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12種類の精油・期待される香りの効能と使い方

一般社団法人アロマハンドトリートメント協会代表理事
木之下 恵美 Megumi kinoshita

サイプレス ~ キプロス島の伝説の樹

  

地中海に浮かぶキプロス島は、歴史の深みの中で翻弄されてきたギリシア神話にもでてくる島です。ギリシア神話のゼウスをはじめとした12神が集うオリンポス山をもつキプロス島は、ギリシア神話に登場する美青年が、神によって姿を変えられたキプロス=サイプレスの樹からその名がつけられました。
深みを持ちながらも澄んだその香りは、悲しみや嘆きを取り除き、イライラや怒りを和らげるといわれます。身体への作用は、血管やリンパに対する効果が高く、その働きを静脈瘤や発汗過多、水分の過度の喪失からくる衰えはじめた肌への効果などが期待されます。
静脈瘤改善のためのマッサージオイルや、発汗過多のためのアロマグッズづくりに使用したい精油です。

  

サイプレス(イタリアイトスギ) Cypress
学 名 
科名
抽出部位
抽出方法 
主要な産地
主要成分
Cupressus sempervirens
ヒノキ科
葉と果実
水蒸気蒸留法
フランス、モロッコ、ドイツ、スペイン、イタリア、インド
α‐ピネン  δ-3カレン  カディネン

円錐形のしっかりとした針葉樹で、ヒノキ科独特の澄んだ深い中にややスパイシーで凛とした香りをもっています。エジプト人はこの木で棺をつくりましたし、フェニキア人やクレタ人はこれで船をつくりました。その腐敗しにくい特性を利用したと思われます。キリストの十字架はこの木でつくられたとも言われています。現代では男性らしい香水をつくるときに用いられることも多い香りです。
その精油の精神的な作用は、リラックス効果とともに怒りやイライラをやわらげて、こころを閉ざす障害物を取り除くといわれます。
サイプレスの特徴をあらわすひとつの言葉に「過剰をとりのぞく」があります。血液やリンパなど循環器系の諸問題にそれらが当てはまります。たとえば、静脈瘤には、オリーブオイルやカレンデュラオイルにサイプレスとジュニパー、ラベンダーとローズマリーなどをあわせてマッサージオイルとしてもよいでしょう。この場合は濃度に気を配り、エフルラージュ(やさしく触れるように塗布するマッサージ)のみで強くこすり過ぎないようにします。発汗過多の場合は、パウダーやスプレーなどをつくって使用します。

今回は、発汗過多の時に使いたい香水の作り方をお話しましょう。

サイプレスの制汗オーデコロン

【材 料】
無水エタノール 10mL
ウォッカ(40度) 10mL
香水ビンやアロマテラピー用
のスプレー遮光ビン(20mL)
1本
サイプレス(Cupressus sempervirens)   7滴
ラベンダー(Lavandula angusutifolia) 7滴
ペパーミント(Mentha piperita) 3滴
プチグレン(Citrus aurantium) 3滴
【作り方】
1.香水ビンかスプレー遮光ビンに無水エタノール10mLとウォッカ10mLを
入れます。
2.(1)にサイプレスとラベンダー、ペパーミントとプチグレンの精油を入れてフタを
します。
3.(2)を軽くふって数時間以上置いておきます。2~3日すると香りが落ち着いてきます。

アルコール濃度が高く防腐効果た高いので直射日光や高温化にさらさなければ長持ちします。数ヶ月~6ヶ月以内には使い切りましょう。

【使い方】
お風呂上りやお出かけ前はもちろん、いつでも持ち歩いてつけてください。


環境省認可法人(社)日本アロマ環境協会インストラクター
初穂香房主宰
Lavozouアロマテラピー講師
栄中日文化センター講師
1995年よりアロマテラピー講師として活動
ホームページアドレス  http://www.lavozou.com/index.html


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