文化講座
健康寿命&平和寿命を延ばそう・・1
Dr.ビュート流低炭水化物・高~中脂肪・高蛋白質ダイエット―3
「健康寿命&平和寿命」は各人各様です。
"健康によい!"との"情報"に他力本願的、マニュアル的な考えや行動では良し悪しの判断を誤ってしまいます。
心血管病予防になると常識的な食事指導のキーとなっているような事実が覆されることは少なくありません。
前回取り上げたように、「動物性脂肪を植物性脂肪と交換すると心血管病も含めて死亡の危険が増す」との論文が出ました(CE Ramsden et al, Use of dietary linoleic acid for secondary prevention of coronary heart disease and death: evalution of recovered
data from the Sydney Diet Heart Study and updated meta-analysis, BMJ,346:e8707,
2013)。
「動物性飽和脂肪酸からなる動物性脂肪、通常のマーガリン、料理油のショートニング、サラダドレッシング、焼き物などの食材、食品をΩ3脂肪酸摂取量を変えることなく、Ω6脂肪酸を多く含んでおり、Ω6脂肪酸を選択的に増加させるベニバナ油やベニバナ由来のマーガリンに切り替えて、普通食スタイルのグループとランダム化比較試験が再検討されたのです。
私の近著「Dr. ビュート流健康寿命&平和寿命を延ばすガイド本」(アマゾン通販で入手可)でも取り上げています。
その結果は次のようにまとめられます。
全ての死亡原因を含めた死亡は、1.62倍、心血管病死亡は1.70倍、冠動脈疾患死亡は1.74倍と全てが増加したのです。
つまり、「動物性飽和脂肪酸を減らして、Ω6脂肪酸を多く含む植物性脂肪酸の摂取を増すことは冠動脈疾患、心血管病を含む全死亡の危険が増す」となるのです。
「動物性脂肪は"悪玉"、Ω6脂肪酸が多い植物性脂肪は"善玉"」とは言えないのです。
以上のように、まだまだ如何なる食生活や生活スタイルが「健康」にとって「良いか」はハッキリしないのです。
"常識的な健康に良い"の逆転が頻発しているのです。
我が国では多くの人々がΩ6脂肪酸の摂取が過剰状態にあります。
私の近著「Dr.ビュート流健康寿命&平和寿命を延ばすガイド本」では如何様に各人が自分流のライフベネフィットを見つけるかをガイドしています。