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中国語講座2

愛知大学名誉教授 中日文化センター中国語講師
陶山 信男

中国語の発音

はじめに

本講座は主として大学で言えば1・2年の外国語選択履修者を対象とするに適応する、1・2年間用の入門・初級中国語教材です。
外国語学習の理念については、多くの説明を要するでしょうが、ただひとつ逆説的に言えば「ことばの移し換え」の技術を学ぶためのものでないことだけははっきりしています。つまり単純な会話習得という実利追求のための学習が、外国語教育の主要テーマではないということです。とくに外国語選択の対象になる未修外国語において、1週1コマや2コマの学習時間では音声中心の直接法の授業が果たしてどれほどの効果が得られようか、という問題があります。
しかしながら、外国語学習の第一義的な手段が音声を主要とするのであるだけに、理論面に偏重する学習方法も当然のことながら問題があると言わざるを得ません。ここに音声、理論両面の教学上の兼ね合いのむずかしさがあるのです。
さて本講座は、従来の圧倒的多数を占める会話教科書、すなわち本文が会話形式を保ち、そしてそれが一つのまとまった文脈を形成する自然言語としての教科書とは内容を異にします。つまりいわゆる会話書は、一つの脈絡を維持し得るという点で、表現上あるいは活き活きしていると言えましょう。しかしながら結果として、その編集は、ほとんど文型とか構文といった枠組みに系統的な考慮が払われ得ないため、文法事項に対する学習者の体系的理解が容易でないという弱点をもっていることも事実です。
しかしまた一方、本講座において、学習の主要方法として用いることになる「文型、構文」等文法を標榜するものは、本文に、一貫した文構成上の脈絡がないため,形式に流れるという欠点もあるものの、中国語における各課の体系と全体の理論的把握を容易にするという特徴もあるのです。とくに日本語を母語とする学習者にとって、漢字・漢語を言語手段とする中国語を理論的に対照化させ理解するのに有利でありましょう。
本講座の編集構成の特徴として、各課本文の例文は、主として問答形式の会話文であり、内容の比較的易しいものが多い。これは中国語の基本文型の習熟をねらいとするためですが、このほか同一文型のおよそ4、5課分の後に、それまでの既習文型を応用した一般会話文の課を設けることになります。
また文型を主眼に置いた本文の構成に見られがちな語彙の不足は、「関連語句」と「文法」の説明に用いられる新出単語等で補うことができると思います。
以上学習者のみなさんが最後まで継続してこの中国語の学習に臨まれることを期待いたします。
著者

用語

※拼音 pīnyīn ピンイン
北京語を標準音とする"普通話"(中国の共通語)のローマ字による表音字母。

※簡体字 jiǎntǐzì チィエンてィツ
従来の漢字をさらに簡略化した文字。'繁体字'に対していう。日本の正字に対する略字ではない。
1965年に中国の正規の文字として認定された。

中国語の発音

1.音節およびその構造

中国語において、一つの漢字が表わすのは一つの音節であり、一つの音節は、通常一つの形態素(音声・意味の最小の結合体)をなす。この意味で中国語は単音節言語と言い得る。
中国語の音節は声母と韻母から成る。音節のはじめの子音が声母で、残りの部分が韻母である。例えばmaについて言えば,mが声母でaが韻母である。
中国語の音節では、母音は欠くことのできない要素である。韻母は一つの母音だけで構成されるものもあり(ba)、二重母音(dai, fei)、三重母音(miao, shuai)等の重母音や,鼻音をともなう母音(hen, ming)で構成されるものもある。もちろん韻母だけで一音節を成すものもある(a, ai, en)。
また音節には一定の声調がかぶさっており、これではじめて形態素として成立する。

2.表音字母名称表

(注)
  1. 片かなは無気音、平がなは息を激しく出す音、すなわち有気音を示す。
    無気音とは、ほとんど気息音を伴わない破裂音:ba(パー)[p][a]
    有気音とは、強い気息音を伴う破裂音:pa(ぱー)[p][h][a]
  2. vは外来語・少数民族語・方言以外使用しない。
3.韻母

韻母は次表のとおり36個ある。

(注)
  1. 韻母の数
    ○単母音:a、o、e、i、u、ü(6個)
    ○重母音:ai、ei、ao、ou、ia、ie、iao、iou、ua、uo、uai、uei、üe(13個)
    ○鼻音をともなう母音:(上表「鼻音韻尾」16個)
    ○儿化母音:er(1個)
  2. i、u、üのそれぞれが一音節をなす場合、yi、wu、yu とつづる。またこれらの母音が音節の頭に来る場合には、それぞれy-、w-、yu-とする。
  3. eの音価:e[ə・ɤ]、eng[ɤ・ʌ]、ei(uei)・en(uen)・ie・üe[e]、er[ə]
  4. ~nと~ngの区別
  5. ianとiangの区別
  6. iou、uei、uenなどの韻母は、前に声母がきて一音節となるときは、なかの母音o、eを省いてつづる。ただし、発音の際に軽く活かされる。
発音の要領
  • a:口を大きく開き、「ア」と発音する。
  • o:口をやや突きだすようにして、「オ」と発音する。
  • e:口を半開きにし、舌の力を抜いて、(オ)と発音する。
  • ê:口を狭く開き、舌に力を入れて、「エ」と発音する。
  • i:口を強く横に引いて、「イ」と発音する。ただし、zi、ci、siの場合は声母の口の形のままで声帯をふるわせて、(ウ)と発音する。
  • u:唇を強く丸めて突きだし、「ウ」と発音する。
  • ü:唇の両端を強く絞るようにして、「ユ」と「イ」を同時に発音する。実際の音節では、n、l、j、q、x、yとだけ結びついて現れる。その際、nおよびlと結びついた場合を除き、üの点を省いて、ju、qu、xu、yu とつづる。
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