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「イタリア世界遺産の旅」と「誰でもわかるイタリア語」

中日文化センターイタリア語講師
石黒 秀嗣

「イタリア世界遺産の旅」と「誰でもわかるイタリア語」

ローマ歴史地区(Centro storico di Roma)その14
カラカラ浴場 (Terme di Caracalla) 1980/1990年登録

古代ローマの三大娯楽場の一つである公共浴場(Terme)について


スケッチ画 樋口佳代

 早くから水道が発達していたため、紀元前1世紀頃から古代ローマの都市には必ず公共の浴場施設が建設されていました。ローマでは歴代の皇帝たちが競い合って巨大な浴場(Termae)を建設し、ローマ市民に娯楽場の一つとして提供しました。
ローマ時代の公共浴場は単に入浴するためだけではなく、肉体的にも精神的にも健康を維持し、都市生活をより豊かにするための複合的な施設でした。付属するパラエストラ(運動場)で体を鍛練し、入浴によって体を清潔に保ち、その後に読書や音楽あるいは庭園の散策を楽しむことで精神的な開放感に浸るのでした。
現在でも遺跡が残っている「カラカラ浴場」や、ローマのテルミネ駅の近くにある「ディオクレティアヌス浴場」は、このような施設を満たすような規模の大きなものでした。4世紀頃には、ローマには400もの公共浴場があったと伝えられています。

 カラカラ浴場Terme di Caracalla スケッチ画)は、セプティミウス・セウェルス帝が着工し、10年後の217年にカラカラ帝(在位211-217)が完成させた浴場です。
ローマ人の施設の利用は、まずは体育室競技場で運動を楽しみます。その後は、スダトリウムという一種のサウナで汗を流し、つぎに蒸し風呂のような高温浴室(カルダリウム)に入る。それから生ぬるい温湯浴室(テビダリウム)に行き、つぎに冷水浴場(フリジダリウム)と呼ばれる中央の集会所に立ち寄り、最後に戸外のプール(ナタティオ)で楽しみ、さらに香水を振りかけた布でマッサージを受けました。また気のあった仲間と美しい庭園を散歩しながら会話を楽しんだり、時には図書館で本を読み教養に磨きをかけたりしました。また浴場の内外の至る所に、装飾のため多くの彫刻が並べられておりギャラリーのような美術空間を創っていました。浴場は「アイボカウスト」というシステムによって加熱されて暖かく、地下で石炭を燃焼し、水を沸騰させ、床から壁まですべて暖房がなされていました。
ここは浴場であると同時に、体育場、図書館、ギャラリーを備えた総合レジャー・センターでした。
敷地面積が11万m2以上の広さがあり、一度に1600人以上が入浴できたと言われています。
床面にはところどころモザイク画が今も残っています。当時、ローマの庶民たちは、浴場のことを「われらの宮殿」と呼んでいました。
夏のバカンスの時期には、浴場の遺跡を背後にして有名な野外オペラが上映されます。

 ディオクレティアヌス浴場(Terme di Diocleziano)は、ディオクレティアヌス帝(在位284-305)の在位20年を記念してローマの市民に贈ったものです。295年に着工して305年に完成しました。カラカラ浴場をしのぐ規模で、敷地が380m×365m14万m2)、建造物は250m×180m(約45千m2)という大きさで、収容人員は3000人と言われています。
浴場と隣接して建っているサンタ・マリア・デッリ・アンジェリ教会(Chiesa di Santa Maria degli Angeli e dei Martiri)やサン・ベルナルド・アッレ・テルメ教会(Chiesa di San Bernado alle Termini)、ディオクレティアヌス浴場跡を利用して作られました。
1889年にはローマ国立博物館(Museo Nazionale Romano)となり、古代彫刻からさまざまなところで発掘されたものが展示されています。「テルメ博物館」の別称で親しまれています。

■カラカラ浴場のガイドと写真
http://www.romanoimpero.com/2009/09/terme-di-caracalla.html

■ディオクレティアヌス浴場のガイドと写真
http://www.romanoimpero.com/2010/09/terme-diocleziano.html

新シリーズ
◆誰でもわかるイタリア語 第30回

このシリーズ「誰でもわかるイタリア語」では、イタリア語の基礎を文法用語に頼って説明することを出来るだけ避け、誰にでもわかるようにまとめています。また「単語帳」のコーナーを設けていますので、少しずつ単語や簡単なフレーズを覚えるようにして下さい。

