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平成14年

自然体験 | 組合員レポート

山村たいけんin東白川 稲作文化に触れてみよう!

山村体験in東白川
「稲作文化にふれてみよう!稲刈り・にぎやか収穫祭」

平成14年9月14日(土)くもり

【案内人】
川尻秀樹さん
技術士(林業部門)、樹木医、森林インストラクター、きのこアドバイザーなどとして活動。現在、全国森林インストラクター会理事、天生県立自然公園公認ガイドとして活躍中。
【稲刈りと五平もち・芋もちづくり講師】
東白川村の方々

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今年も、豊かな実りとともに秋を迎えた東白川村。例年に比べて「なりもの」は全体に豊作で、5月に植えた稲も頭を垂らして、今や遅しと稲刈りの時期を待ちわびている様子。田植え以来、この日を心待ちにしていた参加者27名が再会し、にぎやかに収穫祭の一日を過ごした。

10:10~

開会式

本日の案内人、川尻さんのあいさつ。「みなさんの中で、田植えが終わった後、田んぼの様子を見に来た方はいらっしゃいますか?私は7月に2回ぐらい見に来ました。とても順調に育っていましたよ!今日は稲刈りの後、田の神さまにお礼をするために、一緒にもちもつくりましょうね」。参加者は5月に田植えの大変さを経験しているだけに、今日の収穫を迎えられた喜びはひとしお。期待を胸に田んぼへ移動する。

10:30~

はざを組もう

田んぼの稲は、たわわに実った米の重みで、一部倒れかけているところもあるほどの豊作で、収穫には絶好のタイミング。

初めに東白川村の稲刈り講師藤井さんより「はざかけ」の「はざ」の組み方を伝授してもらう。はざとは、刈った稲を乾燥させるために田んぼの中に木の棒で組む稲干し台のこと。これに稲をかけて天日干しすることをはざかけと言う。今は機械で乾燥させてしまうことが多く、はざを組む習慣は少なくなったそうだが、昔はどこの家でも組んだものだとか。「はざを組むのは、昔は一家の主の役目だったんです。台風が来ても倒れないように組む責任があったからね。もし倒れてしまったら米が台無しになってしまうだけでなく、近所でも噂になるんです(笑)。だから自分自身の名誉もかけて組んだものです」と、藤井さん。

まず、脚となる3本の木の棒を田んぼに突き刺して組み、ひもでくくり、もう1カ所にも同様に脚を組む。ここへ、長い木の棒をわたし、まん中に補強のための脚を組めば完成。お手本をみせてもらいながら、熱心にチャレンジする参加者。完成すると、子どもたちは、はざの上に乗ったり、ぶらさがったりして大喜び。木の棒とひもだけでこんなに丈夫なものができてしまう知恵に、お父さんお母さんたちは「昔の人はすごい!」の一言。

←熱心にはざを組む参加者。
11:00~

稲刈りスタート

稲刈りには、一般のカマよりもよく切れる稲刈り専用の「ノコギリガマ」を使うため、藤井さんから安全な刈り方を教わる。腰を落とし、親指を上にして稲を束ね持ち、稲をピンと上へ引っ張りながらカマを稲に当てて水平に引く。こうすると効率もよく安全に刈れるのだとか。刈った稲は地面に置いて、数株を束ねてワラか麻ひもでしばる。乾燥すると結びがゆるくなって稲が抜け落ちてしまうのできつめにしばるのがコツ。

←藤井さんから、稲刈りのコツを伝授してもらう。

さっそく1列に並び、前へ進みながら刈っていく。ザクッ、ザクッとあちらこちらから切れのいいカマの音が聞こえてくる。「はざを稲でいっぱいにできるように頑張ってくださいね」と藤井さん。「初めてで難しいけど、おもしろいですねえ」「この音が気持ちいい」「ハサミや包丁でもそうですが、道具を使って切るというのは楽しいものですね」と、夢中で稲刈りをする参加者。小さな子どもたちはイナゴや赤トンボと戯れながらも、しっかりお手伝い。「はざを組むのと同様、はざかけも重要な仕事。1束の稲を7対3程度の2股に分けて左右を交互にかけていくと、たくさんかけられるんです」 と、またしても藤井さんがコツを伝授。

←稲刈りっておもしろいね!
←慣れてくると、子どもたちの動きも軽やかに。

一方、川尻さんは手で稲を刈ることの意味をレクチャーする。「手で刈ると稲ワラができる。昔、稲というのは米だけでなく、ワラがとれるということで貴重だったんです。機械刈りするとワラの部分がすべてその場で細かくカットされてしまうので、今はワラが不足しているんですよ。だから手で刈るというのは大きな意味があるんです」

休憩もそこそこに、参加者全員が稲刈りに夢中になった結果、終了間際には、なんとはざがいっぱいに!少し肌寒いくらいの気温だったが、体はホカホカ。大満足の稲刈りとなった。

←家族みんなで頑張ったよ!
11:55~

記念撮影

いっぱいになったはざの前で記念撮影。全員大満足の笑み。

12:30~

バーベキューの昼食

田んぼから、森のバーベキューハウスへ移動。東白川村特産の東濃ヒノキの炭を使って炭焼きバーベキュー。炭に詳しい川尻さんに上手な火のおこし方を教えてもらい、いただきまーす!昼食後は、川尻さんの臨時草遊び教室が大盛況。

←炭で焼いたバーベキューは最高!
←川尻さんから草遊びを教えてもらう。
14:10~

五平もち・芋もちづくり

神さまに感謝の意味を込めてお供えする五平もちは、その年の新米でつくる。はじめに、米1升に対してもち米1合の割合で炊いたごはんをすりこぎでつぶす。次にわりばしにつけて丸め、小判型に形を整える。これを炭火で素焼きし、表面が軽く焼けたらタレをつけてもう一度焼く。本日のタレは特製のクルミダレ。「五平もちのタレは、各家庭によっていろいろです。みなさんも家に帰ったら、しょうゆ、みそ、砂糖、酒をベースにクルミやゴマやピーナッツなどを入れてお好みのタレをつくってみてくださいね」と、東白川村のもちづくり講師の方々。

←ごはんは、5分づきぐらいにするのがおいしいんだって。

続いて芋もちづくり。「五平もちは、みなさん知っていると思いますが、芋もちはあまりご存じないのでは?実は地元では芋もちの方がポピュラーなんですよ」と藤井さん。芋もちとは、米にサトイモを混ぜて炊き、すりこぎでつぶして丸め、ショウガじょうゆをつけて焼いたもの。くず米(商品価値の低い米)をおいしく食べる知恵として昔から伝わる郷土料理だ。

←ショウガじゅうゆの風味がたまらない芋もち。

炭火でこんがり焼き上がる匂い。昼食後にもかかわらず、思わず手が伸びる。「表面がカリッ、中がもちもち~。もう、絶品!」「新米のおいしさが引き立つ~」と五平もちは予想通り大人気。芋もちは初めて食べる参加者ばかりだったが「むちゃうまい!」「家でも絶対つくってみたい!」と、五平もちに肩を並べる人気ぶり。
米のおいしさをあらためて実感する体験となった。

←うししし~、しあわせ。
15:25~

閉会式

本日収穫した米は、後日、参加者1人につき3kgが自宅へ配送されることに。大変だった分、大きな喜びも得られた体験となった。

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