愛知県共済

【我が家がやっている!お金のこと】
子育て世代「教育費と老後資金」の準備術

子育て中のママは、家事や育児、働いていれば仕事もあって毎日が忙しいですよね。教育費や老後資金を準備しなければ……と頭の片隅に問題意識としてあっても、どう取り組めばいいのか考えるのは難しいと思います。今回は7歳・5歳・1歳の3児を子育て中で、ファイナンシャルプランナーでもある筆者の教育費・老後資金の準備術を参考にお伝えします。

3.老後資金の必要額を算出

人生100年時代と言われるように、子どもが巣立った後の人生はまだまだ続きます。
教育費に精一杯で、老後資金が準備できない状況は避けたいですね。
金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書による老後資金2,000万円不足問題が騒がれましたが、人によって老後資金の必要額は異なります。
自分がいくら老後資金として準備すればよいか算出してみましょう。
まず入ってくるお金の代表である年金の確認ですが、50歳以上と以下の人で確認方法が異なります。
50歳以上:年金定期便に記載されている「今の給与水準で60歳まで働き続けたと仮定した給付額」を確認。
50歳以下:年金定期便には今後の給付額の見込みが反映されていないので、日本年金機構が運営している「ねんきんネット」を利用すると将来の年金見込額の試算できるので確認。
自分がいくら年金として受け取れそうか、確認しましょう。
次に、退職金です。
退職金がある人は、想定退職金額がいくらか確認しましょう。退職金のない人は、別で準備をする必要があります。
次に、老後の支出はどのくらいなのでしょうか。
生命保険文化センター「令和元年度 生活保障に関する調査」によると、老後の最低日常生活費は夫婦2人で平均月額「22.1万円」となっています。
経済的にゆとりのある老後生活を送りたい場合は、それに上乗せで平均月額「14万円」となります。
老後がいつまで続くのか誰にも分かりませんが、厚生労働省の「平成30年簡易生命表」によれば男性の平均寿命は81.25年、女性の平均寿命は87.32年です。
60歳で退職して夫婦で85歳まで生きたと仮定した場合、老後の想定支出は以下のように計算できます。
・老後の最低日常生活費のケース:日常生活費22.1万円×12ヶ月×25年=6,630万円
・老後のゆとりある日常生活費のケース:日常生活費36.1万円×12ヶ月×25年=1億830万円
そして老後の想定収入と想定支出を基に、必要額を以下の計算式にあてはめ計算してみます。
必要老後資金=想定年金収入+退職金-想定支出
ここで出てくる必要老後資金を、自助努力として準備していきます。

4.老後資金の貯め方・運用の仕方

老後資金の必要額が分かったら、それが達成できるように貯め方や運用の仕方を考えてみてください。
貯め方としては、我が家の場合は夫婦2人で確定拠出年金を活用しています。
確定拠出年金とは確定拠出年金法を根拠とする私的年金で、主に退職金や老後資金向けの制度になり、税制上のメリットもあります。
基本的には、毎月定額を積立して預金や保険・投資信託などから運用する商品を選んで運用します。運用結果により、将来もらえる金額が変わります。資金は原則60歳を過ぎてから受け取ることが可能です。
そのため、老後資金としては最適ですが、60歳を前に退職してもお金は60歳にならないと受け取れませんので注意が必要です。
筆者の配偶者は会社員で、企業型の確定拠出年金に加入しています。
個人型確定拠出年金(iDeCo)が併用できないため、マッチング拠出といって会社が毎月掛金を出している分に自分の給与から上乗せで掛金を出して退職金代わりとして運用をしています。
筆者は個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入しており、毎月一定額を積み立てて運用をしています。
夫婦お互いに確定拠出年金の節税メリットを活かしながら、別途一般NISAと債券を利用して老後資金を準備しています。
もう1つ、夫婦で話し合っている老後資金対策としては「できるだけ長く楽しく働けるように、スキルの向上と健康に気を遣う」です。
60歳以上も健康でスキルがあれば、長く働き続ける事が可能になります。その分収入も継続して入ります。
子育て世代は、教育資金と老後資金の2つを合わせて準備していかなければなりません。
それぞれの課題に対し、我が家の対処例を挙げさせてもらいましたが、基本は児童手当や月々の収入から現金貯蓄をしたうえでNISAや企業型・個人型確定拠出年金などを利用した資産運用で教育費と老後資金を増やしています。
貯金だけではなく、時間を味方につけて長期の積立投資をすることにより、複利効果を活かしつつリスクを低減させながら運用をしています。
自分や家庭としてどれだけリスクが取れて、どのくらいの利回りで運用できそうか、また運用期間をどの程度とれるのかを考えて、勉強しながら投資していけるといいですね。
教育費は必要になる時期がある程度決まっていますし、働きつづけることにも限界があります。課題を先送りせずに、時間を味方につけて早めに仕組み作りをして将来に備えましょう!

田端 沙織(たばた さおり)
キッズ・マネー・ステーション認定講師/ファイナンシャルプランナー
2男1女を育児中のワーキングマザー。証券・運用会社で10年以上の勤務経験を活かし、FPサテライト(株)所属ファイナンシャルプランナー兼金融教育講師として、「正しく・楽しく・分かりやすく」お金のことを伝える活動をしています。

記事提供:ウレぴあ総研