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自然体験 | 組合員レポート

山村たいけんin東白川 「ミニ門松&花餅づくり体験」

平成19年12月8日(土)晴れ
参加者 20組52名

  • 案内人/川尻秀樹さん
    技術士(林業部門)、樹木医、森林インストラクター、きのこアドバイザー。現在、NPO法人ツリークライミングジャパン副理事長、NPO法人メタセコイアの森の仲間たち顧問など、多方面で活躍中。
  • 自然案内人/藤井茂樹さん ほか東白川村の方々
  • ※このページにある写真をクリックすると拡大写真を見ることができます。

東白川村で暮れに行われた体験イベントは、恒例のミニ門松づくりと花餅づくり。里山の伝統文化を体験しながら、参加者たちは思い思いに楽しい一日をすごした。

10:00~

開会式

朝7時半に名古屋駅を出発した2台のバスが、東白川村「こもれびの里」に到着した。現地は朝からよく晴れ、日向はぽかぽかと気持ちの好い陽気だが、遠く長野県境の山々の頂には積もったばかりの雪が見える。バスから降りた子どもたちは、里山の新鮮な空気に触れて、元気に走り回っていた。

参加者が広場に集合すると、開会式が始まった。案内人・川尻秀樹さんが、「東白川村は神道の村で、お寺がありません。ここは神土(かんど)という地名。神様にちなんだこの村で、正月の神様を迎える門松と花餅をつくり、新しい年を迎えましょう」とあいさつ。地元の自然案内人・藤井茂樹さんも「今年は雪がなくて残念ですが、手づくり体験を楽しんでください」と話し、イベントが始まった。

10:05~

ミニ門松づくり体験

午前中のプログラムはミニ門松づくり。丸太小屋に移動して、まずはつくりかたのコツを教わった。今回は卓上に置ける高さ30cmほどのミニ門松を、グループごとに制作する。

材料は筒状の竹(メタケ)、飾り用の細い竹(モウソウチク)、赤い実をつけたナンテンの枝、稲穂、松葉、紅葉したユキヤナギなど。「竹の上下を見極めましょう。節の付近に白い帯がある側が下。立木のときと同じ向きで使ったほうが、門松にしたときも自然に見えてきれいですよ」と川尻さん。「飾ったナンテンが枯れたときは、キクなど他の花に差し替えてくださいね」と藤井さんも補足する。

参加者たちは、グループごとに置いてある見本を参考に作業を開始した。
屋外で土台となる筒状の竹を、切り口がささくれないようにガムテープを巻いてから、ノコギリで切る。竹をしっかり押さえないとうまく切れないので、一人が押さえ、もう一人が切る役だ。親子で、夫婦で、仲間同士で、と協力して、それぞれに作業を進めていった。

土台となる竹が切れたら、次は飾り付け。細いモウソウチクを切り、それをひもで3本束ねる。作業の途中、「門松は古くは今のように竹を斜め切りではなく、直角に切っていたんです。実はそれが古式にのっとった方法」と川尻さんからうんちくも飛び出す。竹を中央にすえて、松葉、ナンテンなどで飾っていく。ユキヤナギやマツボックリなどを加えて、さらに華やかにする人もいて、個性あふれる門松ができ上がっていく。土台の回りにぐるりとハカマをつけた後、水引を締めて完成。水引のつくりかたが意外と難しくて、手間取る人も多いようだ。中学生の女の子は「工作が好きだから、楽しいね!」と満足そう。

ユーモアをまじえて、竹を切るコツを説明する川尻さん(左)と藤井さん 土台に3本の竹や飾りを入れると、少しずつ門松らしくなってきた
12:10~

昼食タイム

レストラン「味彩」に移動しての昼食では、地元産の食材を使った山の幸バイキングが大人気。食後は3種類のデザートも味わった。

13:10~

花餅づくり体験

さて、午後のプログラムは大広間に移動して花餅づくりだ。花餅は東濃や飛騨などの山村で、正月の神棚や室内に供えるもの。生花が少ない冬場、紅白の餅を花に見立てて、華やぎを演出する。地域ごとに呼び方や形が違い、愛知県奥三河では餅花などとも呼ばれている。

東白川村では木の土台に、ネジキやエゴノキなどの枝を取り付け、そこに餅を付けていく。「今日使う枝は地元ではカツウルシ、一般にはネジキと呼ぶ木です」と、成長して幹がねじれた実際のネジキを前に藤井さんが話す。ネジキは春先に枝を切っておくと、その年に伸びた新しい枝は赤くなるため、花餅に最適。紅白の餅を包丁で細かく切り、枝ぶりを考えながらバランス良く付ける。

親子で手際よく作業を進めたグループは、40分ほどでほぼ形が整ってきた。最後にヒカゲノカズラ、花に色づけをしたノジギクなどをそえてオリジナルの花餅ができ上がった。

作業が進むにつれて、紅白の花が枝に咲いたように華やかな雰囲気に きれいな花餅ができ上がって、親子で思わずポーズ!
14:20~

餅つき&白川茶で一服

大広間での作業を終えると、石製ウスと木製杵で餅つきが始まった。子どもたちは興味いっぱいで、餅をつくための長い列ができた。ついたのはヨモギ餅と白餅。熱々の餅を食べ、白川茶でほっと一息。つきたての餅は軟らかくて、大人にも子どもにも好評だった。

←子どもたちも協力して、元気よく餅つきに参加した
15:00~

閉会式&記念撮影

イベントの締めは、完成した自分たちの「作品」を前に全員が集合して記念写真に収まった。「毎回応募していますが、今回初めて当選して参加。一日楽しかった。また来たいね(笑)」と子ども連れのお母さん。「昼のカレーライスがおいしかった!」と男の子の声も。「今までテレビで見るだけで、花餅をつくったのは初めて。正月が楽しみです」「どれも印象に残りましたが、とくに門松づくりが面白かった!」と話す女性たちなど、皆さん笑顔いっぱい。無事にイベントを終えた一行は、思い出を胸にバスで帰路についた。

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