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山村たいけんin東白川 「クリスマスリースと花餅作り」

平成23年12月3日(土)雨
参加者 25組59名

  • 案内人/川尻秀樹さん
    技術士(林業部門)、樹木医、森林インストラクター、
    きのこアドバイザー。
    現在、NPO法人ツリークライミングジャパン副理事長、
    NPO法人メタセコイアの森の仲間たち顧問、
    森林たくみ塾顧問など、多方面で活躍中。
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暖冬とはいえ小雪がちらついている......と思いきや、雪のように見えたのはシキザクラ。ここ東白川村の風物詩の一つだ。今年もまた師走気分の盛り上がる恒例の手作りイベントが、こもれびの里で行われた。

9:50~

開会式

 こもれびの里、丸太小屋にて開会式。初めに案内人の川尻秀樹さんが紹介された。「クリスマスといえばキリスト教ですが、皆さん生まれいずる時はお宮参りや七五三、死する時は仏教でお葬式をあげる。日本は多神教の国と言われる所以ですが、ここ東白川村にはお寺が一つもなく生まれいずる時も死する時も神道なんです。今日はそんな東白川村の土地に育ったヒノキでリースを作りたいと思います」と川尻さんがあいさつ。続いて東白川村の村雲和裕さんより本日のスケジュールが案内された。

木の知識が豊富な川尻さん
10:00~

リース作り

 まずは川尻さんからリースのいわれを学ぶ。「海外ではリースといえばモミやトウヒにホーリー(セイヨウヒイラギ)やヤドリギを飾り付けますが、今日はヒノキにソヨゴの赤い実を飾る純日本風のリースです。英語で常緑樹のことをエバーグリーン(evergreen)と言い、こうした常緑樹を神に捧げるのは日本で神棚にサカキを飾ったり、神社にご神木のスギなどを祀ったりするのと同じ考え方です。また常緑樹の葉は魔除けと作物の豊作を意味し、トゲのあるヒイラギの葉はキリストの冠を象徴し受難を意味します。ほかにもリボンやベルは魔除け、松ぼっくりやリンゴ・麦の穂・ブドウの蔓は収穫の象徴とされます」

リボンの赤がヒノキの緑に映える

 続いて東白川村のスタッフよりリース作りの手ほどきを受け、さっそく作り始める。いわれを学んでから作るリースは、ひときわ味わい深い。今回は若い女性の参加者も多く「今日覚えて来年からは家でも作りたい。身近な常緑樹でも挑戦したい(10代女性)」「家に帰ったら子どもたちが拾ってきた木の実を飾りたい(30代女性)」と意欲的だった。

自分の作ったリースが世界一
11:30~

木の雑学を学ぶ

 リース作りが早めに終わり川尻さんお得意の木の雑学を聞く。松ぼっくりは乾湿に合わせてかさが開閉するので、部屋に置くと乾湿の目安になること、ヒノキは消臭効果や森林浴効果が高いのでヒノキのリースは部屋に飾るとうれしい効果が期待できること、燃やすとパチパチという音がする常緑樹は邪気を払うとされ、岐阜県の飯地地区ではソヨゴを燃やしてその火で節分の大豆を炒って邪気を払う等々。参加者は皆、雑学にくぎ付けで「今日はとても賢くなりました(60代男性)」とうれしそうだった。

12:00~

山の幸バイキング

 薪ストーブで温められた隣のレストラン味彩で山の幸バイキングの昼食。栗おこわや田舎汁など東白川の郷土料理や、地元の手作りこんにゃく・豆腐など特産品も盛り込まれた10種類のメニューのほか4種類のカレー、特産のトマト・ブルーベリーなどを使ったオリジナルスイーツが3種類。ほかでは味わえない地産地消のオリジナル料理に参加者は大満足!

13:00~

花餅作り

 午後は囲炉裏のあるこもれびの館母屋にて正月飾りの花餅作りに挑戦。その前に特別ゲスト東白川村の安江眞一村長に歓迎のあいさつをいただく。
 続いて川尻さんから花餅のいわれを学ぶ。花餅の始まりは定かではなく、養蚕農家が繭玉を木の枝につけて正月飾りにしたからとか、八百万の神・万物に鏡餅を供える代わりに作ったなど、諸説あるそう。一般的には、生花が少なくなる冬場に餅を花に見立てて華やぎを演出したといわれている。早速、赤いネジキ(カツウルシ)の枝にビーツ(赤ダイコン)のおろし汁で着色した赤ののし餅と、白ののし餅を包丁で小さく切って枝に巻きつけていく。「関西出身だから今日初めて見ました(30代女性)」という人や「小さい頃やったから手つきがいいでしょう?(70代男性)」という人もいて思い思いに楽しんだ。

紅白のバランスが難しい
14:20~

餅つき体験&白川茶で一服

 最後に、テラスで石臼と杵を使った餅つきで手作り体験の締めくくり。白餅とヨモギ餅の2種類をついた。大量のヨモギを入れる場面では大歓声!子どもたちは大人の「よいしょ、それ、すごい!」の掛け声がうれしくて何度も何度も並んでどんどん上達していく。こうしたうれしい体験の積み重ねこそが文化の伝承につながっていくのだろう。
 つきたてのお餅は、ふるさとの味、山の味そのもの!

餅つきは子どもたちに大人気
15:00~

閉会式&記念撮影

 「午前中はキリスト教でクリスマスを祝うリースを、午後は神道でお正月を祝う花餅を作りました。こうした手作りの体験、山村体験がこれからの時代は生きる力になっていきます。第二のふるさととしてまた訪れてください」。川尻さんの言葉で閉会。伝承文化の奥深さに触れながら、喜び多い体験となった。
 「ほかにない体験とおみやげまで。大満足です(40代女性)」
 「枝が曲がっていたり、細かったり、自然のものはなかなか思うようにいかない。でもそれがまた味わいがあって面白いとあらためて気づかされました(60代女性)」

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