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信天翁喫茶ワールド

信天翁(アホウドリ)喫茶主
医学博士 山中 直樹(宗直)

信天翁喫茶で自活力を育む!!・・6

単身社会は自活力が下支え―2

我が国の憲法は、健康で文化的な生活をする権利を保障しています。
つまり、自由と平等、言論の自由、機会の均等、価値感による選択の自由、暴力・武力・戦力を紛争の解決に行使しない等と同様、人類文明的基準なのです。
それ故に、国家は国民に健康で文化的な生活に障害が生じないようにする責任と義務があることになります。
近年、単身社会が問題となるのは、単身者に経済力が乏しい人達が多く、「健康で文化的な生活の保障」にとって生活弱者となっているからです。
今日の単身者では、特に男性未婚者と高齢離別者が増加しています。
未婚者が多くなる理由としては、まず、雇用形態で正規労働者より賃金が低い非正規労働者が増加して、不安定な経済状況になり、経済力弱者が急増しているからです。
また、家制度が新憲法では廃止され、社会環境も結婚という制度によらない男女のペアが多様化したことにあります。
事実婚、性愛ペアーなどと自由な形態が盛んとなっているのです。
我が国の婚活の歴史から見ると再び、男女ペアーが制度から慣習、言ってみれば、ポストモダンな様式が普及しつつあるからです。
古代、万葉の時代は「婚活パーティー」と言える「歌垣」が行われ、男女それぞれが経済力を持った「自由意志の恋愛」たる「ヨバヒ」と「ツマトヒ婚」のように今日に通ずる「ゆるやかで自由、お互いの気持ちが拠り所となる、不安定でスリリングな関係だったのです(「NHKテレビテキスト 歴史は眠らない」八月号、漫画家・倉田真由美)。
今日では制度的結婚は男女ペアーの選択肢の一つとなっています。
こうした選択肢の多様化は自活力の重要ファクターともなる経済力が必要です。
我が国では、八世紀中頃からの家父長制、家制度が始ると働く女性が卑下されるようになり、江戸時代以後では三従の道たる父・夫・子に従う儒教的支配により女性の自活力は奪われ、明治以降になると富国強兵のために「産めよ増やせよ」と女性の自活のための選択肢を奪いました。
今日、離婚は珍しくなくなり、平成18年では2.0%です。
しかし、明治16年では3.4%程で現代よりも多かったのです。
現代の離婚の理由は社会環境や経済力などによる女性の自活力がアップしたことがキーとなりました。

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