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お茶成分と薬効

信天翁(アホウドリ)喫茶主
医学博士 山中 直樹(宗直)

ベーター(β)カロチンを知る

お茶葉成分としてβ--カロチンがある。緑茶等の熱湯抽出物とはならないが、β--カロチンの薬効については多くの人達が正しい知識を持っていない。

β--カロチンは動物、植物、細菌と広く自然界に存在するカロチノイドと呼ぶ仲間の一種だ。
カロチノイドの内、プロビタミンAと言って生体内でビタミンAに変換されるものがある。その代表がβ--カロチンで、他にアルファカロチン、ガンマーカロチン、β--クリプトキサンチン等が知られている。
まとめるとβ--カロチンはカロチノイドの仲間であり、プロビタミンAの一つなのだ。

カロチノイドは自然界に600種以上存在していることが知られている。緑黄色野菜、果物に多く含まれてガン予防などになると注目されて話題となっている。
つまり、お茶の主成分であるカテキン類の仲間、ポリフェノールのフラボノイドと同様に自然界の植物食品に広く多くの種類が存在するものなのだ。

カロチノイドとして、人間ではβ--カロチンの他にアルファーカロチン、ルチン、ゼアキサンチン、β--クリプトキサンチン、リコペン等が主な成分となっている。
 カロチノイドが持つ機能としては前述したプロビタミンとしてビタミンA になる作用、集光性作用と言って、植物の光合成に大切な作用を持つ。また、細胞膜の安定化作用、抗酸化作用等が期待される。それ故にガンや老化予防になる のではと検討されている。
β--カロチンに話題を戻す。β--カロチンを多く含む野菜はニンジン、パセリ、トマトケチャップ、ホウレンソウ等だ。
茶葉ではプロビタミンAとしてβ--カロチンが主として含まれる。他にアルファーカロチン等が含まれており、まとめてカロチンと言う。
β--カロチンはビタミンE、トコフェロールと同じように脂溶性であるために、茶葉成分として含まれてはいるが、通常の熱湯によっては抽出されてこない。つ まり、緑茶等の茶葉に含まれていても、お茶湯として飲んでも摂取出来ないことになる。
それ故に茶葉ごと飲む抹茶として飲むか、その他の緑茶等の場合でも茶葉も一緒に飲むか食べる必要があると云うことになる。

抹茶ではどの位含まれているか検討する。抹茶100グラム中には28ミリグラム位含まれている。
それから計算してみるとビタミンAの効力としては1.5万IU(国際単位)に相当する。
一日に必要なβ--カロチンの摂取量は6ミリグラムと言われているが、米国の老化研究グループは10~30ミリグラムの摂取が望ましいと言っている。
抹茶で言えば100グラム飲めば良いことになる。しかし、緑茶等の熱湯抽出物としては摂取できないと記憶しておく必要がある。

β--カロチンがガンや心臓病予防になると宣伝されて商品となっているが話は簡単ではない。
次回から紹介するが驚くべき状況となっていることはご存知か。

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