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インターネット公開文化講座

文化講座

インターネット公開文化講座

旅に役立つイタリア語

石黒 秀嗣

レストランでの会話 1

 ステップ1 町の散歩

  パドヴァ(Padova)

ヴェネチアから西に約40kmのところにあるパドヴァという町は、人口が21万でそのうち約6万人の学生が学ぶ最もアカデミックな大学都市で、1222年創立されたヨーロッパで最も古い大学の一つです。世界で最も古い解剖学教室や天文学者ガリレオ・ガリレイの教壇などは観光することができます。

イタリアには沢山の巡礼地がありますが、聖フランチェスコのアッシッジと並んで、聖アントニオのパドヴァが有名で世界中から巡礼団がこの町にやってきます。聖アントニオ(1195-1231)はポルトガルのリスボン生まれのフランシスコ会派の修道士で数多くの奇跡を起こし人々を病苦や死から救ったといわれる聖人です。聖アントニオの遺骨の納められた祭壇(Capella del Santo)をもつこの教会の屋根には8つのクーポラをもつビザンチン様式の代表的な聖アントニオ大聖堂(Basilica di San Antonio)です。町の人たちはイル・サント(Il Santo)と親しく呼んでいます。教会前には世界で最も美しいとされているドナテッロ作の「ガッタメラータ将軍の騎馬像」(1453) が聳え立っていますので、是非見忘れないように。ちなみにローマのマルクス・アウレリウス帝の騎馬像やヴェネチアのサン・マルコ大聖堂にある四頭の馬のブロンズ像や聖ジョヴァンニ・エ・パオロ大聖堂前に立っているベッロッキオ作のコッレオーニ騎馬像が有名で是非見ていただきたい。

もう一つ見落とせないのが、スクロヴェーニ礼拝堂(Cappella degli Scrovegni)のジョットのフレスコ画です。壁一面に描かれたフレスコ画は、ジョットの最盛期のもので最も質の高い作品で知られています。キリストの生涯やマリアの生涯がドラマティックに描かれており、ジョットの芸術の神髄にふれ感動することでしょう。「キリストのユダとの接吻」(写真)や1301年に出現したハレー彗星も忠実に描かれており、後に1985年に欧州宇宙機関(ESA)から打ち上げられた探査機に「ジョット(Giotto)」という名前が付けられました。

最後に、世界遺産に登録されている、1545年に開園した世界で最も古い植物園(Orto Botanico)が、丁度聖アントニオ大聖堂に隣接するように位置しています。敷地面積は2.19haで 創設当時の設計による庭園が今も残っております。ヒマワリの花をヨーロッパで最初に開花させることに成功したり、イタリアで初めてジャガイモの栽培が行われたりした業績を持つ植物園です。今は大学の生物学部に所属する研究施設として管理されているので、うまくいけば入らせてもらえるかと思います。

 ステップ2 あなたのイタキチ度は?
  イタリアについての常識問題にチャレンジして下さい!
1. ビザンチン様式の三大聖堂の名前を挙げて下さい。
2. シチリアで最も大きな町の名前は!
3. 中世の海洋都市国家を4都市挙げて下さい。
4. イタリアワインの法的な表示上の分類で最も高品質ワインに付けられる名前は!
5. ワインを醸造する際に出たブドウの搾りかすを再発酵させてつくるお酒の名前は!

 ステップ3 レストランでの会話1

イタリアのレストランについて

 グルメの国イタリアでは食事するところがいろいろあります。一般的にはリストランテ(Ristorante)とかトラットリーア(Trattoria)へ行きますが、違いはトラットリーアの方が少し庶民的で気楽に入れる雰囲気がありましたが、最近では店によって違いますので、店構えなどから判断するしかありません。その他にタボラ・カルダ(Tavola Calda)では気軽に食事が出来るところで、カウンターに調理済みのおそうざいが並んでおり、その中から食べたいものを選び注文します。勿論暖めたりしてくれるサービスもあります。また、ロスティッチェリーア(Rosticceria)はおそうざい屋さんですが、大低は奥にカウンターやテーブルが用意されていて食事も出来ますので、簡単にすませるのであればお勧めです。オステリーア(Osteria)は居酒屋ですがつまみ程度は用意してくれます。最後にピッツェリーア(Pizzeria)ピザ屋は原則として夜しか営業していないところが多いようです。しかし最近観光地ではリストランテと一緒に営業しているところが増えてきました。イタリアではピザは正式な食事とは考えていないようです。どちらかというと夜食に近いものと思います。

よく次のように食事に誘われることがあります、colazioneは「朝食」の意味もありますが、お昼でも同じように使います。その時は「軽食」の意味で言っています。

Andiamo a fare la colazione!
アンディアーモ ア ファーレ コラツィオーネ
軽い食事に行きましょう!

