愛知県共済

インターネット公開文化講座

文化講座

インターネット公開文化講座

マナー美人になろう

郷土料理研究家
栄中日文化センター提携 インターティアラ・お料理サロン 主宰
伊藤 華づ枝

日本料理のマナー ①

テーブルマナーとは、決して難しいことではありません。
周りの人や共にお食事する人に迷惑や不快感を与えることなく、楽しい食事時間をすごし、親交を深めるための「思いやり」と言ってもよいでしょう。
マナーを身につけることによって、自信を持ち、美しい姿で食事をすすめることができます。
さぁ、ご一緒に、マナー美人を目指しましょう。

第4回目は、日本料理の正しいいただき方についてご紹介します。




私たちが普段の生活の中で、一番接することの多い日本料理。日本料理を大きく分けると、
  ①会席料理
  ②茶懐石料理
  ③精進料理
に分けられます。
一般的に私たちが日常生活の中でいただく宴会料理のことを会席料理といい、茶事で出されるのが、茶懐石料理、寺院の料理のことを精進料理と呼んでいます。
【会席料理の一般的な順序】
会席料理は、一品ずつ出される場合と、吸い物などの温かい料理だけを後から出す場合など様々ですが、一般的に下記のような順番で出されます。
1.前菜 2.吸い物 3.刺身 4.煮物 5.焼き物 6.揚げ物
7.蒸し物 8.酢の物 9.ご飯 10.汁物 11.香の物 12.果物

【会席料理のいただき方】  
背筋をのばし、美しい姿勢を保ちます。指先まで神経を集中しましょう。はしをそろえ、ゆっくり口に運びます。

<美しい姿勢がすべての基本>

【前菜】
彩りよく季節感が演出されていますので、盛り付けを壊さないように端からいただきます。
小鉢で出されたもの・・・小鉢を手に持っていただきます。
串もの・・・串のまま口に運ばず、器の上で串をはずしてからいただきます。
盛り合わせのものが出された場合・・・盛り合わせは三種盛り・五種盛り・七種盛りといったように奇数で出されます。一般的に薄味のものが左に盛り合わせてありますので、器の左側のものから食べるのよいとされています。

【吸い物】  
★ふたの開け方★  
左 手を椀に添え、右手でふたをつまみ、「の」の字を書くように回しながらゆっくりと開けます。開けたとき、ふたを椀の右縁に斜めに立てかけるようにして少し 間をおくと、ふたの内側についたつゆが椀の中に落ち、折敷や食事膳にしたたり落ちるのを防ぐことができます。これを「露切りの所作」といいます。

★汁物のいただき方★
汁と実を交互に食べるようにしましょう。汁を飲みながら同時に実を食べたり、吸い物を飲むとき、音を立てて飲んだりすることはマナー違反です。

★食べ終えたら★
椀の向こう側から手前側に向けてふたをして、両手で膳の向こう側におきます。このとき、椀とふたの絵柄を合わせ正面に向けましょう。
椀のふたをひっくり返して戻すということは、恥ずかしいことです。

★土びん蒸しのいただき方★  
会席料理の汁物として、土びん蒸しが出されることもよくあります。土瓶蒸しの器に付属している猪口を使い、出し汁を注ぎ頂きます。好みですだちなどを搾ってもよいでしょう。松茸等の具材は、土びん蒸しの器のふたに取ってお召し上がりください。

【刺身】  
わさびは刺身につけてもしょうゆに溶いてもどちらでもよいとされていますが、刺身につけたほうがわさびの量を調整しやすい上、見た目も美しいでしょう。
しょうゆが垂れないように、左手で小皿を持っていただきます。
ツマには、魚の臭みや脂を取り除いて口をさっぱりさせる役割があります。口直しとして残さず食べましょう。

【焼き魚】  
焼き魚には姿焼きと切り身の2種類あります。
切り身は左から箸をつけていただきます。姿焼きはまず上半分をいただいてから下半分、中骨をはずして左からいただきます。ひっくり返すのはマナー違反です。
レモンやすだちがついてるときは、最初に魚全体にしぼり、香りをつけましょう。

【煮物】
「炊き合わせ」とも言われ、季節の野菜を使った料理です。冷めないようにふた付きの鉢に盛って出されます。
盛り付けを崩さないように、手前からいただきます。食べにくいものは器の中でひと口大に切り分けます。

【揚げ物】  
和食では、一番よく出されるのは天ぷらです。
盛り付けを崩さないように、手前からいただきます。天つゆの小鉢を手に持ち、つゆが垂れないようにします。
箸で切り分けづらいエビやイカなどは、歯で噛み切ってもよいことになっています。ただし、そのときは左手で口元を隠したり、懐紙で隠すなどして上品に召し上がってください。

【蒸し物】  
蒸し物として一般的によく出されるのは茶碗蒸しです。
写真のような寄せ蒸しもよく出されます。
スプーンを使うときなどは、音を立てないように気をつけます。
器が熱くて手に持てない場合は、受け皿ごと、又は左手に懐紙を持って受けながら食べるようにすると良いでしょう。

【酢の物】  
口の中をさっぱりさせる役割があります。少量だからといって一気に食べ終えてしまうのは好ましくありません。少しずつ、上品にいただきます。

【ご飯・汁物・香の物】
まず、汁物をいただいてから(箸をしめらせてご飯粒がつきにくくするため)ご飯と交互にいただきます。3品をバランスよくいただきましょう。
<右側に置かれた椀のふたは右側に出して置くのが基本です>
マナー美人になろう
このページの一番上へ