【条件法】

 今まで学習してきた動詞(現在形・近過去形・半過去形)の使い方は、「直説法」といって、「~です」とか「~どうだった」と断定的に事実を語る表現法(modo di dire・esprimere)でした。客観的に述べるには直説法で十分ですが、話し手の気持ち、考え、意見、推量などを表すときには、「~かしら」とか「できれば~したいのですが」などのように、気持ちなどをていねいに、または控え目に表現した方がいい場合があります。「もし~ならば」とか「できれば~したい」などの条件を前提にした表現法を「条件法」といいます。

È meglio portare l'ombrello. 傘を持って行く方がよい。(直説法現在形)
Sarà meglio portare l'ombrello. 傘を持っていく方がよいだろう。(直説法未来形)
Sarebbe meglio portare l'ombrello. 傘を持っていく方がよいだろうに。(条件法現在形)

未来形にも推量を表す働きがあるので、条件法の場合とよく似ていますが、「条件法」を使うときには必ず、「雨が降るかもしれないので」という条件が前提となっています。
未来形の用法と活用については、第22回(20137月号)に詳しく書きましたので参考にして下さい。
未来形と条件法は、活用においても共通するところがあります。
未来形の活用が規則的な語尾変化(-rò, -rai, -rò, -remo, -rete, -ranno)でした。〈r〉から始まる語尾変化が特徴でした。条件法現在形も規則的な語尾変化(-rei, -resti, -rebbe, -remmo, -reste, -rebbero)をし、やはり〈r〉から始まる語尾変化をします。イタリア語では、この〈r〉はハッキリとした特徴のある音ですので分かりやすいと思います。

I.条件法現在の活用について

ほとんどの動詞が規則的な語尾変化をします。

動詞の原形 parlare prendere partire essere avere
io(私は) parlerei prenderei partirei sarei avrei
tu(君は) parleresti prenderesti partiresti saresti avresti
lui(彼は)・lei(彼女は)
Lei(あなたは)
parlerebbe prenderebbe partirebbe sarebbe avrebbe
noi(私たちは) parleremmo prenderemmo partiremmo saremmo avremmo
voi(君たちは)(あなたたちは) parlereste prendereste partireste sareste avreste
loro(彼らは)
loro(彼女らは)
parlerebbero prenderebbero partirebbero sarebbero avrebbero

-are》動詞だけは、《-a(re)》を《-e》に直してから変化する点も未来形と同じですので注意して下さい。
また語幹の取り方に特徴のある動詞の変化も未来形と同じです。

fare(する) farò(未来形) farei(条件法)
potere(出来る) potrò(未来形) potrei(条件法)
volere(望む) vorrò(未来形) vorrei(条件法)
mangiare(食べる) mangerò(未来形) mangerei(条件法)

II.条件法の用法について

 意志を表す(volere欲する、desiderare望む)動詞や、判断や意見を示す(credere信ずる、dire言う)動詞である場合に、直説法で表現すると、余りにも露骨な要求になったりすることになります。そんな時に「~したいのですが」とか「~すべきなのですが」という条件法が使われると婉曲で丁寧な表現となり、特に日常会話などではよく使うのでしっかり覚えましょう。

(1)自分の気持ちや望みなどをていねいに言う場合
 Vorreiは「~したい」という意味の動詞volereの条件法です。「できれは~したいのですが」と自分の気持ちなどを控え目に表現する場合に使います。

Vorrei prendere anche un dolce.
ケーキも食べたい。
Vorrei dirti tante cose, ma non posso.
君にいろんなことを言いたいのだが、できない。
Vorrei provare questa giacca.
このジャッケットを試着したいのですが。
Vorrei pagare con la carta di credito.
クレジットカードで払いたいのですが。
Vorrei vedere le scarpe in vedtrina.
ウィンドーの中の靴を見たいのですが。

(2)Fareiは「~する」という意味の動詞fareの条件法です。「できれば~したい」「できるといいんだけど」「どちらかといえば~したい」という表現です。控え目な表現であり、また少し曖昧な気持ちを表す表現でもあります。

