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アロマテラピー(芳香療法)基本のレシピ

一般社団法人アロマハンドトリートメント協会代表理事
木之下 恵美 Megumi kinoshita

アロマテラピーができること(前半)

2011年3月11日に起きた東日本大震災のニュースは、各地各国へ渡り、大きな衝撃とやりきれない気持ちを誰もが持ったことと思います。名古屋からは少し距離のある東日本全域の震災ですが、あまりにも大きなこの衝撃は、市民生活や社会活動にも大きな影響があり、もどかしい思いとともに、ここ名古屋にあります。
1995年1月17日火曜日午前五時過ぎに起きた阪神淡路大震災から16年が過ぎ、今ここに再びの試練がくるとは。ある日突然起こる全て嘘のような事実を、誰が定かに受け入れることができるのでしょう。
個人的な受け取り方ではありますが、1995年のあの震災は、わたしにとってこころの杭のようなもので、それがアロマテラピーを学び仕事をしていく日々の杖ともなっていたような気がします。目に見えないけれど、ひとにとって必要なこころの緩みや、時に生きていることに対する実感や、身体の健康を取り戻すための道具として、もっとその効能が知られてもよいと感じ考えながら過ごしてきました。

今号と次号では、その思いの中で作り上げたものの一部を書かせていただきたいと思います。


大切な精油
精油(エッセンシャルオイル)には多くの種類があります。また精取方法も本質的なものとそうでないものがあります。ここでは、本質的な精油(エッセンシャルなエッセンシャルオイルといっているようでおかしいかもしれませんね)であることを前提として植物名を挙げ使用方法を書かせていただきます。

本当の植物油
経皮吸収によって多くの滋養とともに植物のもつエネルギーのようなものの恩恵さえも与えてくれる植物油は、低温で圧搾された石油系溶剤などでいらない処理がされていないものが必要です。今は巧妙にこれらを行われているものも多くあります。これは一般には手に入りにくく、見た目にもわかりにくいものですが、本物を使用することによって、その感触がわかってくると感じます。本当の植物油であることを前提として書かせていただきます。

それ以外の基材
精油を用いるときに使用するそれ以外の材料すべて、こちらも本当であることを前提とさせていただきます。

知る権利と考える権利と選ぶ権利において、わたしたちはわたしたちにふさわしい衣食住を選びたいと思います。ましてや自分自身や身近な家族の命と向かい合わなければならないような時には、なおさら遠慮なくそうすべきだと思っています。

わたしは、大切な人生のクライマックスや人生の大切な岐路や試練のある時こそ、自信をもって遠慮なく知りたければ知り、知りたくなければ知らず、考えたければ考える材料を得、選びたければ選ぶための余裕をもちたいと思います。


ティ-トリー(学名:Melaleuca alternifolia 科名:フトモモ科 抽出部位:葉)

 ティートリーをひとことでいうならば、精油の中でも精油らしからぬ精油でしょうか。あらゆる場面で大きな仕事をしてくれるティートリー精油は、第一に選択したい家庭の常備薬です。
 うがいをするためにコップ一杯の水に1滴から数滴ほどおとして使用したり、止血のために傷口に塗布したり、口腔内の問題に直接使用したり、虫刺されや感染症に使用したり。
 製品ではなく素材ですから、レトルトカレー的発想ではなく、一本のだいこんか一玉のキャベツと思って使用しなければなりません。これは精油全体に言えることかもしれませんが。しかし、ティートリーは、ほかのどの精油よりも多くの素材力を持った精油であろうと思います。

ペパーミント(学名:Mentha piperita 科名:シソ科 抽出部位:葉)

 葉から抽出した本当のペパーミントも、けっこうな素材力の持ち主です。
 地震酔いなどといわれる自律神経の不安定な状態を、すーっと呼吸から楽にしてくれる力をもちますので、吸入をするためにハンカチや布きれなどに一滴落として香りを吸入します。これは頭痛にもよい方法です。
 また、オリーブオイル30mlに6滴のペパーミントを落として、ふくらはぎや膝の裏、首や肩に塗れば、血流が改善され、むくみなどの不調を軽減してくれます。

ラベンダー(学名:Lavandula angustifolia 科名:シソ科 抽出部位:花)

 できれば花のみから抽出された正真正銘のラベンダー花の精油を使用します。そのほうがエステルと呼ばれる成分のグループにあたる有効性を多く含み、幸福感をもたらす効果が発揮されやすいからです。
 ラベンダーもまた多くの使用方法が考えられる精油ですが、香りを嗅いだり、入浴時に数滴たらして浸かることによって、体内時計のリセットとこころのリセットをしてくれる精油として有用性があります。心を軽くしたり、眠くても眠られないような時に眠りやすくしたり、赤ちゃんから高齢者まで使いやすい精油です。

ローズオットー(学名:Rosa damascena 科名:バラ科 抽出部位:花)

 ダマスクローズから水蒸気蒸留されて精取された精油をローズオットーと呼びます。1滴(約0.05ml)の香りの深みは、大輪の八重のダマスクローズが咲こうとする早朝、ひとつひとつ摘み取られた60もの花からできています。ローズオットーは非常に高価で、一般的な精油の20倍以上する価格はその希少性ゆえ仕方のないことかと思われます。
 その香りのひとしずくの持つ力は偉大なもので、深い悲しみと落胆に引き裂かれる心を癒すほどのものです。
 バラのようなイメージで作られた香料や芳香剤とはまったく異なり、ローズオットーの香りは複雑な自然の深淵を感じさせます。また、この甘く深い香りは 、解毒作用と殺菌作用に非常に優れた成分を含みます。
 ミツロウ2gにホホバオイル15ml、ローズオットー20滴で作る練香水は、心の痛みを癒す本格的な練り香水となります。

4月号へつづく・・・


環境省認可法人(社)日本アロマ環境協会インストラクター
初穂香房主宰
Lavozouアロマテラピー講師
栄中日文化センター講師
1995年よりアロマテラピー講師として活動
ホームページアドレス  http://www.lavozou.com/index.html


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