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自然体験 | 組合員レポート

山村たいけんin東白川 「初夏の里山散策と本場白川茶・お茶摘み体験」

平成21年6月6日(土)晴れ
参加者 26組61名

  • 案内人/ 川尻秀樹さん
    技術士(林業部門)、樹木医、森林インストラクター、きのこアドバイザー。現在、NPO法人ツリークライミングジャパン副理事長、NPO法人メタセコイアの森の仲間たち顧問など、多方面で活躍中。
  • 自然案内人/東白川村の方々
  • ※このページにある写真をクリックすると拡大写真を見ることができます。

初夏の訪れを感じる蒸し暑い一日、森林や植物に詳しい川尻秀樹さんを案内人に迎えて、東白川村の特産白川茶の茶摘みをはじめ、山の恵みを五感すべてで堪能する毎年恒例のイベントが行われた。

10:00~

開会式

 本日の案内人川尻さんが「4月28日、東白川村では気温がマイナス5度になってお茶の新芽がだめになりました。そのあとも1回霜でだめになり、今年はお茶の収穫量が全体的に少ないんです。今日茶摘みをするお茶は、そんな貴重なお茶です」とあいさつ。
 続いて山で気をつけたいヌルデ、ヤマハゼ、ヤマウルシの3種類の木が紹介され「茎が赤い木は避ける」ことを教わる。

10:20~

里山散策

 「今日はいろんな木の話をしたいと思います」と川尻さん。早速傍らに生えている木を指差して「これ、何の木かわかりますか?みなさんのよく知っている木ですよ。この木は葉っぱに金の成分を吸い上げ、その葉を分析して金の埋蔵量を推測できるので、昔は金鉱脈を探す人たちの目印になったといわれています。答えはムラサキシキブです」。豊富な知識と身近な雑学が次々と飛び出す川尻さんの語り口は参加者の心を一瞬にしてとらえる。ほかにもシキミは「悪しき実」に由来し、葉っぱに含まれるシキミオールという成分をイヌ科動物が嫌うということを経験から知っていた先人が、土葬の後イヌなどが掘り起こさないように墓のまわりに置いたことから、葬式やお墓にお供えするようになったという解説では「へえ~~~」と参加者の心をわしづかみに。

川尻さんの木の話は、暮らしの中に生かせる雑学が満載

 こもれびの里遊歩道を散策しながら川尻さんの解説が続く。ホオノキの葉は餅を包んだりするが、形も大きさもよく似ているトチの葉は餅がくっついてしまうので適さないこと、イイギリは別名ナンテンギリと呼ばれ、南天箸として売られている箸の99.9%の原料であること、コウヤマキは岐阜県の木で、やわらかくて節の部分もカンナにひっかからず水漏れがないので風呂材としてはヒノキよりも高価。長良川や犬山の鵜飼の船もコウヤマキを使っている......覚えたらすぐ誰かに話したくなるような解説がてんこ盛りの里山散策は、参加者から「もっと聞きたい」と大好評だった。

朴葉もお土産に
11:00~

小梅採りとワラビ採り

 続いて遊歩道を抜けて梅畑へ。梅畑の持ち主の藤井さんのご好意で「小梅の実を採っていってください」と予定外のうれしいお土産ができ、嬉々として小梅採りを楽しんだ。向かい側には茶畑の斜面一帯にワラビが群生しており「ワラビ採りも始めましょう!ワラビの長さコンテストも行いますので、葉っぱの開いた長いワラビも探してみてください!」の掛け声で、いっせいにワラビ採りもスタートした。「ワラビの茎から出るタンニンが梅の実につくと、梅の質を落とすので必ず別の袋へ入れてくださいね」と川尻さんからのアドバイスも。

小梅のお土産もできてうれしいわ~

 小梅も採りたい、ワラビも採りたい。気温の上昇とともに、参加者の気持ちもヒートアップし、汗が額を流れ落ちる。滑り落ちそうになりながら必死で登った土手の上で、たくさんのワラビを見つけ「滑ったかいがあった~」と喜ぶ人。ひざをついて低い目線で探すとたくさん見つけられることに気づいた人。ワラビの長さコンテストに向けてただひたすら長いワラビをめがけて奔走する人。思い思いにワラビ採りのひとときを楽しんだ。採ったワラビはワラ灰と一緒にお土産に。
 「普段はなかなか怖くて山に入れないので、今回はすごくいい機会。見るもの触るもの、何もかもが新鮮です!(40代男性)」

長~いワラビ、見つけたよ!
12:00~

昼食

 「レストラン味彩」にて、おまちかねの山の幸バイキングの昼食をいただく。柿の葉や茶葉の天ぷら、朴葉ずしをはじめ12種類の地元食材を使った料理と4種類のカレー、地元特産のトマトやお茶を使った3種類のデザートなど、ほかでは味わえないオリジナル料理がずらり。
 いただきますの前に、ワラビの長さコンテストの結果発表と表彰式も行われ、1位は昨年と同様の231cm!2位と3位は208cm。栄誉を称え、記念品が手渡されて拍手!

13:15~

茶摘み体験

 籠を腰につけたら、林を抜けて茶畑へ移動。やぶきたを35年間完全無農薬で栽培している藤井さんの茶畑は、土もふかふかで、いろんな虫や植物が共生する心地よい場所だ。川尻さんから手摘みの方法、東白川村の方々からお茶の豆知識を聞きながら、和気あいあいと手摘みの茶摘みを楽しんだ。はさみ刈りや機械刈りの実演と体験もあり手摘みとの違いを実感。摘んだ茶葉はお土産に。天ぷらにしても、手もみでお茶にしてもおいしい。「すべてが初めての体験ばかりでワクワクしっぱなしでした(60代女性)」

やわらかくておいしそうな新芽!
14:30~

新茶とワラビ餅で一服

 白川茶の新茶と、ワラビ粉を使ったモチモチのワラビ餅をいただく。暑いときこそ、熱いお茶をいただくと、すーっと汗がひいていくから不思議だ。熱湯を湯飲みに注いで1分ほど湯冷ましした80度くらいのお湯を、茶葉の入った急須に注ぎ1分蒸らすのがおいしいお茶の煎れ方なのだそうだ。

14:55~

閉会式

 「何かを収穫するという体験はとても楽しいものです。そんな楽しい体験を通じて、田舎の暮らしや山村の魅力を再発見してください」と川尻さんがあいさつ。五感を使って自然の中に身をおく体験で、心の収穫もいっぱいの一日となった。
 「いたれりつくせりで、盛りだくさんの楽しい体験でした(30代女性)」「すごく感動しました。帰ったらすぐお礼の手紙を書きたいと思います(60代女性)」

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