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インターネット公開文化講座

文化講座

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お料理博士になろう!!~食材や食卓の基礎知識を学びます~

郷土料理研究家
栄中日文化センター提携 インターティアラ・お料理サロン 主宰
伊藤 華づ枝

第1回:米について学びます(お米博士になる!)

前シリーズでは「世界のとっておきグルメ」と題し、伊藤華づ枝が世界各国を食べ歩いて感動した料理や店をご紹介しました。
今シリーズでは、「お料理博士になろう!!」というテーマで、読者の皆様に食材や食卓の基礎知識をより詳しく学んで頂きます。米、野菜、果物などの食材の栄養素や調理法についての解説を、オリジナルレシピとともにご紹介します。

第1回目のテーマは「米」。
日本食に欠かせない米の栄養素、種類、調理法や雑穀米の種類等についてご紹介します。日本の美味しい米は、世界でも注目を浴びています。米はうるち米(普段食べている米のこと)ともち米(赤飯などに使う)、その他の雑穀米の3つに大きく分かれます。

1. 米は体に良い食材です

米の主な栄養成分は炭水化物ですが、私たちが食べているごはんには、ビタミン、ミネラル、たんぱく質、脂肪といった栄養素もバランスよく含まれています。
しかも、ごはんを中心とした食事は、主食+主菜+副菜+汁物というパターンを作りやすいため、栄養バランスが整いやすいのです。

ご飯の利点(1)~大腸によい~

ごはんは消化吸収にすぐれている一方で、含まれるデンプンの中には消化されにくいデンプン(レジスタントスターチという)があり、これが食物繊維と同じ働きをすることがわかっています。ごはんは便秘や大腸がんの予防にも、効果的なのです。

ご飯の利点(2)~ダイエット効果がある!?~

ごはん自体にダイエット効果があるのではなく、ごはんは腹持ちがよいため、空腹感を感じにくく、食べすぎを避けることができるため肥満の予防につながります。

2. 米粒の搗精

玄米を搗精(とうせい)して、糠層(米ぬか)と胚芽を除去したものが精白米です。
搗精の程度によって、以下のように区別されます。

  • 精白米:歩留まり(90~92%)
  • 七分つき米:歩留まり(93~94%)
  • 胚芽米:お米の芽になる胚芽の部分を残して精米したもの

3. 米の栄養素

茶碗1杯分(150g)あたり
炭水化物 55.7g じゃがいも3個分
たんぱく質 3.8g 牛乳コップ1杯分
脂質 0.5g 食パン1枚分
食物繊維 0.5g セロリ1本分
鉄分 0.2mg ほうれん草1本分
ビタミンB1 0.03mg キャベツ1枚分
亜鉛 0.9mg アサリ2個分

米を使ったおいしいレシピ

天むす

天むす

材料 16コ分(実習分量)
  2カップ(400ml分)
520ml
大さじ2
小さじ3/4
黒こしょう(粗挽き) 多め
むきエビ(中) 16尾
A しょうが汁 1かけ分(多め)
しょうゆ 小さじ2
ごま油 小さじ1/2
少々
B 天ぷら粉 60g
大さじ4~6
揚げ油 適宜
焼きのり 2枚

作り方

  1. 米は洗って分量の水を加えて1時間程おき、炊く直前に酒と塩を入れて普通に炊きます。炊き上がったら、黒こしょうを多めに振ります。
  2. エビは背ワタを抜き、酒と塩(分量外)でもみ洗いをし、(A)で下味をつけます。
  3. (B)を混ぜ合わせた衣を2.に汁ごとまぶしつけ、170~180度の油で揚げます。
  4. 1.のご飯で、3.を包むようにしてにぎります。
  5. 1枚を8本の棒状に切ったのりで4.を巻きます。

※写真には、みょうがの甘酢漬けと大根のぬか漬けを添えました

新しょうがご飯

新しょうがご飯

材料 4~6人分
  2・1/2カップ(500ml分)
もち米 1/2カップ(100ml分)
だし汁
(冷たいもの)
(かつおと昆布)
660~700ml
大さじ2
新しょうが(塊) 80~100g
油揚げ 4枚(40g)
A みりん 大さじ2
しょうゆ 大さじ2強
小さじ3/4
枝豆 8さや(16粒)