Oggi farei una visita ai Musei Vaticani.
今日はヴァチカン博物館を訪れたい。
Oggi mangerei volentieri il pesce, se c'è.
もしあれば今日は魚を食べたいのですが。
Non farei così come te.
自分なら君のようなことはしないだろうに。
Farei una passeggiata dopo pranzo.
できれば食後散歩したい。
Andrei a vedere l'opera alla Scala.
できればスカラ座でオペラを見に行きたい。
Prenderei un'altro bicchiere di vino.
できればもう1杯ワインを飲みたい。
Ho molto da fare: mi daresti una mano, Carlo?
忙しいので、カルロ手を貸してくれないか?
Potrebbe prestarmi quel libro?
出来たらあの本を貸していただけませんか?
Verresti a casa mia?
よければ私の家に来ませんか?

(3)「おそらく~でしょう」(sarebbe)とか「ひょっとすると~かもしれない」(potrebbe)などのように、自分の気持ちや意見を柔らかく遠回しにものを言う表現です。

Sarebbe meglio portare l'ombrello.
傘を持っていく方がよいでしょう。
Sarebbe interessante quel film.
あの映画はきっとおもしろいでしょう。
Potrebbe essere una bella idea.
それはすばらしい考えかもしれません。
Io direi che sarebbe meglio andare in taxi.
タクシーで行ったほうがよいと思うよ。
Il treno potrebbe arrivare un po' in ritardo.
列車はもしかすると少し遅れて着くかもしれない。

単語帳

花言葉について その2

 花言葉の多くは、古くから伝わる神話や伝説から生まれました。また花の姿や香り・色・生態などの特徴から作られたもの、更にはキリスト教などの宗教的なシンボルとしてが生まれてきたものもあります。

(1)

コスモス Cosmea Gioia di amare
e di vivere
愛する・生きる喜び、
調和
コスモスはギリシャ語で「宇宙」「調和」を意味します。

(2)

スミレ Viola (Violetta) Modestia・Fedeltà 謙虚さ・誠実さ
スミレを品種改良して作られたのがパンジーです。またさらに小型の多花性に改良したのがビオラなのです。パンジーという名前は、花の形が物思いにふけっている様子から、フランス語の「パンセ」(物思い)という名がつけられました。

(3)

ヒマワリ Girasole False ricchezze 偽りの豊かさ
太陽に向かって花が回って咲いていることから、sole(太陽)とgira(回る)という二つの言葉の合成語です。

(4)

カモミール Camomilla Forza nelle
difficoltà
逆境を乗り越える力
イタリアでは、熱さましや頭痛を和らげるなどの効果があり風邪の時によく飲みます。苦しい時の助けになってくれるハーブなので、逆境を乗り越える力を表します

(5)

忘れ草 Nontiscordardime Non
dimenticarmi
私を忘れないで!
川の中の小さな島に美しい花が咲いているのを見つけ、恋人のために川を渡って花を摘みに行った彼は、川の流れに呑まれてしまいます。「私を忘れないで!」と叫びながら、恋人の足元にその花を投げたというエピソードから、この言葉が生まれました。

(6)

スイートピー Pisello odoroso Delicati piaceri 繊細な喜び
シチリア原産の花です。学名の「ラティルス」(Lathyrus)は、ギリシャ語の「刺激的な・情熱的な」という意味です。またイタリア語の「オドローゾ」(odoroso)は、「芳香を放つ」の意味です。

(7)

サクラソウ
(プリムラ・マラコイデス)
primula Infanzia 少年時代の希望
花の女神フローラは、恋人を失い、悲しさのあまり衰弱して死んでしまった息子を不憫に思い、春一番に咲く花「サクラソウ」に変えたと伝えられています。

(8)

アネモネ Anemone Desolazione 恋の悲しみ・苦しみ
花の女神フローラは、花を咲かせる風の神ゼフュリスに愛されていると信じていましたが、侍女アネモネを愛していることを知ってアネモネを追放してしまいます。困惑したゼフュリスは、アネモネを花の姿に変えたといわれています。アネモネはギリシャ語で「風」の意味です。
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