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自然体験

自然体験 | 組合員レポート

山村たいけんin東白川
Xmasスワッグづくり体験と花餅作り体験(岡崎発)

令和1年12月7日(土)くもり
参加者 20組45名

  • 案内人/川尻秀樹さん
    技術士(林業部門)、樹木医、森林インストラクター、きのこアドバイザー。
    現在、NPO法人ツリークライミングジャパン副理事長など、多方面で活躍中。
  • ※ このページにある写真をクリックすると拡大写真を見ることができます。

先週は初雪も降り、いよいよ冬本番を迎えた東白川村へ。都会の喧騒を離れ澄み切った空気の中で、伝承文化を学び年末年始の飾り作りを楽しんだ。

10:30~

開会式

 バスで東白川村こもれびの里へ到着。囲炉裏と薪ストーブのある「こもれびの館母屋」にて温かい白川茶をいただく。同村の村雲和裕さんの司会により開会式がスタート。まずは本日のスペシャルゲスト東白川村の今井俊郎村長が紹介され、歓迎のあいさつを頂戴する。「岐阜県には白川郷で有名な白川村とここ東白川村の二つしか村がありません。山に囲まれており、災害が少ないところです。東濃ヒノキの産地で、今回東京オリンピックの選手村にも使われました。家を建てる時に柱をすべてプレゼントするフォレスタイルというプロジェクトも好評です。白川茶発祥の地、明治時代の廃仏毀釈以来今も寺のない神道の村としても知られています。『日本で最も美しい村』連合に加盟している美しい村です。これから冬を迎える東白川村にまたぜひ立ち寄ってください」。続いて本日のスケジュールが紹介されると、充実した内容に参加者から歓声が上がる。

10:40~

川尻さんのお話

案内人川尻さんのお話は知識の宝庫

 早速、本日の案内人川尻秀樹さんが東白川村やクリスマス、木にまつわる雑学などをレクチャーされた。「白川茶の名は長野の高遠から石工さんが出稼ぎに来て、おいしいからとお茶を持ち帰った際どこのお茶かと尋ねられ、近くに白川が流れていたので白川茶と呼んだことに由来するといわれています。寺のない神道の村なのでお亡くなりになると皆、神様になるといわれます。しめ縄はお伊勢さんと同じで1年間飾ります。ちなみにしめ縄は、神様ごとには左綯い(ひだりない)、ワラジなどの日用品は右綯い(みぎない)です。今日はそんな神の地のヒノキを使ってクリスマススワッグを作ります。
 今日つくるスワッグというのはドイツ語で壁飾りのこと。海外ではリースと共になじみのある伝統的なクリスマスの飾りです。ドイツではモミの木ではなくトウヒがツリーに使われます。常緑樹は一年中枯れない事から永遠の生命の象徴であり魔よけです。日本ではサカキも常緑樹で神様の木。燃やすとパチパチと音が鳴って邪気を払うといわれます。シキミも常緑樹で、実はハッカクとそっくり。かつて土葬だった時にイヌ科動物を避けるためにお墓に植えました。クリスマスリースには、森の精が宿るといわれる常緑樹のヤドリギと西洋ヒイラギが使われます。その実がそれぞれ男女の生理の象徴で生命の誕生を意味します」。川尻さんの、知れば知るほど奥深い伝承文化に関するレクチャー。参加者全員興味深く聞き入った。
「この土地ならではの話をたくさんしてくれたのが心に残った(60代女性)」

11:20~

Xmasスワッグづくり

 丸太小屋へ移動し早速スワッグづくり。ヒノキの葉を大中小と重ね、三つを麻ひもで束ねてベースをつくり、イイギリやピラカンサスの赤い実、トウガラシ、ドライフラワー、リボンをバランスよくレイアウトしていく。「飾りをユズなどに付け変えれば正月飾りにも使えます」と川尻さん。

ヒノキの葉っぱ、いい香りだね

「インスピレーションでつくって一番に完成!4年前に参加してホットボンドを覚えて以来ゴルフの時にマツボックリなど拾ってきて家でもつくるようになった(50代男性)」

素敵なスワッグ完成!
12:20~

山の幸バイキング

 薪ストーブのあるレストランにて「山の幸バイキング」の昼食。味ごはん、きのこ汁などの郷土料理や、里芋の揚げ出し、そうめんカボチャの酢の物など10種類のオリジナル料理をはじめ、トマトジュースやリンゴジュースなどの特産品のほか、4種類の自家製カレー、地元の野菜を使ったサラダバー、3種類の地産地消スイーツも大好評!
「丁寧に手づくりしていることが伝わってくる料理ばかりで感激(70代女性)」

13:35~

花餅作り

 昼食後は、レストランの隣のパン工房で花餅作り。はじめに川尻さんから花餅の材料や風習について学ぶ。「今日、花餅作りに使うのは、ネジキ(カツウルシ)の枝でツツジ科の木。今年伸びた枝だけが赤く、白い餅をつけて紅白になるのでお正月飾りとして喜ばれ、市販の花餅の中では最高級です。昔は、餅を蚕になぞらえてもいました。飾り終わったら、炒ってアラレにしたり揚げ餅にしたり。台座に飾るのは難を転じるナンテンと神様を待つマツボックリ、ヒカゲノカズラ。ナンテンの葉がよく赤飯にのっているのは縁起の意味だけでなく、熱を加えるとナンジニンという成分が出て防腐効果があるからなんです」。
 枝が整ったらビーツ(赤ダイコン)のおろし汁で着色した赤ののし餅と、白ののし餅を包丁で小さく切って枝に巻きつけていくと、華やかな花餅が完成。
「夫婦で普段しない助け合って共同作業とか(笑)を会話しながらできてよかった(70代女性)」

仕上がると満足感いっぱい
14:40~

餅つき&白川茶で一服

 本日最後の体験は、こもれびの館の土間で石臼と杵を使った昔ながらの餅つき。村雲さん、川尻さんを中心に参加者も一緒になって。手返しはこもれびの里スタッフがこなれた手つきで。春に手摘みして冷凍保存しておいたというヨモギを使ったヨモギ餅もついた。風味も最高!きなこやしょうゆをかけて、温かい白川茶と共に。
「機械でつくお餅とは味が全く違う。臼でついたお餅はおいしい!(70代男性)」

参加者も一緒に二臼の餅をついた
15:25~

閉会式

 「朝霧夕霧がかかる白川茶はおいしい。村は皆さんが来て下さることで潤います。スワッグと花餅を飾って福を迎えていただき、またぜひこの村を応援で訪れてください」と川尻さんがあいさつ。世代を超えて交流しながら、手づくりや伝承文化の大切さを学んだ一日となった。
「村中で歓待してくれて、皆さん人柄も良くて食事も地元のもので。おもてなしの心がうれしかった(50代女性)」

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