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ぐっすり眠れる快眠法のすべて

一般社団法人 日本快眠協会 理事長
日本心身医学会学会員/睡眠学会学会員
今枝 昌子

自律神経を整えるために大切なこの時 3月

3月に入り、
ほっこりと暖かくなってまいりました。
梅も満開で、香りが春を告げていますね。

・・ですが、
まだまだ寒い日もあり、なかなか厚手のコートも手放せなったり致します。

こうして、緩くなったり寒くなったりを繰り返して
少しずつ、春を迎えるのでしょうね。

この時期に車を運転していると、
畑のあぜ道などで、つくしを取る姿を見ることがあります。

私自身も、この気もちの良い時期が大好きで、『春見つけ』と称して、子どもたちと一緒に田舎のほうへ、お弁当持参で山菜を摘みに出かけます。

のんびりとした時間を過ごすことが、意識しないとなかなか出来なくなってきていると感じる世の中ですが、つくしを摂る姿を見て、『あぁ、春だな~』と、季節を感じる方も多いのではないでしょうか。


さて、春は芽吹きの季節ですが、
ご存知の通り、朝夕などの気温差も激しく体調も崩しやすいこの時期です。

そして、体調だけでなく、
こころの状態も不安定になりがちです。

雨が降ると、なんだか憂鬱・・
寒いと外に出たくない・・人に会いたくない、会社に行きたくないなど

そんな風に感じたことは無いですか?

1年のうち、
6月が最もうつ病の発症(病院へ行き診断されること)が多いと言われますが、実はこの春頃の時期から徐々に感じて蓄積していくケースも多いそうです。

そのために、
この時期は実は大変重要な時期といえます。
この時期に自律神経の働きを意識しながら生活をされることは、大切な自分を守ることへと繋がると感じています。

普段から、自律神経を整えること意識していますか?

きっと、健康と感じていらっしゃる方は『いいえ』と仰られるかもしれませんね。
ですが、健康と感じている今から準備しておくことが
本当に大切なのです。


1.自律神経とは?

自律神経については、前にもお伝えいたしましたが、
大きくふたつに分かれています。

(1)交感神経・・活動的なとき発揮される神経 興奮状態・ストレス・緊張時
(2)副交感神経・・休息している状態の時に優位になる神経 リラックス時

この交感神経と副交感神経のバランスが良い状態が、元気な身体とこころの状態を作ります。
お昼間は、しっかり仕事に集中できる・・活動的に行動できること、夜はぐっすり眠れること。
この様な状態がバランスの取れている状態です。

交感神経と副交感神経は、体の器官に対しても働きます。
同じ器官が、正反対のはたらきをしながら、体の機能を調節しています。


<交感神経と副交感神経の働き>

器官 交感神経 副交感神経
瞳孔 大きくなる 小さくなる
唾液腺 量が少なく濃くなる 量が多く、薄くなる
気管 広げる 狭める
心臓 拍動が速くなる 拍動が遅くなる
血圧 高くなる 低くなる
胃腸 活動を抑える 活動が進む
消化管 消化液の分泌を抑える 消化液の分泌を高める
膀胱 開く(排尿を抑える) 収縮(排尿する)
汗腺 汗が濃くなる 汗が薄くなる
子宮 ちぢむ 広がる
白血球数 増加する 減少する
呼吸運動 促進する 抑制する

血管のはたらきも、このように正反対になっています。

怒っているとき、興奮しているときには、・・
・交感神経・・・血管が収縮します

リラックスしているときには・・
・副交感神経・・・血管が拡張します

つまり、
交感神経が優位になると、様々な弊害が身体に出てくることがあります。
・血流が悪くなり、酸素、栄養物が行き届かなくなる
・リンパの流れが悪くなり、老廃物が溜まりやすくなる
という悪循環におちいります。

もちろん、交感神経を優位にさせなければならない事もあります。
例えば、仕事中や勉強中などは、交感神経が優位になっていなければ集中力が低下し、良い仕事ができません。
ですが、この交感神経を優位にさせるためにも、副交感神経も優位にさせ、バランスを取ることが大切です。
では、この副交感神経を優位にさせるためには、どのようにしたら良いのでしょうか。

2.副交感神経を優位にさせるには?

