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自然体験

自然体験 | 組合員レポート

山村たいけんin東白川
稲わらリース作り体験と花餅作り(三河地区)

平成26年12月6日(土)くもり時々雪
参加者 24組57名

  • 案内人/川尻秀樹さん
    技術士(林業部門)、樹木医、森林インストラクター、きのこアドバイザー。
    現在、NPO法人ツリークライミングジャパン副理事長、NPO法人メタセコイアの森の仲間たち顧問など、多方面で活躍中。
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旧暦の大雪を目前に一面の雪景色が広がった東白川村。粉雪舞う中、全国唯一、寺のない神道の村で里山の伝統文化や新年を迎えるためのしつらえを学び、自然の素材で作る楽しさに触れた。

11:10~

開会式

 土間や囲炉裏のある「こもれびの館 母屋」にて開会式。本日の司会進行は、東白川村こもれびの里スタッフの村雲和裕さん。初めに東白川村の村岡安幸参事が歓迎のあいさつに。「この村の広さは8711ha。9割が山林でそのほとんどがヒノキです。下呂温泉がここから40分くらいのところにあります。今日は一日東白川を楽しんでいってください」。サプライズなゲストに参加者から大きな拍手が送られた。続いて案内人の川尻秀樹さんより、これから作るしめ縄のリースが紹介されると参加者の期待が膨らんだ。

11:20~

川尻さんのお話

 「東白川村は全国でも珍しい寺のない村。慶弔はすべて神道で行われます。今日はその神道にちなみ、しめ縄でリースを作ります。縄をなうには右ないと左ないがあり、神様ごとは左ないで作ります」。右ないで作られた蓑や、馬・人のワラジ、左ないで作られたしめ縄をかざしながら川尻さんのお話が続く。

川尻さんのお話に釘付け

「ちなみにヨーロッパではクリスマスツリーはモミよりもドイツトウヒが一般的なんです。またヨーロッパでリースに使われるのはホーリー(セイヨウヒイラギ)やヤドリギで、これは常緑樹が永遠の生命の象徴だからです。日本でもサカキやソヨゴなどの常緑樹はパチパチと音を出して燃えることから邪気を祓って願い事を叶えると信じられています。マツは「神を待つ」と言われ、スギはまっすぐ育つので神が降りてきやすいと信じられてきました」。さまざまな樹木を見せながらの川尻さんのレクチャーに、参加者はうなずきながら聞き入っていた。昔から、世界中に常緑樹を使う習慣があることを川尻さんのお話から学べた。

どんな匂いがするかな?
11:40~

リース作り

 「こもれびの館 丸太小屋」へ移動し、リース作りの体験に入る。
初めに既成のしめ縄、稲わら、飾り用のリボンや木の実、常緑樹のモミ・ヒノキ・スギなどが配られた。まずは、川尻さんと、こもれびの里スタッフより、縄のない方を教えてもらい、稲わらから縄をなう。子どもでもなえる簡単バージョンも紹介された。頭では理解しても、実際にやってみるとなかなかうまくいかない現実。でも最初は難しいうまくいかないと言っていた参加者も最後は笑顔で自画自賛できるのが、手作りのいいところ。苦労して縄をない、飾り付けもオリジナルで、世界に一つしかない作品が完成!
「難しいけど楽しかった(60代女性)」「子どもたちのセンスに脱帽。大人の脳の硬さを実感した(30代女性)」

クリスマスとお正月、飾りを変えて楽しめる
12:50~

山の幸バイキングの昼食

 薪ストーブのある「レストラン味彩」で山の幸バイキングの昼食。栗味おこわや田舎汁など東白川の郷土料理や、地元の手作りこんにゃく・豆腐など特産品も盛り込まれた11種類のメニューのほか4種類のカレー、特産のトマト・ムラサキイモ・シソなどを使ったオリジナルスイーツが3種類。ほかでは味わえない地産地消の手作り料理に参加者は大満足!

14:00~

花餅作り

 午後は「こもれびの館 母屋」にて正月飾りの花餅作りに挑戦。
まずは川尻さんから花餅の風習や材料について学ぶ。花餅の始まりは諸説あるが、広く知られているのは、生花が少なくなる冬場に餅を花に見立てて華やぎを演出した説。「今日の花餅作りに使うのは、ネジキ(カツウルシ)の枝。今年伸びた枝だけが赤く、花餅が映えるため好んで使われます。ほかにもカエデ、エゴノキなどを使いますが、昔からネジキが最高級。枝の曲がりも味のうちです。昔は3月に餅のほこりを洗い流して、油で揚げてひなあられとして食べました」。台座にはコナラやクリやサクラを使い、モチキビの穂、ナンテンの実、ヒカゲノカズラ、マツボックリで台座を飾る。
早速、ビーツ(赤ダイコン)のおろし汁で着色した赤ののし餅と、白ののし餅を包丁で小さく切って枝に巻きつけていく。赤と白の花が次々と咲き誇った。
「手作りは作る時と飾る時の2回楽しみがあるのがいい(60代女性)」

笑顔の花も咲いた
14:30~

餅つき体験&白川茶で一服

 本日最後の体験は、こもれびの館の土間で、石臼と杵を使った昔ながらの餅つき。白餅とヨモギ餅を「よいしょー!」の掛け声と共に。老若男女の参加者が異年齢で交流する姿は、まるで大勢の親戚が集うお正月のようだった。

心温まる餅つき
15:25~

閉会式&記念撮影

 「東白川村はいつでも皆さんをお待ちしています。ほかの体験もたくさんできるので、また訪れてください」という川尻さんの言葉で閉会。神道の村で神を迎えるしつらえを学び、日本の伝統文化の奥深さや美しさに触れた一日となった。
「今日は子どもがゲームのことを1回も口にしなかった。自然が一番の遊び場なんだと感じた(30代女性)」

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