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インターネット公開文化講座

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グローカル文化の喜び

信天翁(アホウドリ)喫茶主
医学博士 山中 直樹(宗直)

ローカルな雲南プーアル茶を楽しむ

この年末年始に帰って来た娘は、中国雲南出身の科学研究者から、お土産をいただいたと云う。その雲南プーアル茶と手作りの牛肉塩漬けの魂片、ソーセージを娘と一緒に食べたり、飲んだりして楽しんだ。グローバル食品のローカルの味だ。
その地域、土地の人が日常使いの食品として、愛用しているプーアル茶や牛肉食品が味わえるのは、我が国内での土地の人からの愛用食品を楽しむと同様に喜ばしいことだ。
商業ベースとなっていない土地の生活感のあふれるものであるほど、喜ばしいものだ。
ローカル文化の楽しさをつくづく感じることが出来るからだ。

プーアル茶の一つは、緊圧茶で、お椀型の沱茶で直径7.5cm位で、娘によるといただいた雲南の人が、日本で日常使いにしているお茶だと云う。素朴なお椀型プーアル茶といった感じがする。
もう一つは、少し高級品で、お客さんレベルに用いるプーアル茶とのことだった。精製された茶となっていた。
両種のプーアル茶ともに、輸出品用として、製造、長年保存されていた、いわゆる、ヴィンテージ的なものではないが、保存状態は良いものだったから微笑ましい。
香りも特別のものではなく、生活の臭いを思わせ、親しみが持てた。
プーアル茶は、我が国の人達にとっては、後発酵させる工程があるために、癖を感じ、すぐにはなじめない人が多いのでは。
しかし、プーアル茶に親しむためには、必ずしも、解説書に従うことはない。
次のようにするとよいのでは。およそ、1リットルくらいの沸騰した湯に緊圧茶なら3グラム位のほぐした茶葉を入れて飲むと親しみやすい。
茶葉の用いる量によるお茶の味の差もそれぞれで好きに楽しめばよい。
塩漬け牛肉塊は薄切りにして、多めの油で焼いて食べると美味しかった。
ソーセージは脂肪が多く、手作り感が漂っていた。脂肪が透明になるまで火をとうして食べた。沢山の油が出てきた。

雲南の人が、大きな牛塊を自家製の保存食物的に塩漬けとして食べているのを知った。アメリカのビーフジャーキーとは異なる。
日本で多い焼肉、ステーキ、すき焼き、野菜との炒め、牛丼とは異なる地域特性が感ぜられる食べ方として興味深い。
前述のように点てたプーアル茶と実に良く合うから不思議だ。牛肉、ソーセージ、お茶と云うグローバル食品のローカルな味わいが楽しい。
これぞ、グローカル文化のすばらしい味わいだ。

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