作り方

  1. 米は洗ってザルに上げ、40分~1時間前に分量のだし汁、酒に浸けておきます。
  2. しょうがは汚れをスプーンで削り、繊維にそってせん切りし、水にさらします。
  3. 油揚げは熱湯をかけて油抜きをして、細かく刻みます。
  4. 2.と3.を(A)にからませておきます。
  5. 1.に4.を加えてザッと混ぜて普通に炊き、10分程蒸らします。
  6. さっくりと混ぜて器に盛り(又は物相型で抜く)、枝豆を添えます。

4. うるち米の特徴と用途

うるち米の一次加工品

上新粉

上新粉

精白したうるち米を水に浸して柔らかくし、すりつぶして乾燥させたもの。粉末の目の細かい上質の粉。
調理例:みたらし団子、せんべい、草もちなど

草もち

草もち

材料 8本分
上新粉 150g
熱湯 1カップ
白玉粉 50g
50ml
よもぎ 120g
重曹 小さじ1(ゆるめのもの)
小豆粒あん 300g
8本

作り方

  1. よもぎは葉先を摘み、熱湯に重曹を入れてゆでます。
  2. 1.を水にさらしてかたく絞り、細かく切ります。
  3. ボウルに上新粉を入れ、熱湯を入れてさいばしで混ぜ、熱いうちに手でこねます。白玉粉を水で溶いて混ぜ、上新粉と共にこねます。
  4. 3.をぬれ布巾を敷いた蒸し器にちぎってのせ、15~20分間程蒸します。
  5. 4.を冷水に布巾ごとサッととり、すり鉢でよくすったよもぎと共にすり混ぜます。
  6. 水で手をぬらしながら、5.を24等分のひと口位に丸めて3コずつ串に刺し、あんをかけます。

ポイント:上新粉は熱湯でこねる

うるち米の二次加工品

食酢

食酢

蒸した米と米麹を原料として発酵させて作ったもの。

清酒

清酒

米、米麹、水を原料としこれを発酵させて、ろ過したもの。

5. もち米の特徴と用途

もち米の一次加工品

白玉粉

白玉粉

精白したもち米を水に浸して製粉した粉。貯蔵性、消化性も良いです。
調理例:白玉団子、ぎゅうひなど

くるみあんの白玉もち

くるみあんの白玉もち

材料 12個分
ゆであずき(缶) 100g
くるみ(ロースト) 25g
  白玉粉 150g
150ml~
A きな粉 30g
砂糖 20g
シナモンパウダー 小さじ1/2

作り方

  1. ゆであずきは鍋に入れて水分をとばし、刻んだくるみを混ぜて等分します。
  2. 白玉粉に水を入れて耳たぶ位のかたさに練り、等分します。
  3. 2.で1.を包み、ゆでて水にとります。
  4. 水気をふいた3.に混ぜ合わせた(A)をまぶし器に盛って上からも(A)をふりかけます。

道明寺粉

道明寺粉

精白したもち米を蒸した後乾燥させ、粗くひいた粉
調理例:桜もち

イチゴ桜もち

イチゴ桜もち

材料 10個分
A 120ml
砂糖 大さじ2・1/2
食紅 少々
道明寺粉 200g
こしあん 100g
いちご(小) 10粒
桜の葉の塩漬け 5枚
シロップ(別に) 適量

作り方

  1. なべに(A)を入れて煮溶かし、シロップを作ります。
  2. 1.に手早く洗った道明寺粉を入れて、3回程木杓子でかき混ぜ、ふたをして10分間位蒸らします。
  3. 2.をぬれ布巾を敷いた蒸し器で7~8分間蒸し、10等分します。
  4. あんは10等分します。いちごは手早く洗って、ペーパータオルなどで水けをふきとります。
  5. いちごをあんで2/3位の高さまで包みます。
  6. 3.で5.を包み、いちごの頭を少し出しておきます。
  7. 塩けを洗い流した桜の葉の軸をとるように半分に切り、6.のまわりを包みます。

