愛知県共済

インターネット公開文化講座

文化講座

インターネット公開文化講座

グローカル文化の喜び

信天翁(アホウドリ)喫茶主
医学博士 山中 直樹(宗直)

EXPO 2005 AICHI JAPAN・・その9

愛知万博は、成功裏に終わったと報告され、今だ、その余韻が残っている。

万博誘致期では、21世紀には博覧会様式は時代に合わないと不評だった。
万博予定地が、猛禽類の生息によって自然破壊だと、会場が変更されて開催された。
言い方によっては、自然環境破壊が地球レベルで問題となっているだけに、反対派の存在によって、トヨタにピッタリのテーマとなった愛知万博は成功したとも言える。

私には、今回の万博は、トヨタ万博と言った方が、ピンと来る。
地球レベルの競争社会で車産業を展開して、次世代産業として、人間の移動をテーマに先端ハイテクを用いた「人間」を代行する「知視言聴動」と地球環境資源 問題に正面から取り組んでいるトヨタがこの地にあって国の内外にその存在と実力を示した。
万博誘致にしろ、開催準備、運営といい、トヨタが存在していたから可能となった。

本年の世界で最も影響力の強い50人として日本から選ばれたのはトヨタの社長とアニメの宮崎駿の二人だけだった。

トヨタにとっては、エネルギーを化石燃料に依存している限り、衰退する条件にある。
一方、宮崎駿は、自然風土を大切にして、人間と自然との共存共栄をテーマに、自然環境破壊を指摘してきた。
つまり、グローバルなトヨタとグローカルな宮崎駿は地球レベルの課題と取り組んでいることになる。

万博は、会場予定地の自然環境破壊を指摘して反対する勢力の活動によって、逆に、解決の必要性と関心を高め、トヨタの出番が必然的となった。
愛知万博がこの地に与えた教訓はグローカルをベースにグローバル性に通じて、インターナショナルを動かす総合力を持った人物、集団の存在が地域に必要だと言うことだ。

一昨日(12月2日)、大分県の別府・日出で私が取り組んでいる健康食品の開発会社の創立と新研究棟完成記念式典が開かれ、招待されたので参加した。
ついでに、NHKの「風のハルカ」で話題の湯布院を訪れた。

金鱗湖と民芸村の近くで、戦後の食べ物を思い出す湯布院で唯一手打ちのだんごを用いていると言う「だんご汁」を食べてから、ボンボヤージュという店先から見てコダワリ感を漂わせるコーヒーハウスに入った。
予想通りのコリコリ亭主おじさんと会話しながら一杯のコーヒーを飲んだ。
見事な地球の贈り物、桜の一枚板をカウンターに、一時のグローカルライフだった。

このページの一番上へ