文化講座
レッスン3 お詫びするときの表現
ローマ:コンスタンティヌスの凱旋門(312-315年)
Roma : Arco di Costantino (312-315 d.C)
レッスン3 お詫びするときの表現
A. 『すみません!、ごめんなさい!』(Scusi!)
人に道をたずねたり、場所を聞いたりするとき、Scusi!「すみません」と声をかけて下さい。またはMi「私を」を前に付けてMi scusi!「ちょっとすみません」と言うと少し控えめで丁寧になります。またこの言葉は謝るときの「ごめんなさい!」といった意味でも使いますのでしっかり覚えましょう。例えば人前で咳をしたり、くしゃみをしたり、あくびなどをしたりしたとき「失礼しました!」「ごめんなさい!」と軽く謝るときなどがそれです。
しかし日本語で日常的によく使う「すみません!」という言葉は、イタリア語では使いませんので注意して下さい。Senta!は、「あの...」「ちょっと」の意味で、レストランなどでこちらに気づいていないウェイターを呼ぶときなどによく使います。もちろんSenta! Scusi!と続けても良いです。
Scusa!は、親しい相手に使う「すみません、ごめんね!」です。初対面の人や道を尋ねたり、店員に声を掛けたりするときは丁寧にScusi!と言って下さい。
人に迷惑をかけたりするときは、出来たらMi scusi!と言った方がよいと思います。
mi「私を」が付いていると、自分のことが含まれてくるので、少し丁寧な口調となります。人に道や場所を尋ねたりするときはScusi!で十分だと思いますが、人に迷惑をかけたりしたときは、出来たらMi scusi!と言った方がよいと思います。
例文:
- Scusi, posso avere un'altra tazza di te?
(すみません!紅茶をもう一杯いただけませんか?) - Scusi, può ripetere per favore!
(すみませんが、もう一度言って下さいますか?) - Scusi, dove devo parcheggiare la macchina?
(すみません!どこにクルマを駐めたらいいですか?) - Scusa, non ti ho sentito entrare.
(ごめんなさい!君が入ってくるのが聞こえなかった) - Mi scusi, può ripetermi il suo nome?
(すみません!もう一度名前をお願いします) - Mi scusi, non sono affari miei!
(ごめんなさい!私には関係ないことです) - Mi scusi! Avevo sonno e mi stavo appisolando.
(ごめんなさい! 眠くてうとうとしていました) - Mi scusi, potrebbe indicarmi la stazione della metro più vicina?
(すみません!最寄りの地下鉄の駅を教えて頂けませんか?) - Mi scusi, posso lascire qui l'ombrello bagnato.
(すみません!濡れた傘をここに置いていいですか?) - Mi scusi per la risposta in ritardo.
(お返事が遅くなって申し訳ありません) - Chiedo scusa per il ritardo del traffico!
(交通渋滞のため遅れてすみません) - Chiedo scusa per l'inconveniente.
(ご不便お掛けして申し訳ない) - Ti chiedo scusa se ti avessi offeso.
(気に障ったらのなら君に謝ります) - Chiedo scusa, dove si trova la stazione della metro?
(すみません!地下鉄の駅はどこですか?) - Mi scusi, non l'ho fatto apposta.
(すみません!わざとじゃないんです) - La prego di scuare il mio lungo silenzio.
(平素のご無沙汰お許し下さい) - Non so proprio come scusarmi.
(どう謝っていいのか本当申し訳ありません) - Non ho parole per scusarmi.
(お詫びの言葉もありません) - Ti devo delle scuse.
(私はあなたに謝らなければなりません) - Scusa, me ne ero completamente dimenticato!
(ごめんなさい、すっかり忘れていました!) - Scusa, è stata colpa mia!
(ごめんなさい、それは私のせいでした!)
■文法の基礎知識(命令法)
Scusi!は、丁寧なあなたに対して(Lei三人称単数)「ごめんなさい」。しかしScusa!は、親しい間柄の人に対して(tu二人称単数)「ごめんね!失礼!」と言います。しかし人に尋ねたりするときの会話でよく使う「あの!すみません!」Senta!は、反対にSenta!が丁寧な表現で、Senti!が親しい相手に対して使います。これは動詞の命令形で、イタリア語では人称によって語尾変化します。scusare「許す」、prendere「取る」、sentire「聞く」という動詞の命令形は、語尾が-ere動詞又は-ire動詞の場合、二人称の語尾変化は-i(prendi, senti)となり、三人称(丁寧なあなたに対して)は-a(prenda, senta)となります。しかし語尾が-are動詞の場合は、反対になり二人称が-a(scusa)となり、三人称が-i(scusi)となります。例えば、レストランでウエイターさんに声をかけるとき「あの!すみません!メニューお願いします」(Senta! Scusi! il menù, per favore!)と言います。命令形の語尾に注意して使いましょう。
また複数の人に対して謝る時に使う場合はScusate!を使います。
例文:
- Scusate! è tutta colpa mia.
(みんなごめんなさい!すべて私のせいです) - Scusate se vi interrompo.
(お邪魔して申し訳ありません!) - Scusate, non sono dell'umore di festeggiare ora.
