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インターネット公開文化講座

文化講座

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お料理博士になろう!!~食材や食卓の基礎知識を学びます~

郷土料理研究家
栄中日文化センター提携 インターティアラ・お料理サロン 主宰
伊藤 華づ枝

第2回:きのこについて学びます(きのこ博士になる!)

前シリーズでは「世界のとっておきグルメ」と題し、伊藤華づ枝が世界各国を食べ歩いて感動した料理や店をご紹介しました。
今シリーズでは、「お料理博士になろう!!」というテーマで、読者の皆様に食材や食卓の基礎知識をより詳しく学んで頂きます。米、小麦、野菜などの食材の栄養素や調理法についての解説を、オリジナルレシピとともにご紹介します。

第2回目のテーマは「きのこ」。
秋の味覚でもある「きのこ」の栄養素、種類、調理法等について、きのこの美味しいレシピとともにご紹介します。

時計回りに真上から
えのき茸・マイタケ・なめこ・ぶなしめじ・エリンギ
中央が生シイタケ

1. きのこの栄養成分

「きのこ」は「木の子ども」であり、森や林の木の周りでよく見られることからつけられた名前です。

  • 脂質含量は種類によって異なりますが、傘は柄に比べて含量が高いです。
  • しいたけから発見されたエリタデニンと呼ばれる物質は、コレステロール値の改善、動脈硬化や肥満などへの効果が知られています。
  • きのこは特有の香りがしますが、干ししいたけの香りはレンチオニンで、マツタケの香りの主体はマツタケオールおよび桂皮酸メチルとされています。

水分量が大半を占めるが、栄養価も高い!!
多くの生理機能を有しており、注目度の高い食品です。

きのこの生理機能

  • 抗腫瘍作用
    ぶなしめじ、アガリクスなど、多くのきのこに含まれるβ-グルカンには制がん効果があるとされています。
  • 抗ウィルス作用
    しいたけにはインフルエンザウィルスの感染を予防する効果があります。
  • コレステロール低下作用
    きのこ類に多く含まれる食物繊維の他、さらに強力なコレステロール低下作用を有する物質が含まれています。
  • 肝臓障害抑制効果
    まいたけ、えのきたけ、しいたけなどは肝臓の障害を抑制する効果があります。
  • 神経成長因子合成促進活性
    やまぶしたけにはアルツハイマー病など、痴呆症の予防や治療に有効である神経成長因子が含まれます。

きのこは様々な種類があり、低カロリーであるにもかかわらず栄養素が豊富であり、注目度の高い食材です。

2. まつたけ

  • 日本では、食用きのこの最高位に位置付けられています。
  • 香りの主成分はマツタケオール。
  • 現在のところ、人工栽培は成功していません。

画像は中国産の松茸です

まつたけの特徴

  • 秋の味覚を代表する食用きのこ
  • 「香りまつたけ、味しめじ」と言われるように、特に芳香に優れ、肉質は緻密で歯ざわりがよいです。最近は外国からの輸入品が増えています。
  • まつたけは日本列島と朝鮮半島に特有な30~40年生の赤松の林に発生しますが、黒松、はい松、つがの林にも生えます。

まつたけの保存方法

  • すぐに調理し、残さないで食べてしまうほうがよいです。鮮度のよいものはラップでしっかり包んで、冷蔵または冷凍保存できます。香りを逃がさないようにするには、適当な大きさに切って酒としょうゆで煮てから、煮汁ごと冷凍するとよいです。
    <調理法>
    世界中のまつたけのほとんどは日本で消費され、和食に使用されます。
    <調理上の注意>
    皮に香りがあるので、洗いすぎたり皮をむかないようにします。

まつたけを使ったおいしいレシピ

松茸かやくご飯

エネルギー358kcal、たんぱく質8.9g、脂質4.3g、塩分2.5g(1人分)

松茸かやくご飯

材料 作りやすい分量
  2カップ
かつおだし 480~500ml
松茸 中2本(100g)
にんじん 1/2本
板こんにゃく 1/4丁
油揚げ 2枚
A しょうゆ 大さじ2強
小さじ1/2
砂糖 小さじ1

