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暮らしに役立つ筆跡診断

日本筆跡診断士協会認定 筆跡診断士
滝口 弓美子

『続け字かどうかでわかる、あなたのドライorウエット度』

今回は、続け字であるかどうかで情の厚さを測ります。

続け字もしくは繋げ字、崩し字とは、文字の画と画を線で結んでいる字のことです。わかりやすくいうと活字のようにきっちり一画、一画が独立している文字を楷書というのに対して、行書や草書がそれにあたります。この画と画を結んでいる線を『連綿線』と呼び、続け字型は筆跡診断では『連綿型』、対する楷書型を『非連綿型』といいます。


【人情に厚いウエット派...連綿型】

続け字を書くには、一画書いたらそこで終わりではなく、次の画に向かって気持ちがつながっていなければなりませんし、その線がちゃんと軌跡として残っていなければなりません。そういう字を書く人は義理堅く、人と人とのつながりを大切にする人情派。他人のことをほってはおけないお世話焼き、昔気質のアナログ型人間ともいえるでしょう。
続け字を流暢に書くには、腕や手の鍛錬が必要であり、なんといっても書く際の心のゆとりや息遣いが関係してきます。ですから、続け字は字を習ってまもない小学生にはほとんど現れず、精神的に余裕が伺える"オトナ"に表れる特徴と言えるでしょう。年代別にみると、60代以上では普通ですが、40代になるとその率もぐんと減り、10代、20代ではほとんど見られません。これは、人と人とのつながりが希薄になっている世相と関係しているように思えます。
連綿型の中でも地の線よりも薄い連綿線を書く人は、細連綿型といって、神経の細やかなデリケートなタイプです。
また、連綿線が有刺鉄線のトゲのように出ている場合は、収筆ひっかけ型といって、神経が細やかというのを通り越して、神経質な面が強調されます。


【さっぱり割り切り型の非連綿型】

一画一画がどれも同じような力加減で、活字のような字を書く人は、クールでドライな印象を与えます。40代以下では、多くの人に見られ、会社や近所付き合いなどでは、なるべく深入りしたくないと考えるタイプです。
思いやりや情緒に欠けるわけではありませんが、感情表現が単一的なうえ、感情移入がしにくいので、相手に伝わりづらいようです。

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