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やさしい英文法講座

中日文化センター講師 日本福祉大学講師
中村 一子

Japanese traditional arts or traditional Japanese arts

 皆さん、こんにちは!うだるように暑い、英語で言えばboiling hotな日が続きますね。
私が子供の頃には、気温が体温を超えるような暑さは無かったように思います。夕方、打ち水をしてベンチに座って涼む。そんな風流は楽しめそうにない昨今ですね。
さて、今月取り上げるのは形容詞を並べる順序です。限定用法の形容詞は名詞の前に置きますが、複数の形容詞が名詞を修飾する場合は、どんな順序で形容詞を並べたら良いのでしょうか。例えば、「日本の伝統芸能」と言いたい時、何と言いましょうか。日本語と同じ語順で並べれば、「Japanese traditional arts」ですが、実はネイティヴスピーカーにとって、これは何となくしっくりこない、落ち着かない語順なのです。ネイティヴではない日本人にとってはよく解らない感覚ですから、形容詞を並べる順序の原則は覚えるしかありません。
 ではその原則を紹介しましょう。番号の小さいものから順に並べます。

主観的な判断を表わす形容詞 lovely, cute, beautiful, terrible, nice......
大小big, large, small, little......
round, square, triangle ......
性質、状態rich, traditional, soft ......
新旧、年齢new, old, young ......
white, brown, red ......
地名や国名など固有名詞から派生した形容詞Japanese, American, French ......

 例を挙げましょう。
 日本の伝統芸能 ⇒ traditional Japanese arts
 四角い大きな皿 ⇒ a big square plate

 では、次に挙げる形容詞を2つ以上使って、名詞を修飾してみましょう。できるだけたくさん組み合わせて下さい。

<形容詞>
cute, young, big, tall, nice, Siberian(シベリアの), delicious, little, round(丸い), gray, Brazilian, enthusiastic(熱狂的な), white, Italian, pretty, oily(脂っこい), old, new, small, terrible, brown, beautiful, colorful(色彩に富んだ), faithful(忠実な), rough(ざらざらした), long, warmhearted(心の温かい)American, French

<名詞>
dog, plate, boy, bird, bag, flag, clothes, man, pot, food, fan

さあ、いくつできましたか。
beautiful new Japanese clothes / a cute little brown dog などネイティヴもすっきりの表現ができたらいいですね。
 それでは、会話の中で使われている形容詞の順序を確認しましょう。

<Situation>
David とJuneのカップル。出かけようとしていますが、Juneが何かを探しています。見当たらないものがあるようです。

<Dialog>

June David, didn't you see my bag?
David Your bag?
JuneYeah, the one I bought in Seattle. I don't remember where I put it.
David Hmm... What is it like?
JuneA big round Italian bag.
DavidI think I saw it on the floor in the closet. To the left of the shoes.
JuneOh, found it. Thanks, David.
DavidYou're welcome.
Juneデヴィッド、私のバッグ見なかった?
David君のバッグ?
Juneええ、シアトルで買ったバッグよ。どこに置いたか覚えていないの。
Davidん~、どんなバッグだい?
June大きくて丸いイタリア製のバッグよ。
Davidクロゼットの床の上で見たと思うよ。靴の左側。
Juneあ~あった!有難う、デヴィッド。
Davidいいよ。

いかがでしたか。バッグを説明する形容詞が、「big⇒大小」「round⇒形」「Italian⇒原産国」の順に並んでいますね。
 決して間違ってはいないけれどしっくりこない英語から少しでも抜け出せるといいですね。では、また来月号でお会いしましょう。

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