(みんなごめんね!今はお祝いする気分じゃないんだ!)
その他の表現
Permesso!:車内や雑踏の中で人混みをかき分けて前に進むときなどは、Permesso!「失礼、通して下さい!すみません」と言って進んで下さい。周りの人はPrego!「どうぞ!」・Avanti!「お先に!」と言って通してくれますので、Grazie!「ありがとう!」と言って進んで下さい。
(会話例)
- a: Scusi! Permesso? Posso entrare?
(すみません!中に入ってよろしいでしょうか?) - b: Prego! Si accomodi, pure!
(どうぞ!ご自由に!) - a: Grazie!
(ありがとう!)
Mi perdoni!:動詞perdonare「許す」を使って、「私をお許し下さい!」の意味で「ごめんなさい!」をよく使います。例えばバスなどで足を踏んでしまったときなど、「許しを請いたい」という意味で丁寧に謝るときによく使う表現です。
(会話例)
- a: Mi scusi, mi perdoni! Le ho fatto male?
(ごめんなさい! 大丈夫でしたか?) - b: Non fa niente! 又は Di niente!
(何でもないですよ!)
又は
Non si preoccupi!
(ご心配なく!)と返事が返ってくるでしょう。
例文:
- Mi perdoni per la mia maleducazione!
(無作法お許し下さい!) - Chiedo perdono(scusa)!
(ごめんなさい!お許し下さい!) - Ho sbagliato io, perdonami.
(僕が間違っていた、許してくれ!) - La prego di perdonarmi.
(どうか私を許して下さい!)
Sono spiacente!:形容詞spiacente「残念な、遺憾な」を使って表現します。
少し丁寧な表現となりますが、「申し訳ありません!」「残念です!」の意味でよく使います。
例文:
- Spiacente, ho fatto un errore.
(すみません!間違えました) - Sono spiacente per il disturbo.
(お騒がせして申し訳ありません!) - Sono spiacente, l'orario di visita è passato.
(申し訳ございませんが、面会時間は過ぎております) - Sono spiacente, devo terminare questa chiamata adesso.
(申し訳ありません!もう電話を切らなければなりません) - Spiacente, non posso rimanere a lungo.
(すみません!あまり長居は出来ないんです) - Sono veramente spiacente di averla fatta venire fin qui.
(せっかく来ていただいたのに、本当に申し訳ない!) - Sono spiacente di non poter aiutare.
(お役に立てなくて残念です!) - Sono veramente spiacente di non averti potuto avvertire prima.
(もっと早く知らせてあげられなく本当にごめんなさい!)
B. 『ごめんなさい!残念です!お気の毒です!』(Mi dispiace!)
Mi dispiace!「ごめんなさい!」「残念です」「お気の毒です」などの意味です。英語のI'm sorry.と同じ使い方をします。お詫びを表す言葉というより、残念であるとか遺憾の意味が含まれます。
しかし人を待たせたり、約束を破ったり、人に危害を加えたりした場合などはMi dispiace!「失礼しました!」「申し訳ありません!」と言って下さい。Mi dispiaceに対しての返事はNon fa niente「ご心配なく!」とかDi niente又はNiente「いいんですよ!」と言って下さい。
例文:
- Mi dispiace!
「残念です!」「お気の毒です!」「ごめんなさい!」 - Mi dispiace tanto(molto)!
(本当にごめんなさい!) - Mi dispiace veramente!
(本当にお気の毒です!) - Mi dispiace davvero!
(本当に申し訳ない!) - Quanto mi dispiace!
(本当にすみません!) - Mi dispiace per il distrubo.
(お邪魔してすみません!) - Mi dispiace, ma sono tutti esauriti.
(申し訳ありませんが、みんな売り切れてしまいました) - Mi dispiace, ma oggi non posso andare con te.
(ごめんなさい!今日は一緒に行けません) - Mi dispiace, ora ho le mani occupate.
(申し訳ない!今ちょっと手が離せないんです) - Mi dispiace, ma ho già un appuntamento(impegno) stasera.
(申し訳ない!今夜はもう約束〈予定〉があるので) - Mi dispiace di telefonarla a quest'ora.
(こんな時間にお電話してすみません) - Mi dispiace, ma non ho voglia di uscire oggi.
(すみません!今日は出掛ける気がしないんです) - Mi dispiace doverti dire questo.
(このようなことを申し上げるのは申し訳ありません) - Mi dispiace di averti fatto aspettare così a lungo!
(長い時間お待たせして申し訳ありません) - Mi scusi, può ripetermi il suo nome?
(すみません!もう一度名前をお願いします) - Mi dispiace di non essere uscito a venire alla festa.
(パーティーに行けなくてごめんなさい!) - Mi dispiace molto per il mio comportamento.
(私の振る舞いを大変申し訳なく思っています) - Mi dispiace molto sentire questa cosa.
(それを聞いてとても残念に思っています) - Mi dispiace tanto per la tua perdita.
(お悔やみ申し上げます) - Mi dispiace tanto per quello che ti è successo.
(あなたの身に起こったことをとても残念に思います) - Avevo completamente dimenticato l'appuntamento. Mi dispiace molto!
(約束をすっかり忘れていました。本当にごめんなさい!)