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信天翁喫茶ワールド

信天翁(アホウドリ)喫茶主
医学博士 山中 直樹(宗直)

「ケガレ・ケ・ハレ」:喫茶・茶の湯のもう一つの道-6

心新たにする年の初め

 新年は夢・志と目標を心新たにする「ケガレ・ケ・ハレ」の日となります。
 私の目標は「大衆目線の生活実感ある喫茶・茶の湯文化の創成と実践」です。
 私の生き方の基本はニーチェの『我欲すをなすを善となす』と『恕』の心であり、実践の心は般若心経の『色即是空・空即是色』と利休の『守破離』の上で宮本武蔵の『構えるな唯打て』としています。
 旧年は、むのたけじが著したような「希望は絶望のど真ん中に」を実感するような天災・人災に見舞われました。
 そして、IT2.0による「アラブの春」(昨年のノーベル平和賞)で長年続いた絶対的な専制政治は民衆によって転換されたのです。
 「色即是空・空即是色」・「すべての形あるものは移ろう」の法理を感じます。
 「守破離」は学びて創意工夫に務め、とどまることのない創造を大切にする心です。
 「レトロ・モダン」思考です。
 創造した結果の保守にこだわると閉鎖的固定感に縛られるようになり「構えるな唯打て」によって「色即是空・空即是色」、「守破離」の心を形骸化させないように努めるのです。
 昨年のノーベル物理学賞は、宇宙が膨張するスピードを加速し続けているとの発見に与えられました。
 大宇宙全体のエネルギーは私達の地球、太陽系や空に輝く星が占める"物質"エネルギーは4%に過ぎず、23%が重力を持つ未知のエネルギーであり、残りの73%が不明のダークエネルギーが占めると言うのです。
 つまり、大宇宙の摂理は「色即是空・空即是色」だと教えており、私達は常に「守破離」の転生を続けなければならず、固定化することなく「構えるな唯打て」でなければならないのだと理解できます。
 東浩紀著「一般意志2.0」で指摘するようにITの発達とグローバル化社会の進展に、近代民主主義の基礎概念たる間接民主主義による熟議民主主義は行き詰まっています。
 大衆の無意識な欲望を可視化してデータベース化した「一般意志2.0」と間接民主主義とを組み合わせる構想を提示しました。
 熟議民主主義では、それぞれの閉鎖集団が利害に固執するために"熟議"の上の"公共善"で一致するのが不可能となっています。
 例えば、財政赤字改善策、TPPによるグローバル対策はそれぞれの閉鎖的既得権益者との合意が困難となっています。
 我が国は権益鎖国、人材鎖国、言語鎖国による「ガラパゴス国家」になりかねません。
 日本は財政赤字大国であり、"熟議民主主義"では利害関係とグローバルな市場の膨張力に負けて対策を先送りしているばかりです。
 市場が熟議民主主義を窮地に追い込み、目に見えぬStuxnetのようなサイバーパワーによって国家は破綻する危機があります。
 大衆の無意識な欲望を取り込む「一般意志2.0」が人間のダークエネルギーの爆発を誘発するは近い!!

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