作り方

  1. 米を洗い、かつおだしで1時間程浸水します。
  2. 松茸は水洗いし、石付きは包丁で削って短冊切りにします。
  3. にんじんは小さめのいちょう切りにします。
  4. こんにゃくは塩もみをし、塩をつけたまま沸騰した湯で茹で、油揚げは熱湯で油抜きをします。
  5. こんにゃくと油揚げは細かく刻み、油揚げはギュッと水気をしぼります。
  6. 2.~5.をボウルに移し、(A)で下味をつけて10分間程置きます。
  7. 1.に6.をのせて普通に炊きます。
  8. 7.が炊き上がったら、器に盛ります。

土瓶蒸し

エネルギー80kcal、たんぱく質11.4g、脂質0.9g、塩分2.5g(1人分)

土瓶蒸し

材料 4人分
松茸(又はしめじ・エリンギなど) 適量
  エビ(中) 4尾
少々
ぎんなん 12粒
鶏肉(皮なし) 80g
三つ葉(小) 2/3束
A かつおだし汁 800ml
うすくちしょうゆ 大さじ3強
大さじ2
すだち 2コ

作り方

  1. 松茸は石突きの部分をえんぴつを削るように削ぎとり、軽く洗って縦の薄切りにします。
  2. エビは背ワタを取って酒をふりかけます。ぎんなんは鬼皮を割って取り、茹でて穴あき玉じゃくしでこすりながら渋皮をむきます。
  3. 鶏肉はひとくち大に切り、三つ葉はざく切りにします(又は結びます)。エビと鶏肉はサッと熱湯を通し、エビの胴の殻をむきます。
  4. 土瓶に三つ葉以外の材料を入れて(A)を注ぎ、フタをして蒸し器に入れて8~10分間蒸します。
  5. 4.に三つ葉を入れて火を止め、フタをしたまましばらく蒸らし、すだちを添えて召し上がります。

3. しいたけ

  • 冬菇(どんこ):傘が5~6分開きで、表面に細かい亀裂がある肉質。
  • 香信(こうしん):傘が8~9分開きで、表面がなめらかなもの。

生しいたけと干ししいたけが市場に出ていますが、最近は生しいたけの消費量が増えています。

しいたけの栄養価

  • 生しいたけも干ししいたけも、ビタミンB1・B2、食物繊維が多く、1回量からいえば生しいたけのほうが効率がよいです。
  • 抗がん物質を含むことも報告されています。

生しいたけ

  • 生しいたけを冷凍してから解凍すると、水から加熱した場合にグアニル酸(旨味成分)が増加するという報告があります。→多量に入手した場合には冷凍保存してもよいでしょう。
  • 生しいたけの旬は、春と秋の二回。安いのは春、出回るのが多いのは秋。
  • 生しいたけは焼き物、揚げ物などに利用されます。

干しいたけ

  • 干ししいたけにはプロビタミンD効果を持つエルゴステリンが多量に含まれており、天日乾燥すると紫外線の作用でビタミンDに変わります。ただし、人工乾燥したものにはビタミンDはありません。
    また、血中コレステロールを下げるエリタデニンも含まれています。
  • 干ししいたけの方が味、香りが良いです(旨味成分はグアニル酸、アデニル酸)。
  • 干ししいたけは食物繊維が豊富です(42.5%)。

干しシイタケ

干しシイタケ
左側が冬菇(どんこ)
右側が香信(こうしん)

干しいたけの調理

  • 干ししいたけは主に煮物に使います。
  • 乾燥品をもどすときは、吸水後あまり長く漬けておくと、うま味が溶け出してしまいます。
    もどし水は煮物に使うと、材料にうま味がしみておいしくなります。冷蔵庫でじんわりと戻すと良い味です。
  • 香りは水に戻すと高まり、料理の風味を高め、そのうまみ成分グアニル酸はグルタミン酸とあわせると、強い味の相乗作用を示します。
  • 戻す時間は、水で戻すなら20~30分、急ぐ時は少量の砂糖を入れたぬるま湯につけます。
    煮る時はとろ火にするとうまみが逃げません。

しいたけだし

  • 精進だしのひとつで、干ししいたけを水に浸けてだしをとったもの。しいたけ40gを水洗いして、水2リットルに浸し2時間ほどそのままおき、昆布20gを加えて火にかけ、煮立つ寸前に昆布を引き上げて一煮立ちさせます。水につけただけでもよいです。

干しシイタケ

干しシイタケ

干しシイタケ

干しシイタケ

干しシイタケ

 

