愛知県共済

インターネット公開文化講座

文化講座

インターネット公開文化講座

Dr.ビュート流の健康ライフ ー自分流のライフベネフィットー

Dr.BEAUT・ソフィーリッチ代表
医学博士 山中 直樹

Dr.ビュート流もう一つの栄養情報・・3

死亡率は低コレステロールで高い―2

 今回から日本人を対象にしたコレステロールの高低と死亡率の増減についてのN.Nagoら自治医大グループによる疫学的なコホート調査研究の結果を紹介します(N.Nago, et al.,Low Cholesterol is Associated With Mortality From Stroke,Heart Disease,and Cancer : The Jichi Medical School Cohort Study,J.Epidemiol.,21,67-74,2011).
 コホート(Cohort)調査研究といわれる年齢、職業などの属性を揃えるようにした集団で疫学的な検討を行った結果です。
 疫学的な研究法としては、前向き無作為調査研究(Prospective Randomized Study)に続き恣意性が少ない方法なのです。
 つまり、サプリメントのxxを飲んだら効いた人が居るといったような情報では信頼や信用をすることは出来ないのですが、今回の自治医大の研究は12,334人の40~69才の健康な人達を対象にしたコホート研究ですから、従来のコレステロールの高低による死亡率に与える影響についての結果の論文よりは信頼性が高いと言えるのです。
 論文では、日本の三大死因である脳卒中、心臓病、ガンに対するコレステロール値と死亡率の増減のみならず、全ての病気を含めた死亡の危険がコレステロール値によって増すか減るかの調査研究も行われています。
 また、従来、コレステロール値が低いと死亡率が高くなるとする結果に対して、コレステロールは高い方が危険とするグループの人達から指摘されてきた弱点を除いた調査が行われています。
 つまり、低コレステロールの人達には、既に、ガン、心臓病、脳卒中のある人が含まれているからだと攻撃されていたのです。
 また、肝臓病があるために、コレステロールを体内で合成することが出来ないからだとしてきました。
 既に、上述したような病気があるから、結果として低コレステロールが危険だとの結果に過ぎないといわれてきたのです。
 しかし、今回の結果は、そうした問題点を除いたコレステロールの高低と死亡の危険性が明らかになる研究結果情報なのです。
 コレステロール値の高低と死亡率との関係では、男女間で異なった傾向と特徴があることに注目、忘れてはなりません。

Dr.ビュート流の健康ライフ ー自分流のライフベネフィットー
このページの一番上へ