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ワンランク上の自分を目指す筆跡改善術

日本筆跡診断士協会認定 筆跡診断士
滝口 弓美子

『同居の母と上手に付き合う方法』

今回は、同居しているお母さんと上手に付き合っていきたいというSさんの筆跡をご紹介します。
では、まず筆跡から性格特徴を見てみましょう。

Sさんは、人の上に立って指示するのが得意なタイプで、自分がマメに動くより、周りの人に引き立てられることが多い状況の中で過ごしていることでしょう。元々おっとりしていて、思いやり深く、優しい方です。気分転換が上手ではないので、心配事があるとあれこれ思い悩んで、引きずってしまうこともあるようです。感情的になりやすいのも、自己嫌悪の原因のひとつかもしれません。

筆跡特徴上、縦線の上部が長いのは、リーダー型で、集団や組織の長に多い筆跡ですが、Sさんもこの特徴を持っています。社会的なリーダーである場合もありますが、小さな単位でいえば、家庭の中で主導権を握っている場合もあります。認知症の実母との同居ということで、自分がこの家の中をしきらなければ...という気持ちや、世間体を気にする面があり、ちゃんとしなければという気持ちが人一倍強いので、Sさんの場合、この部分を少し下げるように書いて、周りとの協調を図るようにしてみるのがいいと思います。認知症の行動は周りの人を混乱させるので、家族の生活のペースが乱れて、イライラしがち。知らず知らずのうちに、仕切り屋のSさんの性格がお母さんのプライドを傷つけてしまっているかもしれません。頭でっかちに考えるより、行動するようにするには、縦長の字をもう少し横広型に書くことをおすすめします。

自分のお母さんとの同居ということで、立場上、ご主人などにも気を遣って、ストレスを感じているようです。あれこれ思い悩み、それを引きずって、深みにはまってしまうのは、筆跡診断上、右払いが長いせいです。右払いが長いのは、物事に熱心に飽きることなく取り組むという点では長所ですが、見方を変えると、諦めが悪いという短所になってしまいます。気持ちの切り替えを早くしたいなら、ここを今よりも短く、左払いと同じ程度に短くする練習をするといいでしょう。

まずは、『私がなんとかしなきゃ』という気負いを捨てて、気持ちの切り替えができるようになるといいですね。


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