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アロマハンドトリートメント~現代社会の中で活かすコミュニケーションと自然療法による癒し

一般社団法人アロマハンドトリートメント協会代表理事
木之下 恵美 Megumi kinoshita

アロマハンドトリートメントで大切なこと

アロマハンドトリートメントで大切なこと

1.フェイス・トゥー・フェイス

顔と顔を見合わせてお互いにフェアな状態でケアを行います。また、表情の確認と言葉のかけあいも自然に行うことができるので安心感のあるケアができます。

2.タオルから始めるコミュニケーション

すぐに直接触れず、丁寧なタオル使いからはじめることによって安心感と親近感を伝えることができます。
また、この時タオルの上から手の感触を感じ、筋骨の状態や手腕の健全性を計り、施術調節の参考にします。

3.やわらかなタッチで神経疲労をとる

5gのタッチといわれるエフルラージュ(軽擦法)を基本として包み込み温めるようなマッサージを行います。
これによって、神経の緊張とコリをほぐし、ストレスを軽減します。

4.オイルに任せる

その方に効果的な植物油(マッサージ用のオイル)と精油(エッセンシャルオイル)を選択し、施術の手技ばかりでなく、オイルの有効性に任せます。
滋養性の高いマッサージオイルと受け手の方の橋渡しをするようなケアができると、もっとも心地よい効果的なアロマハンドトリートメントとなります。

5.ハーブティーでより効果的に

施術のあとは、ハーブティーなど温かく心身に有効なものをお飲みいただきます。
ハーブティーで心身を癒しながらオイルの感受性と有効性を、より一層高めます。

アロマハンドトリートメントを行うにあたって、もっとも大切な要素を列記しました。特に1.の『フェイス・トゥー・フェイス』は、ほかのマッサージ手法にはない要素で、施術をする側にも受ける側にも今までにないケアの意義が含まれています。

信頼感、安心感、許容感、存在の価値の感じあい、感謝、といった感覚を言葉ではなく、タッチをとおして知ることができます。

(社)アロマハンドトリートメント協会のスクール課程の中に、外部での実習があるのですが、その外部実習でのことです。数名のスクール生の方を1グループとしてお伺いしたある介護老人施設でのことです。痴呆認定を受けていらっしゃるあるご婦人のAさんに施術をおすすめしたところ、最初はとても拒まれていました。不安感が一番の原因であったと思います。大丈夫ですよ、と促されながら、不安げなご様子で着席されました。最初は落ち着かない様子でしたが、お互い斜めに位置しながら行うアロマハンドトリートメントは、数分と経たないうちに、不安感を取り除いていってくれたようです。Aさんは、途中からとてもリラックスした様子で最後までお受けくださいました。
状況に応じて、5分から45分のケアを行うアロマハンドトリートメントですが、老人施設などの基本は15分のアロマハンドトリートメントを行います。Aさんの場合も、老人施設などで基本とさせていただいている15分のケアでした。施術後は、手がすべすべになったよと少しうれしそうなご様子もありました。
その1か月後、ふたたび同じ施設でアロマハンドトリートメントをさせていただきに行きました。たくさんの利用者さんがいらっしゃいますので、施設の担当の方が、まだお受けになっていない方を何人かご案内くださいました。1か月前に施術をさせていただいたAさんもいらっしゃって、それをご覧になり、前回施術をした方を見つけて、今日は私はやってもらえないの?と寂しそうにおっしゃいました。ほんの15分のこと、1か月前のことにもかかわらず、ちゃんと覚えていてくださって、寂しそうにしていらっしゃったことを思うと、申し訳なくもあり、ありがたくもあり、うれしくもあるような気持ちになりました。お伺いする老人施設は多くの催し物やよいケアがたくさんありますから、けっしてそれまでどなたともお会いされていない方でもありませんし、寂しいわけでもなくていらっしゃったでしょうに、『フェイス・トゥー・フェイス』のアロマハンドトリートメントの意義をお受け取りいただけたと思うと、本当にありがたい出来事だと痛感しています。
年齢や性別、心身の状況に関わりなく行えるアロマハンドトリートメントは、お互いに気が付かなかったお互いの心の状態を感じることができるとても素敵なケアです。
アロマハンドトリートメントを学んでくださっているBさんは幼稚園に通う4歳の男の子のお母さんです。彼女は育児や家事、パートの合間に学んでいてくださるのでご自宅で復習したり、学ぶ時間が限られています。そこで、4歳の男の子の小さな手を借りて、施術の練習をしていました。すると男の子は、お母さんが行う施術をすぐに覚えてしまい、「ママやって~。」とオイルのボトルをもってきて、Bさんに手をだしてお願いしてくれたり、なんどか行ううちに、Bさん以上に、施術の順番を覚えてしまい、「次はこれだよ」と教えてくれるようになりました。そのうち、小さな手でBさんに施術をしてくれるようになったそうです。Bさんはきっと本当にうれしかったと思います。お子さんと行う『コミュニケーションヒーリング』まさにそのものだったようです。

Aさんのようなお年上の方も、Bさんのお子さんのような幼稚園に通う小さな子供も、いつもケアにつかれている介護スタッフの方も、パソコンとにらめっこすることの多い方も、みな笑顔になり、15分で仲良くなれるケアは、すばらしいと実感しています。

コミュニケーションのかたちが変化する現代社会の中で、手と手が触れ合うことによってできるコミュニケーションは、『コミュニケーションヒーリング』として『アロマハンドトリートメント』の『フェイス・トゥー・フェイス』の中にいつも存在しています。ちいさな心の動きが感じられるアロマハンドトリートメントの大切な5つの要素を、紹介いたしました。

環境省認可法人(社)日本アロマ環境協会インストラクター
初穂香房主宰
Lavozouアロマテラピー講師
栄中日文化センター講師
1995年よりアロマテラピー講師として活動
ホームページアドレス  http://www.lavozou.com/index.html


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