私のサロンでは、リフレクソロジーやアロマテラピーを施術しておりますが
その施術を受けると、眠くなる方が多いのですが、
このように身体が緩むと、眠たくなります。
これは、副交感神経が優位になるためにおこる現象です。

さて、ではこのバランスをとるにはどの様にしたらいいのでしょうか。

3.自律神経のバランスをとるには?

自律神経のバランスをとる方法は沢山ありますが、その中でも、簡単に出来る方法をおつたえしたいと思います。

1)日常的に気をつけて戴きたい事

(1)ゆっくりと息を吐くこと
(2)ゆっくり食事を摂る事
(3)自分のための時間を取ること

この3つです。
今日から出来そうですね。

ついつい、急いでしまっていませんか?
特にお一人で暮らしている方などは、
食事をつい簡単に済ませてしまっていませんか?
急がなくてはならない状況のときだからこそ、ゆっくりとした呼吸で一旦リセットし直すことも返って効率がはかどることもあるのではないでしょうか。

2)環境について

次に、環境ですが
五感に響くものを、調整することも重要です。

例えば、

光り・・
電球ですが、オフィスなどの電気は仕事用でかなり明るくなっています。
自宅では、寝室だけは蛍光灯ではなく、間接照明などにしたり、目に光が当たらないよう注意しましょう。

香り・・
寝室では、特にゆったりできる好きな香りにされると良いでしょう。御香なども今はいろんな種類がでていますし、アロマを利用してリラックスに導くことも挑戦してみると良いでしょう。
その際にも、好きな香りから選らんでみると良いと思います。
リラックスのお勧めとしては
ラベンダーやオレンジ、サンダルウッド、カモミール、などで試してみてください。

音楽・・
今はCDショップで様々な音楽が視聴できますが、好きな音楽といってもロックでは副交感神経が優位になりにくいですね
。 ゆったりとしたテンポの癒し系の音楽がお勧めです。歌詞の無い、意味を考えなくてもいいもの。軽めのクラシック、川や波音、雨音、虫や鳥の音もお勧めです。

次は、身体作りです。

4.リラックス実践法

自律神経を優位にするためには、筋肉を緩めることが良いと先述いたしましたが、毎日の生活の中で、しっかりと筋肉をゆるめるためには

1)呼吸法

自律神経失調症という病気がありますが、この場合は特に副交感神経の働きが弱くなってしまう傾向があると言われています。
そのための訓練法で最も効果的なのが「呼吸法」です。
通常、自律神経の働きを自由に高めることはできません。
意図的に胃の収縮を高めたり、心臓の鼓動を遅くしたりは出来ません。
ですが、唯一「意識的に」コントロールできる自律神経があります。
それは「呼吸」です。呼吸だけは、速くしたり、逆にゆっくりとさせることが可能です。

正しい呼吸法を身に付けると、副交感神経の働きを正常にし、交換神経とのバランスを整えることが出来ます。

正しい呼吸法とは、吸う長さと吐く長さを1:3にします。
吐くことを意識しながらゆっくり吐ききります。



気づき・・
是非、ご自身の身体に敏感になっていてください。
自身の身体は自身で守るしかないのです。

今回も最後までお読み戴きまして本当にありがとうございました。

皆様が ぐっすり眠れますように・・。

心から願っております。


快眠セラピープラスドゥース代表  スリープケアマスター
栄中日文化センター講師
心療内科講師
ナードアロマアドバイザー
リフレクソロジスト
日本心身医学会学会員
ホームページアドレス  http://www.yoi-nemuri.com(よいねむりどっとこむ)


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