しいたけを使ったおいしいレシピ

生しいたけの肉詰め・バターじょうゆ焼き

エネルギー226kcal、たんぱく質15.1g、脂質14.8g、塩分1.4g(1人分)

松茸かやくご飯

材料 4人分 2人分
生しいたけ 12枚 6枚
A 少々 少々
こしょう 少々 少々
B 鶏ひき肉 260g 130g
にんじん(短いせん切り) 60g 30g
パン粉 大さじ4 大さじ2
牛乳 大さじ2 大さじ1
1コ 1/2コ
小さじ1/2 小さじ1/4
こしょう 少々 少々
小麦粉 適量 適量
大さじ2~3 大さじ1~1・1/2
バター 10g 5g
しょうゆ 小さじ2弱 小さじ1弱
ブロッコリースプラウト 小1パック 小1/2パック

作り方

  1. しいたけは手早く洗って軸を取り、水気を拭いて(A)で下味をつけます。
  2. (B)のにんじんは短く切ります。(B)をすべてボウルに入れ、しっかりと練り混ぜます。
  3. 1.のヒダ側に茶こしで軽く小麦粉を振り、2.を等分にしてのせます。
  4. 3.の上から再び小麦粉を振って形を整えます。
  5. フライパンに油を入れて肉側から焼き、焼きめがついたらフライ返しで返し、中弱火でフタをして8~10分焼きます。
  6. 5.の余分な油をペーパータオルで拭き取り、バターとしょうゆをからめつけます。
  7. 器に6.を盛り、きれいに洗ったスプラウトを散らします。お好みでくし形のレモンを添えます。

4. えのきたけ

  • 別名はユキノシタと言われるように旬は冬
  • 天然物は黄褐色、栗褐色

えのきたけの栄養価

  • ビタミンB1・B2が多く、ビタミンD効果のあるエルゴステリンも含まれています。
  • 味のよさは、グルタミン酸などのアミノ酸やヌクレオチド系のグアニル酸などによるものです。

長芋とえのきたけのわさび酢

長芋とえのきたけのわさび酢

5. しめじ

  • 一般にほんしめじの事を指します(商品名はぶなしめじ)。
  • 「香りまつたけ、味しめじ」と言われ、味が良いことで知られています。
  • 秋に、こならや赤松林の木の根元に群がって生え、地面を占領してしまうことから占地(しめじ)の名があります。

6. まいたけ

  • まいたけは昔から「幻のきのこ」と呼ばれるほど希少価値があり、天然のものは味も香りもよく、採れる量も少なく、大変貴重だったようです。
  • 「まいたけ」という名前の由来は、見つけた人が舞い上がって喜ぶので「舞茸」と名づけられたという説と、その形が蝶が舞う姿に似ているところからつけられたという説があります。
  • 現在は人工栽培のまいたけが手軽に手に入るようになりました。灰色のつやつやとした通常のまいたけだけでなく、雪のようにまっ白の白まいたけは神々しささえも感じられます。

古来より漢方では重要な生薬のひとつとされてきたまいたけ

  • ビタミンDを多量に含み、「グルカン」という多糖類が主成分です。グルカンは低下した免疫機能を回復させると共に、ガン細胞の増殖を食い止める作用がありガン予防に有効とされています。
  • 血圧の上昇を抑え高血圧を予防する、脂肪を分解・つきにくくさせ肥満予防に役立つ、便秘を改善し大腸ガンを防ぐ、肝機能を活性化する、血糖値の上昇を抑え糖尿病を予防する、コレステロールを減少させ動脈硬化や心筋梗塞を防ぐなど様々な効能が挙げられます。

7. なめこ

  • 独特のぬめりを有します(主成分はムチン)。
  • 市販されているものは、若いなめこであり、生長して傘の開いたものの方が味が良いです。

なめこの卵とじ

なめこの卵とじ

8. マッシュルーム

  • 日本名では、つくりたけ、西洋まつたけという食用きのこで、全世界で需要が多いきのこです。
  • マッシュルームエキスには消臭効果があることで知られています。(口臭、体臭の消臭剤としても利用されています)
  • ホワイト種、ブラウン種、クリーム種の三系統があります。日本ではホワイト種が主流で、近年、ブラウン種も増えつつあります。

