自然体験 | 組合員レポート
山村たいけんin東白川 「山野草採りと薬膳料理を楽しもう!」
平成16年4月24日(土)晴れ
参加者 17組57名
- 案内人
山野草採り&薬膳料理指導 / 篠原旭子さん(野草薬草料理研究家)
山野草採り&薬膳3色団子づくり / 藤井茂樹さん ほか東白川村の方々
ここに掲載以外の写真をご覧になりたい方はこちらをクリックしてください。
写真をクリックすると拡大写真を見ることができます。
- ※このページにある写真をクリックすると拡大写真を見ることができます。
山にはミツバツツジ、茶畑の近くでは菜の花も咲き誇り、ときどきウグイスの鳴き声が聞こえるこもれびの里。散策しながらの山野草採り、野草の煮汁を使った薬膳団子づくりで、澄んだ空気のもと、春のひとときを満喫した。
10:15~ |
開会式
風は冷たいながら、朝から快晴となった。参加者たちも次々に到着。受付デスクの脇に飾られた春の七草を確認したり、広場横に咲く花や野草を観察したりするうちに開会式が始まった。
山野草採りの散策コースや薬膳団子づくりなど1日の予定説明の後、講師で野草薬草料理研究家の篠原旭子さんは「野草はあるだけ全部をとらないで、来年育つ分を残すようにしましょう」と山野草採りの心構えを話した。 |
10:25~ |
山野草採りに出発
開会式が終わると、参加者は各自で腰にかごを付けて山野草採りに出発した。場所は雑木林や茶畑があり、のどかな風景が広がるこもれびの里周辺。散策路の入り口にあるタカノツメ(イモノキの若芽)は数が少ないため、一人に数本ずつの限定。そして茶畑の脇を抜けて林へ。笹原のなかではリョウブやコシアブラ(別名こんてつ)を見つけた。再び戻った茶畑周辺には、ワラビ、ヨメナ(野菊)、ハコベなどが。
ハコベが生えている場所では「野草のなかで唯一タンパク質を含んでいるのが、ハコベです」と篠原さんが説明。茶畑の斜面にはワラビが密生し、摘み取りについ熱中するグループも。道を下っていくと、さらにスイバやヨモギなど都会の公園でも見かける野草も顔を出していた。
途中、一同は道路脇にある菜の花畑で集合して記念写真をパチリ。「菜の花も食べられます」との話に、花の部分を摘み取っていく人も。 さらに進むたびにカキドオシ、シロツメクサ、ノビルなど野草を発見。「カキドオシは血糖値を下げるので、糖尿病に効く野草として知られています。これを煎じてお茶にして飲みます」と篠原さん。
そしてパンダウサギと烏骨鶏が飼われている小屋の前を通って坂を上り、こもれびの里の出発点に元気に戻った。中高年の参加者のなかからは「こんなに食べられる野草があるとは知らなかった」「山菜といえばワラビくらいしか知らなかったけど、今日は歩いていろいろ教わり勉強になりました」などの声が聞かれた。
|
←茶畑脇の道は至るところ、山野草の宝庫! |
|
←林の中ではリョウブ、コンテツを見つけた。 |
|
11:50~ |
山野草の天ぷら&薬膳ランチのフルコース
摘み取った山野草は各自で試食用と持ち帰り用とに仕分けした。作業が終わったグループから自分たちで衣をつけて、油で揚げて天ぷらにしていく。
昼食は篠原先生が考案した薬膳料理メニュー。ハト麦・黒米・クコ・ゴマ・モチキビなどたくさんの穀類が入った十二穀ご飯、ノビル入りすまし汁、紅花入り漬け物、菜の花とハコベのあえ物、さらに食後に緑の色が鮮やかなクレソンゼリー、とまさに山野草づくし。それに自分たちで揚げた山野草の天ぷらも。天ぷらには通常の塩のほか、塩とウコンを混ぜたウコン塩をつけて食べた。なかには「揚げたての野草の天ぷらがこんなにおいしいとは!」と驚く女性も。
黒米で少し赤っぽくなった十二穀ご飯は、子どもたちにも大人気で、お代わりする子が続出。「ノビルの汁もおいしかったよ」という女の子もいて、参加者たちの会話もはずんでいた。
|
←小さな子どもたちも、薬膳料理をもりもり食べた。 |
|
13:15~ |
薬膳3色団子をつくる
午後からは野草の煮汁を使った薬膳3色団子づくりにチャレンジ。今回団子を色づけする煮汁にはクチナシ(黄色)、ハコベ(緑)、サンザシ(ピンク)を使った。
まず団子生地となる上新粉(和菓子用米粉)に砂糖を加え、野草の煮汁を混ぜて、それぞれ色の違う生地をつくる。子どもたちも熱心に団子の生地をこね、丸めていた。
「粘土のようで面白い」とキャラクターの顔をつくる女の子、黄色い団子を玉子焼きの形にする人、2種類の生地を使って1つの団子をつくる人などもいて、それぞれのオリジナル団子が完成した。グループごとに鍋に湯を沸騰させてから、そこに丸めた団子を入れて、10分ほどで浮き上がってきたらゆで上がり。
その後は、団子の試食タイム。飲み物は肝炎などに有効な薬効成分が含まれる「たんぽぽコーヒー」、糖尿病治療の茶材である「かきどおし茶」、香ばしい「黒米ほうじ茶」の3種類が用意された。薬草茶で一服しながら、素朴な味を楽しんだ。なかには薬膳茶を飲んで苦い顔をしているお父さん、気に入ったお茶をお代わりする男の子もいた。
|
←男の子も団子づくりに奮闘。 |
|
←"作品"を手に「こんな形にできたよ」。 |
|
14:45~ |
閉会式
閉会式は再び広場に集合。「今日は身近にある多くの雑草が、食べられる食材であることがわかったと思います。これからも自然から元気なエネルギーをいっぱいいただいてください」と篠原さんがコメント。
参加者へは篠原さんから黒米のお土産が。さらに参加者のなかで最高齢70代の女性、最年少の2才の男の子にも篠原さん手作りのプレゼントがあった。「空気が新鮮で、また来たいですね」との声も聞かれ、帰る人たちの表情も晴れやかだった。
|