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インターネット公開文化講座

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「天命起臥之道」に生きる

Dr.BEAUT・ソフィーリッチ代表
医学博士 山中 直樹

「新考える葦・New-Thinking Reed」となろう-15 教育・・その1

 世界の15歳を対象にした国際的な学習到達度調査(PISA)の結果を経済協力開発機構(OECD)がこの12月3日に発表しました。
 我が国は2012年に4位だった「読解力」は15位になり、低下を続けています。
 AI・人工知能時代に忌々しいことです。
 AIの能力が2045~2055年ごろには「シンギュラリティ・技術的特異点」となり人類を超える予想です。
 人類の意識レベルは別にして、知能レベルはAIが人類を超える可能性が高いのです。
 意識レベル量子コンピューターが発達すると知能レベルと同じように人類のレベルとは負けず劣らずのレベルになる可能性があると私は思っています。
 なぜならば最近発表されたグーグルの量子コンピューターでも既に現在のコンピューター(PC)で一万年かかるようなことでも3分20秒で可能な能力を持っているからです。
 人間の直感力、情緒や想像力・創造力なども量子PCの発達によって可能になると思えてなりません。

 何故かと考えてみましょう。
 現在のPCは[0又は1]の組み合わせによってデジタルな計算力、アルゴリズムは行われています。
 一方の、量子PCは[0,1に加えて0&1]、[0]でも[1]でもない状況、つまり[あいまい]アナログの世界があります。
 デジタルのようにある量またはデータを有限桁の数字列・例えば2進数として表現するのではなく、ある量またはデータを連続的に変化しうる物理量(電圧・電流など)で表現することが入って来るからです(広辞苑)。
 量子PCでは従来のPCでは出来ないようなモノやコトを割り切って考えないレベルが関係してくるからです。
 人間の感情、情緒、直観力デジタルでは説明できないような「あいまい」が関係していると考えられます。
 私は、日本の文化的な特長「もののあわれ、うつろい、ひなび」「みやび」であり「あいまいに感じられる美しさ」があると思いますが、まさに、アナログ的であるのです。
 量子PCによってアナログ表現が可能になれば、人類の知能レベルだけでなく、意識レベルも可能になるでしょう。

 人類は、AIとの協働が現在とは異なったレベルや世界が開かれると思います。
 そうした時代の「考える葦」の教育を「考え」なければなりません。
 トランステック(Transformative Technology)と呼ぶ情報通信技術(ICT)は、AIと脳や心理、精神などとを組み合わせる技術が発展すると予想されます。
 人類はAIや大量の情報を解読して疑問を持ち、重要なもの、必要なものを選び出して自分の考えや判断をする必要があります。
 一人ひとりの「読解力」はキーとなります。

「天命起臥之道」に生きる
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