文化講座
脳の働きを理解しよう
脳は意識、情動や創意を持つ働きがあり、その機能が衰えると認知症となります。
ブッダは人間の意識、無意識は
五蘊
と言う受、想、行、色、識からなるとしました。
意識、無意識は五蘊をぐるぐると回って燃える火のようなのだと修行・瞑想によって悟ったのです。
脳科学の進歩によって、大脳辺縁系(limbic system,海馬や扁桃体などがある)に「受」があり、「想」、「行」、「色」、「識」は大脳にあることが判って来ました。
「受」は感情、情動などの感覚を感受するのです。
「想」は理性的な働きをする部位、「行」は無意識から意識に上がって行く全て(意志、欲求)、「色」は感覚で姿あるものを、「識」は知性、理性的な認識、判断する働きをするのです。
最初に外からの情報を「嗅覚」が受けて辺縁体の海馬に伝わります。
その情報は辺縁系サイクルで受を含めて回り、大脳の想、行、色、識を周回しますが、このレベルではまだ、無意識なのです。
辺縁系サイクルで大域的アトラクターと呼ばれるが、0.5秒で無意識レベルの情報を得るのです。
更に、0.1秒で回転して無意識レベルの情報がリニューアルされます。
その遷移するつなぎ目で一瞬、脳全体が静まったような状況で意識が生まれることになるのです。
つまり、大脳辺縁系と大脳のサイクルによって無意識、意識が循環して変わることになります。
この循環は化学物質のグルタメートが海馬からの回路を回すのです。
しかし、グルタメートには毒作用もありますから、回し過ぎて働き続けると損傷を受けて障害を受けることになります。
時々、脳を休ませることが必要なのです。
休ませることを脱学習(アンラーニング)と呼びますが、瞑想やマインドフルネスが脱学習状態となります。
瞑想やマインドフルネスは脳を休ませて認知症予防になるのです。