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Dr.ビュート流の健康ライフ ー自分流のライフベネフィットー

Dr.BEAUT・ソフィーリッチ代表
医学博士 山中 直樹

Dr.ビュート流もう一つの栄養情報・・14

AGEとRAGE( AGEの受容体)と結合して酸化ストレスを誘発する

 前回、老化物質AGE(終末糖化産物、Advanced Glycation End Products)が老化の原因のキーとなることを説明しました。
 今回は、AGEが産生されると何故に老化が進行するかを取り上げます。
 AGEが動脈血管、筋肉、脳や神経、骨など体内の全ての細胞に存在する受容体たるRAGE(Receptor for AGE)と結合することが重要となります。
 つまり、細胞膜にあるRAGEにAGEが結合することによって、その細胞や周囲を攻撃するようになり、生体、身体内で生命現象の機能を害するような変化を引き起こすようになります。
 AGEが細胞膜にある受容体のRAGEに張り付いて結合すると細胞内でNADPH酸化酵素の酸化反応を誘発し、活性酸素を発生して酸化ストレスを引き起こすのです。
 誘発された酸化ストレスによって、細胞が破壊されたり、血管の平滑筋細胞のように異常な増殖を誘発したりするようになります。
 動脈硬化を誘発、進行させることになったり、アルツハイマー病・レビー小体病、神経のシビレ、骨粗鬆症や白内障などの進行に関わっているのです。
 動脈硬化の発症、進行について、もう少し、検討してみます。
 AGEが血管内皮細胞のRAGEと結合して内皮細胞を破壊したりして、血管内に侵入します。
 血管内に浸入したAGEはコラーゲンのRAGEと結合したり、LDLコレステロールの内の酸化LDLコレステロールやsvLDL(小超低LDL)を血管内に侵入させます。
 そこへ、食細胞のマクロファージが侵入して先述したLDLコレステロールを食べますが、マクロファージは食べた"LDL"コレステロールを分解消化することが出来ないために蓄積され、食べ過ぎて泡沫細胞になって死んでしまいます。
 死んだ泡沫細胞が集まって粥状になった状態がプラークと呼ばれる状況です。
 そのプラークが破れるようになり、その破れをふさぐために血小板が結合して血栓を作って補修しようとします。
 血栓が血管から離れて、心臓や脳の血管に飛んでふさいで詰まった場合に梗塞(心筋梗塞、脳梗塞など)が発症します。
 一方で、AGEが血管内のコラーゲンのRAGEに結合すると血管の平滑筋細胞の増殖を異常に促進するようになります。
 その結果、血管が肥厚して弾力性を失い硬くなります。
 AGEが動脈血管の動脈硬化を誘発、発展させる理由です。
 それ故に、AGEの産生量は、血糖値×高血糖の持続時間や血糖の上下格差が誘発しますから、低グリセミックインデックス(低GI)食材や料理を食べることがいかに重要かが判ります。

Dr.ビュート流の健康ライフ ー自分流のライフベネフィットー
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