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自然体験 | 組合員レポート

山村たいけんin東白川 「里山散策・茶摘みと山菜採り」

平成20年6月7日(土)晴れ
参加者 22組55名

  • 案内人/川尻秀樹さん
    技術士(林業部門)、樹木医、森林インストラクター、きのこアドバイザー。現在、NPO法人ツリークライミングジャパン副理事長、NPO法人メタセコイアの森の仲間たち顧問など、多方面で活躍中。
  • 自然案内人/藤井茂樹さん ほか東白川村の方々
  • ※このページにある写真をクリックすると拡大写真を見ることができます。

新緑が日に透けて美しいホオノキやトチノキの葉。白く変色したマタタビの葉。つややかなお茶の葉に、のびやかなワラビの葉――この時期ならではの緑の饗宴が繰り広げられる東白川村で、そんな豊かな自然を満喫するイベントが行われた。

10:00~

開会式

梅雨の合間の晴天に恵まれ、朝から気温がぐんぐん上昇。

本日の案内人川尻秀樹さんが「東白川村は寺が一つもない神道の村です」と解説すると、東白川村の住民でもある自然案内人藤井茂樹さんがそれを受けて「田んぼには田の神、山には山の神がいます。また、お供え物は神様にも天井裏のネズミにも同じようにお供えします」とあいさつ。

続いて今日の日程案内では、柿の葉採りと梅狩りが予定に追加され、参加者からは喜びの声が。

10:15~

里山散策

案内人の川尻さんを先頭に、こもれびの里遊歩道へ。遊歩道入り口で上を指差した川尻さん。「ハナミズキに似ていますが、これはヤマボウシという木です。花が、白い頭巾をつけた坊主頭の法師様に似ていることに由来します。秋には実がイチゴのように赤く熟すのでヤマイチゴとも呼ばれます。味はマンゴーのよう。木は杵の材料になります」。わかりやすい解説にぐいぐい引き込まれる。ほかにもトチやホオ、コシアブラなどの葉の不思議、マタタビとサルナシの見分け方、タラの木を長持ちさせる方法などを聞き、わずか数十メートルの間にすっかり物知りになった気分だ。

山では下から上を見上げる視点が大事なんだそう
10:40~

カモフラージュ

遊歩道の途中で自然を見る目を鍛えるネイチャーゲームに挑戦。15mのロープを張った区間に隠された人工物を探し、その数を当てるというもの。「感覚を研ぎ澄まし、目を凝らして自然を観察するので、あとでワラビを探すときに役立ちますよ」と川尻さん。

人工物に慣れている目には、新鮮であると同時に難しい。大人も子どもも大いに盛り上がる。

こんなところに真っ赤なカニ?......これはすぐ見つかる!

カモフラージュのあとは再び川尻さんの解説を聞きながら散策する。

たくさんのハチが集まる甘い香りのガマズミの花。その上には、お歯黒の材料になったというタンニンをたっぷり含むヌルデの虫こぶ(別名五倍子:ゴバイシまたはフシ)。大人気のおいしいグミに、ちょっとくさいイヌザンショウ。川尻さんに教えてもらいながら、見たり、味わったり、においをかいだり。参加者は「あー、子どもに戻ったー(60代女性)」と心から楽しんでいた。

天ぷら用に柿の新芽を摘み、梅の実もいただくことに。夢中で袋にいっぱいの梅の実を採り「思いがけないおみやげ、本当にうれしいです(50代男性)」「生まれて初めて。梅狩りなんて(60代女性)」と満面の笑みだった。

「私が食べる~」と大人気のグミ
11:20~

ワラビ採り

いよいよお待ちかねのワラビ採り。場所を聞いたとたん、一斉に散らばる参加者。ネイチャーゲームの効果もあって採れる採れる!すぐに袋がいっぱいになりそうな勢いだ。子どもたちはもっぱらワラビの長さコンテストに向けて、背丈よりうんと高くて、葉の出た食べられないワラビを求めて奔走していた。

どれから採ろうか迷うほど生えてる!
12:00~

昼食

「レストラン味彩」にて、山の幸バイキングの昼食をいただく。柿の葉や茶葉の天ぷら、茶葉のパスタをはじめ12種類の料理と4種類のカレー、3種類のデザートなどどれも地元の食材をたっぷり味わえる内容だ。

ワラビの長さコンテストの結果発表と表彰式も行われ、1位は231cm! 2位は228.4cm、3位は225cm。それにしても長い!

13:10~

茶摘み体験

藤井さんから上手な茶摘みのコツと、摘んだ葉の活用法を聞いたあとは、茶葉を入れる籠を腰につけて茶畑へ。少し暑さも和らいで、風もそよぎはじめる。時折聞こえるウグイスの声をBGMに茶摘みを楽しむ。葉っぱがツルツルして柔らかくて気持ちいい。完全無農薬のせいか、畑全体に生命力もみなぎっている。参加者が「帰りたくな~い(50代女性)」と思わず叫んでしまうほど心地よい。

手摘みのあとは機械刈りも体験し、茶摘みを存分に満喫した。

このお茶の葉、すごくおいしそう
14:30~

白川茶とワラビ餅で一服

「白川茶がなぜおいしいと言われるか、それは霧で茶畑が覆われて、天然のかぶせになるからです。かぶせというのは、玉露などの高級茶をつくる過程で茶葉を遮光して覆うことで、旨みの多いお茶ができるんですね。やぶきたという品種であることも大きいですね」

藤井さんのお茶談義は尽きることがない。

そんなおいしい白川茶の新茶と、ワラビ粉を使ったモチモチのワラビ餅をいただく。

14:55~

閉会式

「ワラビは日が経つとどんどん硬くなります。特に下2cmはタンニンが出て硬くなるので帰ったらまな板の上で、立てながらトントンと長さを揃えて、下2cmを切って捨てたほうがいいです。一番いいのは、採ったときにワラ灰を切り口につけておく方法。今度試してみてください。今日は五感をフルに使った体験でした。うちに帰ったら第六感を働かせて(笑)、またプライベートでも東白川村を訪れてくださいね」と川尻さんがあいさつ。笑顔いっぱい、おみやげいっぱいの一日となった。

「初めて参加しましたが、何もかもが新鮮で、自然を見る目が変わりました(30代女性)」

「妻に誘われて来て、実はワラビが嫌いで食べられないんですが、こんなに楽しめるとは思いませんでした。こういうイベント、いいなあ(60代男性)」

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