イタリアでは、朝食をラ・プリマ・コラツィオーネ(la prima colazione)、昼食をイル・プランツォ(il pranzo)、夕食をラ・チェーナ(la cena) と言います。昼食がイタリアではメインとなりますので、時間をたっぷりかけ食事をしますので、昼休みが長くイタリアではまだシェスタ(長いお昼休み)の習慣があります。食事時間も日本とは違いますので、旅行する際は気をつけておくと良いでしょう。イタリア人は朝食はエスプレッソコーヒーまたはカップチーノと菓子パンなどで簡単にすませ、お昼にしっかり食べます。午前の仕事が1時頃までありますので、昼食はそれ以降と言うことになります。夕食も仕事が終わるのが7時か7時半ぐらいですので、夕食は早くても8時以降と考えてレストランに行くといいと思います。

レストランの予約

レストランでは食事にかける時間が大変長いので回転が悪く、直接行っても美味しくとても人気のあるようなレストランでは座ることが出来ないことがよくありますので、是非前もって予約しておくことをお勧めします。

Pronto! Vorrei prenotare un tavolo per due alle otto.
プロント ヴォッレイ プレノターレ ウン ターヴォロ ペル ドゥーエ アッレ オット
もしもし! 8時に2人で予約したいのですが!

もし名前を聞かれたら、名前の後に日本人の(giapponese)を付け加えると良いでしょう!

Mi chiamo Yamada giapponese.
ミ チアーモ ヤマダ ジャッポネーゼ
日本人の山田です。

直接レストランに行った場合、以下の会話も準備しておくと良いでしょう。

C'è un tavoloa per quattro?
チェ ウン ターヴォロ ペル クアットロ
4人の席ありますか!
Quanti siete? Siamo in tre.
クアンティ シエーテ シアーモ イン トゥレ
何人様ですか?3人です。
Quanto tempo bisogna aspettare?
クアント テンポ ビゾーニャ アスペッターレ
どのくらい待たなければなりませんか?
A che ora possiamo prenotare un tavolo?
ア ケ オーラ ポッシアーモ プレノターレ ウン ターヴォロ
何時なら席を予約できますか?

注文の仕方

レストランでの注文は、原則として専門料理店で食べるフルコースのように順番があります。まずアンティパスト(Antipasto)前菜を注文します。次にプリモ・ピアット(Primo Piatto)一皿目の料理 (パスタ・お米料理・スープ)、そしてセコンド・ピアット(Secondo Piatto)二皿目の料理(メイン料理:お肉やお魚など)とコントルノ(Contorno)付け合わせ (野菜料理やサラダなど)を注文します。最後にデザート(Dessert または Dolce)と、食後のコーヒーなどを注文します。

簡単に済ませたいときは、前菜とメインを注文しコーヒーで締めくくるのが良いでしょう。でもどうしてもパスタが食べたければ量を少し減らしてメイン料理を楽しむようにすると良いでしょう。

È possibile avere mezza porzione?
エ ポッシビレ アヴェーレ メッザ ポルツィオーネ
半皿にしてもらえませんか!
Perchè sono pieno/a.
ペルケー ソーノ ピエーノ(ナ)
お腹が一杯なので
Perchè sono a dieta.
ペルケ ソーノ ア ディエータ
ダイエットをしているので。


ステップ2の答え

1. ヴェネチアのサン・マルコ大聖堂(Basilica di San Marco)、モンレアーレ(Palermo 県)のドゥオーモ(Duomo di Monreale)、ラヴェンナ のサン・ヴィターレ大聖堂(Basilica di San Vitale
2. 人口72万都市のパレルモ(Palermo
3. Venezia,Pisa,Genova,Amalfi
4. イタリアワインは色による分類(rosso,bianco,roseなど)、生産地による分類(ピエモンテ産とかトスカーナ産)の他に、法的な表示上の分類があります。DOCG,DOC,IGT,VdTという四つの分類があります。DOCG(Denominazione di Origine Controllata e Garantita)は、統制保証付原産地呼称ワインの意味で、イタリアのワインの最上位に位置付けられる分類です。
5. グラッパ(grappa) ワインを蒸留させて作るブランデーと違い、ブドウの搾りかす(vinaccia)を発酵させたアルコールを蒸留して作るお酒。無色透明でアルコール度数は38~43度とちょっと高め。北イタリアでは食後酒としてよく飲まれます。
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