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インターネット公開文化講座

文化講座

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且坐喫茶:日本文化のグローカル性

信天翁(アホウドリ)喫茶主
医学博士 山中 直樹(宗直)

日本語と英語・・9

希望、期待と不安が交叉する新年にあって、目標設定には状況把握が求められる。
人とのコミュニケーションの手段である言葉は、人間文化の発展に尽くして来た。
先ずは、言動を伴った直接の意志交換から始まり、文字の発展によって、知識の伝達や蓄積へと進んだのだ。

手紙、新聞、本、電信、電話に続いて、ラジオ、テレビとなって放送と発展した。
ITの発展に写真、画像、映像が加わったリアルタイムの双方向性ある情報伝達法は広まった。
次第に不特定多数への情報伝達手段が、人々の思考に強い影響力を持つようになってしまった。
絵画、音楽を始めとする芸術活動と共に,言語は伝達手段の進歩に伴って、権力にとっては、人心を操作する手段ともなった。

ITによる通信手段は文字、声、映像等々、従来からの人々の意思伝達、交流手段の次元を根本的に変えることになった。
コンピューターからパソコン、携帯電話が、国の内外を問わず、何時でも、何処でも用いることが出来るように進展している。
ノートパソコン、携帯電話の一台を持つことによって、言葉や映像による交換を瞬時に、リアルタイムな交流を可能にしてしまった。
また、集積された人類の文化、文明の知識を容易に知ることが出来るようにもなった。
加えて、社会に向かって個人が情報発信者となることが出来るようになり、同時に相互的な意見交換も可能にしてしまったのだ。
Web2.0と言われるものだ。
そうした時代に、IT による手段を用いるかは、人の生活様式にあって、文化、思考や行動に抜本的な影響が出てしまう。

そうした変化に言葉の持つ意味は大きく、コミュニケーション手段によって、言葉の用い方に変化が起る。
同時に新しい交流手段によって、外来語がそのまま入って来ることが多くなっている。
外来語のカタカナ語が多くなっている必然性がそこにあるのだ。

そうなると、既に取り上げたマンション、インフォームドコンセントのような言葉の意味が本来の原語と異なっている場合とパソコン用語のように、かつての当て字や発音言葉のように、単にカタカナ語的日本語読みや発音言葉と区別して考える必要がある。
つまり、グローカル言葉としての日本語の在り様が問われることになる。

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