マッシュルームの栄養価

  • たんぱく質、ビタミンB2、ナイアシンの含量が他の食用きのこに比べて多いのが特徴です。各種アミノ酸、特にグアニル酸を多く含むため、味が非常によいです。
  • スープ、ソース、詰め物、オムレツ、キッシュなどに使われます。

9. きのこの調理

  • 香りを生かした調理:焼く、蒸す。
  • 強火で焼くと味が失われるのでアルミホイルなどで包んで時間をかけて焼くと良いです。
  • 味を重視する調理:汁物、鍋物が良いです。

10. その他のきのこ類

きくらげ

  • ゼラチン質が多く、耳たぶ状。
  • 乾燥品が多く輸入され、水で戻したものが中国料理の食材としてよく用いられます。
  • 白きくらげは中国では、古くから不老長寿の食品とされています。

なめこの卵とじ

ふくろだけ

  • 中国料理の食材としてよく用いられます。
  • 中国、台湾、インドネシア等、東南アジアでの生産が多いことから 「チャイニーズ・マッシュルーム」とも呼ばれます。

なめこの卵とじ

トリュフ

  • 世界3大珍味のひとつとされています。
  • 「食卓のダイアモンド」と称され、フランス料理、イタリア料理に用いられます。
  • 地中に発生するため、収穫には訓練された豚や犬が利用されます。

エリンギ

  • エリンギの原産地はヨーロッパや北アメリカといわれています。セリ科植物のエリンジウムの根の部分に寄生して発生します。日本ではエリンジウムが自生していないため、発生しません。
  • 現在、市販されているものは栽培されたものです。

キヌガサダケ

  • キヌガサダケはスッポンタケ科キヌガサダケ属で、白いレース状の菌網を伸ばす特徴のあるキノコです。 その優雅な姿から「キノコの女王」ともいわれます。

乾燥したキヌガサダケ

乾燥したキヌガサダケ

台北の東門市場・林さんの店でキヌガサダケを買っている筆者

台北の東門市場・林さんの店でキヌガサダケを買っている筆者

ポルチーニ

  • ポルチーニは、キノコの王様ともいわれ、イタリア料理に欠くことのできない味覚と香りのよい食材です。

フレッシュポルチーニと私 ナポリにて

フレッシュポルチーニと私
ナポリにて

乾燥ポルチーニは日本でも手軽に入手できます

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ベニスの市場で見つけたフレッシュポルチーニ

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ナポリの有名ピッツェリアで食べたキノコのピッツァ

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ポルチーニを使ったおいしいレシピ

ポルチーニ茸とチーズのリゾット

エネルギー418kcal、たんぱく質10.4g、脂質15.7g、塩分1.4g(1人分)

ポルチーニ茸とチーズのリゾット

材料 4人分
ポルチーニ茸(乾燥) 10g
A くず野菜
(玉ねぎやにんじんなど)
適宜
固形スープの素
(チキン味)
1コ
1600~1800ml
玉ねぎ 1/4コ(60g)
ベーコン 2枚(40g)
オリーブ油 大さじ2
バター 15g
無洗米 1・1/2カップ(240g)
ポルチーニ茸の戻し汁 200ml
パルメザンチーズ
(あれば塊をおろす)
大さじ4(15g)
小さじ1/3
白こしょう 少々
飾り用パルメザンチーズ 適宜
そらまめ 12粒

作り方

  1. ポルチーニ茸は、ひたひたにかぶる位のぬるま湯に約10分間程浸して戻します。戻ったら2~3cm長さに切ります(戻し汁は米を煮る際に使用します)。
  2. 鍋に(A)を入れて2~3分間煮て、多めのブイヨンを作ります。
  3. 玉ねぎはみじん切り、ベーコンは細切りにします。
  4. 鍋に油とバターを入れて、3.を炒めます。そこにサッと洗った米と1.を入れて炒めます。
  5. 4.にポルチーニ茸の戻し汁を加え、中強火で炊きます。米の表面に水分がなくなったら2.を適宜(約800ml)徐々に足し、焦げ付かないよう鍋の底を時々かき混ぜ約20分間煮ます(ブイヨンが残ったら他の料理などに使うと良い)。
  6. 火を止めてパルメザンチーズを加え、塩とこしょうで味を調えます。
  7. 6.を器に盛ってパルメザンチーズをちらし、茹でたそらまめを添えます。
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