい!
11:50~

昼食は里山の味づくし

自分たちでつくった朴葉ずしが昼食のメインメニュー。おかずは天然にがりを使った豆腐、手作りこんにゃく、漬け物、吸い物など。こもれびの館のテラスや母屋の座敷などで、山里の素朴な味覚を思い思いに楽しんだ。

←「手づくりの味はやっぱりいいね!」
12:50~

朴葉もち&繭玉団子づくり

午後からは朴葉もちと繭玉団子づくりがスタート。まず、朴葉もちのつくり方。もち用粉は上新粉に片栗粉、砂糖、塩を加えたもの。粉に湯をまぜて、手でこねていく。それを人数分に分けて、団子状に丸めてから蒸し器で蒸す。その間に、繭玉団子づくりに取りかかる。材料は上新粉のみ。もちと同じように湯をまぜてなじませ、こねる。もち生地が蒸し上がったのと入れ替わりで、今度は団子の生地を蒸し器に入れる。
さらに、もちづくりの続き。蒸したもち生地をギョウザの皮のように丸く伸ばしていき、あんこを入れて丸める。でき上がったもちを朴葉にのせ、葉でくるんでいく。 最後に葉の香りをつけるために再び蒸し器で蒸す。
一方、蒸し上がった団子生地は人数分に分けて、各自でよくこね、それを5等分して丸めていけば完成。なかには団子をクマの形にしている女の子も。団子は持ち帰り用パックに詰めた。

←せっせと繭玉団子づくり。「これくらいの大きさかなぁ」
←「できたてなので、朴葉がすっごくいい香りですね」
14:10~

朴葉もちの試食タイム

蒸し上がった朴葉もちを手にテラスに移動。白川茶で一息入れながら試食タイムに。いい色に蒸し上がった朴葉もちを広げた女性からは、「朴葉がほんといい香り。おいしいわ~」と喜びの声が聞かれた。

14:35~

閉会式

一服して落ち着いたところで、閉会式。川尻さんが「お疲れさまでした。家に帰ってからも、時々は朴葉ずしや山里の暮らしなど、今日の出来事を思い出してくださいね」とあいさつ。最後は全員が集合して記念撮影で締めくくった。
4才のひ孫さんから87才の大おばあちゃんまで4世代で参加した家族は「お金では買えない貴重な時間をすごせました」と一言。イベントが終わる頃、梅雨空はすっかり夏の青空に変わっていた。

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