もち米の二次加工品

みりん

みりん

蒸したもち米にアルコールと米麹を加えて熟成したもの。

6. ごはんのおいしい炊き方

炊飯は洗米、加水、浸漬、加熱、蒸らしの5つの操作からなっています。

洗米

  • 目的:糠やゴミを洗い落とすことです。
  • 利点:色沢や香り、味のよい飯が得られます。
  • 注意:洗米時に10%程度の水が付着するので、糠臭さが残らないようにたっぷりの水で手早く洗います。

加水量

一般的に加水量は米の重量の1.5倍、容量の1.3倍です。
炊飯器の目盛に合わせるだけでOK!!
おいしいとされる飯の水分量は65%程度です。

豆知識

新米と古米では...
新米は吸水しやすく糊化もしやすいので、米の量の10%程度加水量を減らします。
古米は逆に糊化しにくいので、10%程度加水量を増やします。

浸漬

米を水に浸けることによって、酵素の働きによりデンプンが分解されて糖が出てきます。
また米粒の中まで十分に吸水させることで、炊飯中にデンプンが均一に糊化し、芯のないふっくらとしたご飯が炊き上がります。

夏場...30分以上
冬場...1時間くらい

加熱

加熱は、最も飯のできばえに影響を与えます。

炊飯の温度調節

0~10分:中火もしくは強火(沸騰させる)
10~20分:強火
20~30分:弱火
数10秒間:強火

蒸らし

米粒表面に付着している水分を完全に吸収させ、ふっくらとした米飯に仕上げます。
高温で10~15分間放置し、蒸らしが終わったらただちに軽く混ぜ、余分な蒸気を逃すことが必要です。

7. 玄米・発芽玄米の特徴

玄米

玄米

もみがらを取り除いただけの、精白していない米です。
胚芽や糠層の豊富な栄養素が含まれています。
ぬかがでないのでさっと水洗いでOKです。

玄米と白米の違い

  • 白米とは...米からモミ殻をとり、さらにヌカや胚芽を取り除いたもの。
  • 玄米とは...モミ殻を取り去っただけの、精白する以前のもの。

玄米は白米と比べものにならないほど、豊富な栄養素が含まれています。 白米よりも、食物繊維→約6倍 ビタミンB1→約5倍 ビタミンE→約6倍もの栄養素が含まれます。

発芽玄米

発芽玄米

玄米を0.5~1mmほど発芽させた状態のもの。
米の中で眠っていた酵素が発芽で活性化し、栄養価が最も高い状態になります。
中性脂肪の増加抑制、イライラ緩和に働きます。

玄米よりさらにビックパワーの発芽玄米

  • 発芽玄米とは、発芽した玄米のことです。
  • 発芽玄米は、玄米に比べて「味覚」と「食感」がよく、とても食べやすいです。
  • 玄米の状態では体に吸収されにくかった成分が、発芽することで吸収されやすい形に変わります。

発芽玄米の効能

  • 栄養素のバランスが良好!
    白米や玄米に比べ、ビタミン、ミネラル、食物繊維が多く含まれています。
    人間に必要な栄養素がギッシリ入っています。
  • 便秘解消!!
    豊富な食物繊維が快便を促し、大腸がんや高コレステロール血症を防ぎます。
    発芽玄米を食べたところ、1~3日で便通が良くなったという例が数多く報告されています。
  • ダイエット
    脂肪の代謝をよくするイノシトールや中性脂肪の増加を抑制するγーアミノ酪酸(ギャバ)を多く含みます。ダイエット中に不足しがちなマグネシウム、カルシウム、亜鉛、鉄などのミネラルの吸収率も大幅に増加します。
  • 貧血
    玄米中に多く含まれている鉄分が玄米より効率よく消化吸収されるので、貧血予防に役立ちます。
  • 美白・美肌
    フィチン酸、フェルラ酸、トコトリエノール、ガンマオリザノールなど、肌荒れ、シミ、シワの原因である活性酸素を除去する成分、メラニン色素の生成を抑え美白に役立つ成分を含んでいます。
  • 高血圧
    血圧調節作用のあるγーアミノ酪酸が、白米の10倍も含まれています。
    γーアミノ酪酸は高い血圧を下げることが医学的にも認められています。
    そのほか、動脈硬化症や血栓症を予防する成分を含んでいます。
  • 生活習慣病が気になる人
    動脈硬化症や血栓症の予防、コレステロール値を低下させる作用のある成分や抗酸化作用のガンの予防に役立つ成分が含まれています。
  • アルツハイマー型認知症
    最近の研究からアルツハイマー型認知症の予防と改善に効果が期待できる物質(PEP阻害物質)が発見されました。

