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自然体験

自然体験 | 組合員レポート

山村たいけんin東白川
クリスマスクラフト体験と花餅作り(名古屋地区)

平成25年11月30日(土)晴れ
参加者 24組60名

  • 案内人/川尻秀樹さん
    技術士(林業部門)、樹木医、森林インストラクター、きのこアドバイザー。
    現在、NPO法人ツリークライミングジャパン副理事長、NPO法人メタセコイアの森の仲間たち顧問など、多方面で活躍中。
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旧暦では小雪だが今年はまだ暖かく、今季最後の紅葉を車窓に眺めながら東白川村へ。豊かな自然の恵みに感謝しながら、まもなくやってくるクリスマスとお正月の準備を楽しんだ。

10:40~

開会式&木のお話

 「こもれびの館 母屋」にて開会式。本日の司会進行は、東白川村こもれびの里スタッフの村雲和裕さん。初めに案内人の川尻秀樹さんが紹介された。「東白川村は全国でも珍しい寺のない村です。明治時代に政府の出した神仏分離令を受けた苗木藩によって、仏教に関するすべてのものが取り払われ、今も神社しかありません。村では結婚式もお葬式もすべて神道で行われます。今日はこの土地にちなんで、昔から神道で神聖とされてきたヒノキやスギを使ってクラフトを作りましょう」とあいさつ。
ヨーロッパでリースに使われるのはホーリー(セイヨウヒイラギ)やヤドリギで、これは常緑樹が永遠の生命の象徴であり、日本でもサカキやソヨゴといった常緑樹は邪気を祓って願い事を叶えると信じられている。ヒノキは重要な建築材とされ、スギはまっすぐ育つので神が降りてきやすいと信じられてきた。そのため神社のご神木になったり、杉玉(新酒を仕込んだ時に店の軒先に飾る酒林)を作ったり、酒を仕込むのも杉の樽だ。ヨーロッパなどでヤドリギが育つ常緑樹のオークにウイスキーを仕込むのも代々繁栄を願ってのこと。人種が違っても、昔から特定の樹木が神聖視されてきたことなどを、川尻さんのわかりやすい解説から学んだ。

川尻さんに教えてもらいながら
11:00~

クリスマスリース作り

 「こもれびの館 丸太小屋」へ移動し、クリスマスリース作りの体験。こもれびの里スタッフの安江伸江さんより作り方のポイントを教えてもらい、さっそく挑戦。使うのは先ほどの話に登場した常緑樹のヒノキ。ワイヤーを芯にして、ヒノキの枝をくくりつけていく。時折実のついた枝もあり「ヒノキの実を初めて見た!」という参加者も多かった。真っ赤なリボンを全体に巻いて、マツボックリやドライフラワーをホットボンドでくっつけたら完成!壁にかけると「かっこいい!」「うまくできたわー」とあちこちで喜びの笑顔が広がった。
「リースの意味を聞いてからの手作り体験だったので興味や関心が持てた(60代男性)」

ありそうでないヒノキのリース!
11:55~

スギのオブジェ作り

 続いてもう一つクリスマスの飾りに挑戦。麦わら帽子のような形をした金網にスギの枝を差し込んでツリーのようなオブジェを作る。ボール形の金網に杉の枝を差し込んで作る杉玉の手法を使っている。川尻さんから雄花と雌花の見分け方を学び、花粉症の人は花粉の飛びそうな雄花に注意!とレクチャーを受け制作へ。見本はあるものの、基本的にオリジナリティ豊かに作っている参加者多数。自然の素材を触っていると感性が目覚めて本来の自分があらわれてくるようだ。完成した頃、東白川村の安江眞一村長が歓迎のあいさつに!うれしいサプライズに参加者も感激。
 「いい意味で想定外の連続。すごく楽しめた(60代男性)」「イベントの時期がタイムリー(60代女性)」

スギのオブジェは斬新!
13:00~

山の幸バイキング

 薪ストーブのある「レストラン味彩」で山の幸バイキングの昼食。栗おこわや猪汁・鶏ちゃんなど東白川の郷土料理や、地元の手作りこんにゃく・豆腐など特産品も盛り込まれた12種類のメニューのほか4種類のカレー、特産のクリやバターナッツ(カボチャ)・リンゴジュースなどを使ったオリジナルスイーツが3種類。心がこもった地産地消の手作り料理に参加者は大満足!

14:00~

花餅作り

 午後は囲炉裏のある「こもれびの館 母屋」にて正月飾りの花餅作りに挑戦。
まずは川尻さんから花餅の風習や材料について学ぶ。花餅の始まりは諸説あり、生花が少なくなる冬場に餅を花に見立てて華やぎを演出したとか、お金を稼ぐ象徴として繭に見立てて蚕の豊作を願ったなどといわれているそう。「今日の花餅作りに使うのは、ネジキ(カツウルシ)の枝。今年伸びた枝だけが赤く、花餅が映えるため好んで使われます。台座にはコナラやクリやサクラ、台座の飾り用にはナンテンの実、ヒカゲノカズラ、マツボックリを準備しました。ナンテンは難を転ずる、マツは神様を待つという意味があります」。さまざまな願いが込められ伝承されてきた文化に感慨深く聞き入った。
早速、ビーツ(赤ダイコン)のおろし汁で着色した赤ののし餅と、白ののし餅を包丁で小さく切って枝に巻きつけていく。子どもからお年寄りまで誰でも簡単にでき、そのうえ味わい深い。「クリスマス、お正月が楽しみになった(50代女性)」

色のバランスを考えながら
14:50~

餅つき体験&白川茶で一服

 最後に、こもれびの館の土間で、石臼と杵を使った昔ながらの餅つき体験。「昔、実家でずっとやっていました」「初めてのことには何にでも挑戦する!」という意欲に満ちた女性たちが続々登場。そんな大人の姿を見て刺激された子どもたちも次々と挑戦!

つきたてのお餅はのびる~
15:30~

閉会式&記念撮影

 「こうしてご縁ができたことをきっかけに第二のふるさととして、またぜひ訪れてください」という川尻さんの言葉で閉会。家に帰ってからもリースを飾って笑顔の輪が広がり、花餅作りの思い出話に花を咲かせてもらえますように。
「ただ作るだけのイベントではなく、その背景にある歴史や伝統文化などの話がきちんと聞けて、子どもたちにとってもいい学びの場になったと思う。この体験をきっかけに地理や歴史などにも興味を持ってくれたら(30代男性)」

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