文化講座
臨床喫茶学:41
健康寿命&平和寿命を延ばすスキ茶寄合-10-
和食文化と喫茶・茶の湯―3
日本列島の縄文時代に始まる生活文化は今日の和食や喫茶文化の基本となっています。
現代はTPP(環太平洋連携協定)に代表されるように世界中の食べ物や人が自由に行き交う時代を迎えています。
今から1万5千年以上前から始まる縄文時代では、既に世界中から食材となる動物や植物が日本列島に伝わっていたのです。
動物ではBC 7000頃には狩猟用のイヌの飼育が始まり、BC 4000頃には東アジア在来の豚が伝わっています。
豚などが生きたまゝで日本列島に伝わる程の渡航を人々が行っていたことは驚きです。
そうした渡航者達が物流を担い、主に3つのルートがありました。
・北方から北海道への直接ルート。
・中国・朝鮮を介したルートは盛んでした。
・南方からも沖縄列島を介して行き交いしたルート。
今日的な言い方をすれば、多様な民族の人達が国境や国家などはないボーダレスの自由な交流を行っていました。
縄文時代は民族的な抗争や殺戮のない平和で自由な広域の渡航があったのです。
21世紀ではITによって情報が飛び交うように再び、縄文時代のように人々や物流も自由に行われる平和な時代が来るようにしなければなりません。
そうした時代に私達が住む日本列島で再び縄文時代のように平和な生活文化や食物文化を育むのです。
日本列島の特色たる四季の素晴らしい気候がどうなるかは大切な意味を持ちます。
気温や気候も今やわが列島だけで考えることが出来ません。
縄文時代が発展したのは地球の氷河期から温暖化による地球環境が大切な意味を持っていました。
今日の地球温暖化や地球環境は世界中の国々の工業生産などの人間が作り出す環境破壊によっても引き起こされています。
私達の日本列島が平和で豊かな食生活を営み続ける為には、豊かな地球環境を保つことが必須で世界中の一人ひとりの自覚と責任が求められるのです。
私達の食べ物は、化学物質、原子力や核エネルギー、遺伝子操作技術などの危険な一面にさらされています。
国家や権力による日本列島だけでの閉ざした平和で豊かな食生活文化は成り立たなくなりました。