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自然体験 | 組合員レポート

山村たいけんin東白川 「ミニ門松と花餅作り」

平成22年12月4日(土)晴れ
参加者 26組59名

  • 案内人/ 川尻秀樹さん
    技術士(林業部門)、樹木医、森林インストラクター、
    きのこアドバイザー。
    現在、NPO法人ツリークライミングジャパン副理事長、
    NPO法人メタセコイアの森の仲間たち顧問、
    森林たくみ塾顧問など、多方面で活躍中。
  • ※ このページにある写真をクリックすると拡大写真を見ることができます。

例年に比べ、驚くほど暖かい師走。東白川村はこの夏の猛暑で実のなるものが全体に不作。そんな中、門松や花餅作りに使う南天(なんてん)を地元スタッフが懸命に集めてくださり、温かいもてなしの心に包まれながら喜びあふれる体験となった。

9:45~

開会式

 丸太小屋にて開会式。一日のスケジュールに続き案内人の川尻秀樹さんが紹介された。「今日は最初に門松を作りますが、皆さんは門松にはどんな意味が込められているかご存知ですか?まず、門松に使う竹は成長が早く中空なのにしなやかで強いため古来よりその生命力の強さが神聖視されてきました。また松は神を待つと言われ、門松は新年を迎えるにあたって、その年の歳神様を迎えるための依り代(神様が現れる時に宿るもの)となります。歳神様が降りてくる際の目印なんです」と植物に詳しい川尻さんならではの雑学に参加者は最初からぐいっと引き込まれる。門松に立てる竹の断面は、斜めに切ってあるものが一般的だが、地方によっては神がお尻を突くと言って断面を斜めに切らない門松もあるとか。高級料亭などでは斜めに切っていない門松が多いそうだ。

雑学王の川尻さん
10:20~

ミニ門松作り

 丸太小屋から外へ出て、早速竹を切るところからミニ門松作りがスタート!
 材料になるのは、ミニ門松のベースになる太い竹の器とその周りに巻きつけるいぐさ、器の中に入れるオアシスとそこに立てる細い竹・松・梅・キビの穂。いぐさは畳の切れ端で、本来なら燃やしてしまうものを畳屋さんからもらってきたもの。
 まずはベースになる太い竹の器をその周りに巻きつけるいぐさの長さに合わせて切る。続いて器の中に立てる細い竹を器の深さに合わせて切る。細い竹は川尻さんのお話にあったように片側を斜めに切ってもよし、斜めに切らない竹を立てるのもよし。
 竹を切るのは、竹の断面がささくれない塩ビ管用ののこぎり。細い竹はガムテープを巻いてから切ること、断面の角度が合うように竹を3本並べて切ることなど、ちょっとした知恵と工夫が美しく仕上げるコツであることも学ぶ。
 またオアシスに細い竹を立てる時3本の竹を麻紐で束ねてから立てるのだが、普通の結びではなかなかうまくいかない。そこで役立つのが巻結び(クローブヒッチ)。「薪を何十本も束ねるときに使う結び方です。簡単でしっかり結べて、ほどくのも簡単。覚えておくと新聞を束ねるときなどにも使えて便利ですよ」と川尻さん。いぐさを竹の器に巻いてあわじ結びの水引きで留め、松や梅の枝をオアシスに飾って完成!

うまく切るぞ~
11:20~

笹を採りに行く

 門松にもう一工夫したい人は、川尻さんと一緒に門松に飾る植物を採りに行くことに。節が団子のようにぷっくり膨らんでいるのが特徴のミヤコザサ、神棚に飾る正木(ショウキ)とも呼ばれるソヨゴやサカキ(榊)ともよばれるクロソヨゴ、裏鬼門に植えるナンテンなど神聖ないわれのある植物を教えてもらいながら採った。
 「普段、大工仕事なんてやらないので難しかったが、慣れると楽しかった(30代男性)」「竹を切るところから始まったのが良かった。上等なできばえで大満足です(40代女性)」「今度は材料を全部自分で集めて自宅でも作ってみたいです(40代男性)」

材料を自分で採るのがまた楽しい
12:05

山の幸バイキング

 手作りの世界をたっぷり堪能した後は、薪ストーブがうれしい隣のレストラン味彩で山の幸バイキングの昼食。地元の手作りこんにゃくや豆腐、ジュースといった特産品も盛り込まれた12種類のメニューや4種類のカレー、特産のトマトなどを使ったオリジナルスイーツが3種類と、地元食材満載の東白川村限定手作りの味は参加者に大好評!

13:30~

花餅作り

 午後は囲炉裏のあるこもれびの館母屋にて正月飾りの2つ目、花餅作りに挑戦。「生花が少なくなる冬場に、餅を花に見立てて華やぎを演出したのが花餅の始まり。 岐阜県の風物詩でもあり、昔は枝の赤と餅の白で紅白を表現したんです」と川尻さん。
 早速、赤いネジキ(カツウルシ)の枝にビーツ(赤ダイコン)のおろし汁で着色した赤ののし餅と、白ののし餅を包丁で小さく切って枝に巻きつけていく。餅の花が咲くたびに参加者の笑顔の花も咲いて、部屋全体が幸せの気に包まれた。今はいつでもなんでも手に入る時代ではあるが、手で作るものがもたらす喜びは不変だ。

本物の花とは一味違う趣きが
14:00~

餅つき体験&白川茶で一服

 最後の体験は、テラスで石臼と杵を使った餅つき。白餅と手摘みのヨモギを入れたヨモギ餅の2種類をついた。「つきたい人~」との言葉に子どもたちが我先にと手を挙げ、自分の背と同じぐらいの長さの杵を持って奮闘すると、その姿に刺激されて次々と参戦するかつてのお坊ちゃんたち。そこへかつてのお嬢ちゃんも加わって大盛況!
 つきたての餅は、きなこと醤油でいただき、おいしい白川茶で締めくくり。

大人も子どもも大奮闘!
14:45~

閉会式&記念撮影

 「手で作る体験は知恵や工夫の宝庫です。不便な生活が知恵や生きる力をつけていきます。そして最後に餅つきで締めた。これは歳神様に捧げる捧げものとして古くから日本人が作ってきた風習です。良い神が降りてきて、皆さんにご多幸が訪れることをお祈り申し上げます」川尻さんの言葉で閉会。伝承文化の奥深さに触れながら、喜び多い体験となった。
 「初めてのことばかりで楽しかった。長生きするといいことばかりです(70代男性)」「手作りづくしでとても気持ちが温かくなりました(60代女性)」

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