8. 雑穀類

雑穀が体によいワケ

  • 便秘を解消して、ダイエット効果があります。
  • 腸内細菌のバランスを整えて、免疫力UP
  • 発がん性物質などを排出し、発がん抑制効果があります。
  • 豊富なビタミン類で、つるつる美肌になります。
  • よくかむことで、脳がすっきりします。
  • 情緒が安定し、気持ちが穏やかになります。
  • 血液循環をよくして基礎代謝を上げ、冷え性を解消します。

黒米

黒米

  • 玄米の色が紫黒色で、糠層の部分に含んだ紫黒色系色素(アントシアン系)を含んだ米です。
  • 糠をすべて取り除くと白米になります。
  • 起源:おはぎの起源で、古くから祝いの米として珍重されてきました。

赤米

赤米

  • 玄米の色は、濃い赤色で糠層の部分に赤色色素カテコールタンニンを含んだ米です。
  • 起源:縄文時代に日本に始めて伝わった米とされています。
  • 風習:当時の日本人が大変貴重なこの赤米を神にお供えし、お祝い事の時に食べた習慣が始まりです。その習慣が残り、今もお祝い事の時に小豆で代用した赤飯や赤いお餅をつきます。

白米との違い

  • デンプン成分のアミロースが多いため、少しぱさついた感じがしますがさっぱりとおいしいです。
  • ポリフェノールが多く含まれているため、生活習慣病の予防になります。

五穀米

五穀米

  • 五穀は、米、麦、大豆、あわ、きび(またはひえ)のことをさします。

はと麦

  • 南アジア原産で、日本には江戸時代に中国から伝わったとされています。たんぱく質が豊富で、たんぱ質をつくるアミノ酸が良質です。鉄分や脂質も充実しています。
  • 漢方の生薬でもあり、美肌、利尿、鎮痛効果があるとされます。

はと麦

押し麦

押し麦

  • 大麦を加熱、圧縮して食べやすくしたもの。白米に比べてカルシウムは3倍近く、食物繊維は約18倍です。
  • 便秘解消や消化吸収力もアップするので食欲不振のときにも役立ちます。

キヌア

  • 南アメリカ原産で、インカ帝国時代には重要な主食でした。
  • タンパク質を豊富に含み、他の穀物と比べてミネラルやビタミンBも多く含みます。

キヌアのサラダ

キヌアのサラダ

材料 4人分
  キヌア 1カップ(150g)
600ml
きゅうり 1/2本(50g)
紫玉ねぎ 1/8コ(30g)
ミニトマト 6コ(70g)
赤パプリカ 1/8コ(30g)
黄パプリカ 1/8コ(30g)
イタリアンパセリ 2~3軸
茹でタコ 80g
A オリーブオイル 大さじ3
レモン汁 大さじ3
小さじ1/2~
純米酢 大さじ1
白こしょう 少々

作り方

  1. 鍋にキヌアと水を入れ、水から茹でます。沸騰したらフタをし、10分間茹でます。火を止めて2分間蒸らし、ザルに上げます(水には取りません)。
  2. きゅうりは5mm角、紫玉ねぎは3mm角に切って水にさらします。
  3. ミニトマトはヘタを取って洗い、8等分に切り、パプリカは5mm角に切ります。イタリアンパセリは粗みじん切りにします。
  4. 茹でタコは、やや大きめの角切りに切ります。
  5. ボウルに(A)を入れ、泡立て器で混ぜ合わせます。1.を加えて和えてから手早く冷まします。
  6. 5.のキヌアが冷めてから、2.~4.を入れて和え、器に盛ります。

※写真には青味を添えました

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