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自然体験 | 組合員レポート

山村たいけんin東白川
桧で作るミニクリスマスツリーと花餅作り(三河地区)

平成27年12月5日(土)くもり
参加者 24組56名

  • 案内人/川尻秀樹さん
    技術士(林業部門)、樹木医、森林インストラクター、きのこアドバイザー。
    現在、NPO法人ツリークライミングジャパン副理事長、NPO法人メタセコイアの森の仲間たち顧問など、多方面で活躍中。
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暖冬にもかかわらず、東白川村では先週例年よりも一足早い初雪がみられ、いよいよ冬の装いへ。バスの車窓からはシキザクラが小雪のように。全国唯一、寺のない神道の村で年末年始を迎えるためのしつらえを学び、交流を楽しんだ一日となった。

10:50~

開会式

 土間や囲炉裏のある「こもれびの館 母屋」にて開会式。本日の司会進行は、東白川村こもれびの里スタッフの村雲和裕さん。初めに東白川村の村岡安幸参事が歓迎のあいさつに。「東白川村は90%が山林です。村の特産品はいろいろあり、中でも東濃ヒノキはよく知られています。昨年秋にオープンした東京都港区の公共施設にも使われて話題になりました。今日は一日楽しんでいってください」。サプライズなゲストとサプライズなお知らせに参加者から大きな拍手が送られた。続いて案内人の川尻秀樹さんのあいさつ。「東白川村は全国でも珍しい寺のない村。明治時代の廃仏毀釈以来、慶弔はすべて神道で執り行われています。ここの地名は神土。今日は年内のいろんなことを神に感謝して、ぜひ良い年を迎えていただきたい」。

11:00~

川尻さんのお話

 「こもれびの館 丸太小屋」へ移動し、ツリー作りの体験に入る。「クリスマスツリーはまだ比較的新しい習慣。午後から作る花餅の方が実は歴史が古いんです。ヨーロッパでリースに使われるのはホーリー(セイヨウヒイラギ)やヤドリギで、これは常緑樹が永遠の生命の象徴だからです。今日は常緑樹である地元の東濃ヒノキの枝を使って和のツリーを作ります。飾りはイイギリの赤い実をリンゴに見立てて。イイギリというのは、ナンテンの代わりに南天箸に使われる木で、金閣寺の床柱にも使われている木です。では、ツリーになぜリンゴを飾るのか?それはアダムとイブの禁断の果実=知恵の実だから。リンゴの木は冬に葉を落とすため、モミの木にリンゴを飾り付けるとされています。ツリーに飾るもの、一つひとつに意味があるんです」。さまざまな樹木を見せながらの川尻さんのレクチャーに、参加者は興味津々で聞き入っていた。

川尻さんに教えてもらいながら
11:10~

東濃ヒノキのツリー作り

 初めにツリーの骨組みを作る枝と麻紐、飾り付け用のイイギリの実・ヒノキの実・わた・ベルが配られた。まずは、こもれびの里スタッフより、骨組みの作り方を教えてもらい、麻紐で結んで三角錐や四角錐の骨組みを作る。骨組みに沿って、ヒノキの枝や飾りをホットボンドでくっつけていくと自分だけのオリジナルツリーが完成!「ヒノキの香りのするツリーはうれしい(40代女性)」「ほかの方の作品も素敵だけれど自分も意外にできるもんだなと見直した(50代女性)」

東濃ヒノキのミニツリー完成!
12:35~

山の幸バイキングの昼食

 薪ストーブのある「レストラン味彩」で山の幸バイキングの昼食。栗味おこわや猪鍋など東白川の郷土料理や、地元の手作りこんにゃく・天然にがりの手作り豆腐など10種類のオリジナルメニューのほか4種類のカレー、地元野菜のサラダバイキング、ムラサキイモ・バターナッツカボチャ・栗などを使ったオリジナルスイーツが3種類。ほかでは味わえない地産地消の手作り料理に参加者は大満足!
 「手作りこんにゃくとカボチャコロッケがすごくおいしかった!(小4女子)」

13:35~

花餅作り

 午後は「こもれびの館 母屋」にて正月飾りの花餅作りに挑戦。
 まずは川尻さんから花餅の風習や材料について学ぶ。花餅の始まりは諸説あるが、広く知られているのは、生花が少なくなる冬場に餅を花に見立てて華やぎを演出した説。「今日の花餅作りに使うのは、ネジキ(カツウルシ)の枝。今年伸びた枝だけが赤く、花餅が映えるため好んで使われます。ほかにカエデ、エゴノキ、クリ、ヤナギなども使いますが、昔からネジキが最高級。枝の曲がりも味のうちです」。台座にはコナラやクリやサクラを使い、モチキビの穂、ナンテンの実、ヒカゲノカズラ、マツボックリで台座を飾る。「ナンテンの葉は、よくおこわなどに添えられているが彩りのほかにもう二つ理由があるんです。一つはナンジニンという成分の防腐効果。もう一つは食べ過ぎた時葉っぱをかじると吐き戻せる効果があるからなんです」。川尻さんのお話に大きくうなずく皆さん。

東白川村の村雲さんからコツを伝授

 枝が整ったらビーツ(赤ダイコン)のおろし汁で着色した赤ののし餅と、白ののし餅を包丁で小さく切って枝に巻きつけていく。紅白の花が咲き誇り、お互いの作品を称えながら、話の花、笑顔の花も咲き、参加者同士の交流も深まった。
 「一枝ぐらいの簡単なものを想像していたらこんなに立派で素敵な花餅で驚いた(70代女性)」

話の花も咲いた
14:35~

餅つき体験&白川茶で一服

 本日最後の体験は、こもれびの館の土間で、石臼と杵を使った昔ながらの餅つき。白餅とヨモギ餅を「よいしょー!」の掛け声と共に力強く。老若男女の参加者が異年齢で交流する姿は、まるで大勢の親戚が集うお正月のようだった。

女性も大奮闘!
15:15~

閉会式&記念撮影

 「今日をきっかけにまたどんどん村へお越しください。ほかの体験もたくさんできるので、また訪れてください」という川尻さんの言葉で閉会。神道の村で今年一年に感謝をしながら新しい年を迎えるしつらえを学び、伝統文化の奥深さや美しさに触れた一日となった。
 「初めての応募。普及員さんに勧められて応募してよかった。来年は良い年を迎えられそう(80代男性)」「ここに来て初対面の人とも友達になれた(70代女性)」

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