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インターネット公開文化講座

文化講座

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12種類の精油・期待される香りの効能と使い方

一般社団法人アロマハンドトリートメント協会代表理事
木之下 恵美 Megumi kinoshita

水と火と土の精油 クラリセージ

  

11世紀、ドイツのビンゲン村のそのシスターは、鍛錬された知識と類稀なる知恵で多くの人々に植物の恵みを与えました。彼女が人々の健康のために調合した赤ワインと36種のハーブを漬け込んだ薬草酒は、ヒルデガルド・フォン・ビンゲンと呼ばれています。ビンゲン村のシスターヒルデガルドが調合したその薬草酒には、彼女が薬草園で栽培したクラリセージが入っていました。ヒルデガルドは古代ギリシア語の医学書にもよく学び、クラリセージが女性特有の病気の治療薬であることを知っていたようです。

  

クラリセージ
英語名 
学 名 
科 名 
産地の一例 
抽出方法 
抽出部位 
成分の一例 

Clary sage
Salvia sclarea
シソ科
フランス、モロッコ、イタリア、ブルガリア、
ロシア、ニュージーランド
水蒸気蒸留法
花と葉
酢酸リナリル、リナロール、スクラレオール(特徴成分) ノート  ミドルノート

憂うつな気持ちを追い払い、気分を明るく高め不安を和らげるといわれるクラリセージは、深く広がる堅果のような香りをもちます。鎮静効果が非常に高くリラックスを誘う作用に優れるため、集中力を要する仕事や自動車の運転の前は、高濃度のマッサージオイルや吸入は避けます。また、ストレス対処約として過度な神経疲労が原因のうつ症状に効果的です。これは、グレープフルーツやローズ、ジャスミンと同じように脳の視床に作用します。
幸福感を与え、気分を明るく高め不安を和らげる働きがあります。強い緩和作用により生理痛や筋肉痛を鎮めてくれます。また生殖器系に対するホルモンのバランスをとる働きで、少量月経を正常化したり、月経前の不快な症状を和らげたり、更年期障害を緩和するなど、さまざまな生殖器系の不調に用いられます。また免疫系を高めるともいわれ病後の回復期にも用いられます。
香りのエレメント(元素)から、クラリセージを見ると地、水、火の元素に同等に属します。トップノートに土の特徴であるかどこか古めかしい土と木の匂いをはらみミドルノートに水の特徴である甘く温かな催淫剤のようなノートを持ちます。ベースノートには火の特徴としてスパイシーな香りをたたえます。
季節でいうと、乾燥した土臭い夏の終わり土の頽廃期のような香りを感じさせます。

土の元素は精神の安定、火の元素は精神の高揚、水には調整作用があります。
これを感情や精神、情緒に対する効果として考えると感情的高揚をもたらすことにより、軽薄な感情や感情的態度を速やかに排除する助けにもなります。まとまりのない思考や放心状態と非現実的な考えを統合し、本来あるべき基盤を与えてくれます。
また無関心や精神的な落ち込みを軽減するためにも働きます。

クラリセージは肉体・感情・インスピレーションに調和をもたらすものであるともいえます。

レシピその1 クラリセージのバランスオイルレメディ

材料
スウィートアーモンドオイル 30mL
クラリセージ精油 3滴
ラベンダー精油(Lavandula angusutifolia) 1滴
ローズウッド精油(Aniba rosaeodora) 2滴

作り方
スウィートアーモンドオイル30mLにクラリセージとラベンダー、ローズウッドの精油をブレンドし、よく振って出来上がりです。

ポイント
遮光ビンにつくり一ヶ月以内に使い切りましょう。

精油の補足説明
ラベンダー精油は時のリズムの調節作用にすぐれ、ローズウッドはホルモンと免疫の調節作用にすぐれますので、相乗効果が期待されます。


環境省認可法人(社)日本アロマ環境協会インストラクター
初穂香房主宰
Lavozouアロマテラピー講師
栄中日文化センター講師
1995年よりアロマテラピー講師として活動
ホームページアドレス  http://www.lavozou.com/index.html


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