愛知県共済

“ゆるい地方移住”急増中!
【憧れの田舎暮らし】でお金事情はこんなに変わる

リモートワークの普及や価値観の変化を背景に、地方移住に関心が高まっています。近年は30代~40代の若い世代での移住が増加傾向に。今回は、お試し感覚でできる「ゆるい移住」や、移住によるお金や教育事情の変化について知っておきたいことを解説します。

移住と仕事

移住する場合、考えなければいけないのが仕事をどうするかです。 地方は都会に比べて仕事の絶対数が少ないため、基本的には転職先を決めてから移住した方が確実です。
しかし、テレワークの普及により出社不要な完全テレワークの会社や、月に1~2日程度出社すれば良い会社も一部ですが増えてきました。
この場合、移住先のインターネット環境が整っていて勤務先の許可が下りれば仕事を変えずに移住が可能になります。
もし移住に合わせて転職や起業をする場合は、賃金水準が都会に比べ低くなることが一般的です。
その場合はライフプランを考えて、減った収入に見合った暮らしに合わせる、他の家族も就労して世帯の収入を増やすなど、必要に応じて対策した方が良いですね。

家族で移住する場合の「お金と教育」

家族で地方へ移住する場合、お金と子どもの教育環境について下調べをしておくことが必須になります。
お金と教育、それぞれ移住で変化するポイントについて確認しましょう。

移住とお金事情の変化

移住に伴い転職や起業をした場合、都会で働くことに比べ収入は減ることが一般的です。
支出は、食費や住居費が低くなる傾向にありますが、極端に割安になる費用ばかりではありません。公共交通機関が発達していない地域だと車移動が必須になり、車関係の保有コストが上がります。そして気候が寒い地域だと冬場の燃料費もかさみます。
また、移住には引越し代や住居関連費用、家具・家電の購入費などもかかります。地方に移住したからといって金銭的にゆとりある生活には必ずしもならないことは認識しておいた方が良さそうです。
参考に、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局が作成した「平成29年2月17日 地方における生活について~各県が作成している移住PRパンフレット等より~(平成29年2月17日)」の、夫婦と子ども2人の家族が福井県と東京都で暮らした場合の世帯収支の差の比較を見てみると、世帯主の年齢が23歳~60歳までのトータルで、福井県の方がなんと約3,000万円も多く手元に残るのだそうです!
色々な条件の差や地方のアピールも兼ねているので、一概にそこまで収支の差があるとは考えにくいですが、世帯主の年齢が若いうちに移住してうまく生活すると、金銭的にもゆとりある生活が送れる可能性が高くなります。
移住者の誘致をしている自治体では、移住者への支援制度や教育費の助成制度などを用意していますので有効活用したいですね。

移住と教育事情の変化

子どもがいる家庭にとっては、教育事情も大事な要素です。子どもには自然豊かな環境でのびのびと育ってほしいと願う親は多いですが、成長するにつれて学習塾や進学先の数も気になるところです。

都会では私立の学校も地方に比べて数が多く、中学から私立へ行く子も少なくありません。しかし、地方ではそもそも私立の学校数が少ないため、都会に比べ高校までの教育費は少なくなります。
しかし、大学等への進学にあたっては自宅から通える学校数が限られることから自宅外通学になる確率が高く、費用がかさむ場合がでてきますので、その点は注意が必要です。
地方だからといって一概に教育の質が下がるわけではなく、公立学校でも優秀な教育が受けられる地域があったり、自然教育や国際教育に力を入れている学校もあったりします。
そのため、子育てや教育で重視したい項目に適した移住先を選ぶことが大事ですね。
移住は実際に行動に移してみないと分かりません。迷うことも多いかと思いますが、現地に一定期間滞在したり「ゆるい移住」をしたりして、まずは体感してみるのが一番ではないでしょうか。

【執筆者プロフィール】田端 沙織
キッズ・マネー・ステーション認定講師/ファイナンシャル・プランナー

証券・運用会社で10年以上の勤務経験を活かし、FPサテライト(株)所属ファイナンシャルプランナー 兼 金融教育講師として、「正しく・楽しく・分かりやすく」お金のことや資産運用について伝える活動をしています。得意分野は資産運用。2男1女を絶賛子育て中。

記事提供:ウレぴあ総研