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インターネット公開文化講座

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「天命起臥之道」に生きる

Dr.BEAUT・ソフィーリッチ代表
医学博士 山中 直樹

今に生きる!自分を失わない!-2

 現代はICT(インターネット交流技術)とAI(人工知能)によって日々の日常生活が変わっている時代となっています。
 IoT(全てがインターネットでつながる)とAIロボットによって、人間に代わって多くのことがなされようとしているのです。
 原始仏教を伝える「ブッダのことば-スッタニパータ」中村元訳、岩波文庫)にはブッダの言葉や教えが残されており、再び重要になっています。
 IoTやAIによって、人間が自分で考えて行ってきたことの多くが取って代わられようとしている時代に一人ひとりの生活にとって大切な言葉が記されていると思います。
 一人ひとりの生き方追求を基本としたブッダは後の人達がブッダを始祖とした「仏教」のような宗教を起こすことは考えていませんでした。
 次のような考えを基本にしています。
 ・自分で考え、自由に考える。
 ・良くするのも悪くするのも自分の選択次第で変わる。
 ・自らに責任を持つのは他人のせいにすることなく自分自身なのだ。
 ドイツの哲学者ニーチェが東洋思想を学び「ツァラトゥストラはかく語りき」で言っていることの基本的な考えとなっています。
 ブッダは「今、現世」の生き方を説いており、「過去」や「来世」については語っていません
 自分は将来的に絶対的な“神のような宗教”の祖となることは考えておらず、「今、現世」の自分の考えや精進の仕方を説き、他の人達に強制しようとはしていません。
 一人ひとりが如何に「今、現世」を生きるかを考える方法・学び方・修行法を説いたのです。
 今日の仏教、キリスト教、イスラム教などは絶対的な「神」の基に「信じる宗教」「信じさせる宗教」となっているのが現実です。
 ブッダが基本としたような一人ひとりが自分自身で考え、勉強して実践する生き方がAI、IoT時代の「今に生きる」ために求められているのです。
 そうでなければAIIoTが既存の宗教のような「教祖」的な「神」になって、一人ひとりが同調圧力によって自由に考え行動することが出来なくなります。
 「人のせい!」に加えて「IoT、AIのせい!」が加わってしまうのです。
 ブッダが語った言葉や生き方が、まさに「今に生きる!自分を失わない!」ために必要なのです。

「天命起臥之道」に生きる
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