愛知県共済

インターネット公開文化講座

文化講座

インターネット公開文化講座

世界のとっておきグルメ

栄中日文化センター提携 インターティアラ・お料理サロン 主宰・食育伝道師・管理栄養士
テーブルコーディネーター
伊藤 華づ枝

第11回 インド

前シリーズでは、気軽に作れておしゃれなもてなしレシピ、盛り付けのコツ、器の選び方、テーブルセッティングなどをご紹介しました。
シリーズ19回目の今シリーズでは、「世界のとっておきグルメ」というテーマで、世界各国を食べ歩いて料理研究に余念のない伊藤華づ枝が、食べて感動した料理や店をご紹介しております。
家庭で作れる現地レシピも併せてご紹介します。

第11回目の今月は、「インド」です。

インド

インドは南アジアに位置する、連邦共和制国家です。
1947年にイギリスから独立し、現在は世界第2位の人口を持つ大国です。

<基本情報>
■首都:ニューデリー
■人口:13億900万人(2016年・世界2位・日本の約10倍)
■面積:328万7,469km2(日本の約9倍)
■宗教:ヒンドゥー教・イスラム教・キリスト教・シク教・仏教・ジャイナ教など
■言語:ヒンディー語
■時差:マイナス3.5時間 インドが正午のとき、日本は同じ日付の15時30分(サマータイムはありません)
■通貨:インドルピー(INR) INR1=約¥1.72(2017年9月現在)

インドの民族衣装

インドでは、男女異なった民族衣装があります。
女性の代表的な民族衣装は「サリー」と言い、サンスクリット(シャーティー)に由来し、「細長い布」との意味です。
その名の通り、細長い布で身体を包むように纏います。
インド以外にも、ネパール・スリランカ・バングラデシュ・パキスタンなど南アジア地域の女性の民族衣装は、サリーです。

インドで紅茶問屋を経営する老夫婦の自宅にて。夫人はインド服(パンジャビ)をまとっています。額の真ん中についている点はファッション(簡単にとりはずせます)
2006年3月

パンジャビとは、「サルワール・カミーズ」と呼ばれる民族衣装のことで、シャツとズボンをセットで着用します。
女性はストールも組み合わせます。

パンジャビ姿の筆者
インドの挨拶は、「ナマステ(こんにちは)」と両手を合わせます。
ヒンディー語で「あなたを敬う」を意味します。

男性の民族衣装は「クルターパジャマ」と言い、シャツとズボンの組み合わせのことです。
ターバンを着用する人も多く、主にシク教徒の男性がターバンを巻いています。

ニューデリーのインペリアルホテルのドアマンと。
2006年3月

インドの食事情

インド料理は中国料理と並び、数千年の歴史があります。
香辛料(スパイス)を多用する料理が特徴的です。
地域や民族、宗教、階層などによって、様々な料理があります。

インドには「ターリー」と呼ばれる、定食があります。
ターリーとは、「お盆」が語源で、ターリーの上にご飯やナン、カレー数種、ヨーグルトが盛られています。
ターリーの発祥はインド西部にある、グジャラート州と言われており、アラブ諸国と交易が盛んな地域です。
アラブ商品から伝わり、インド内に広まりました。
しかし、インド南部はバナナの葉をお盆や皿替わりに使用します(これを「ミールス」と言います)。

ターリー

北部:ニューデリー・ジャンムー・カシミールなど

イラン・アフガニスタンなど、中東の食文化の影響を受けています。
ナンやチャパティなどのパンを主食とし、牛乳やパニール(フレッシュチーズ)、ギー(バター)などの乳製品、スパイスなどを使います。
タンドールを用いた調理法は、北部の特徴です。

代表料理:タンドリーチキン・シークケバブ・チキンティッカ・ほうれん草とチーズのカレーなど

タンドールでナンを焼いているところ。
タンドールとは、粘土で出来た窯のことで、炭が中に入っています。
タンドールの側面にナンを貼り付けるように、焼きます。

タンドリーチキン(手前)とエビのタンドール焼き(奥)
2006年3月

伊藤華づ枝作・タンドリーチキン
ヨーグルトや香辛料に浸け込んだ鶏肉(骨付き)を、串にさしてタンドールで焼いた料理。

南部:チェンナイ・ベルガルールなど

米を主食とする地域です。
海に近い地域は魚介をよく食べ、野菜や豆類を使ったおかずや、ココナッツミルクを使ったさらっとしたカレーが好まれます。
バナナの葉の上にご飯とおかずをのせた「ミールス」が、特徴的です。

代表料理:ドーサ(米のクレープ)・サンバル(スパイスを使った野菜や豆のスープ)

米は細長いインディカ米。
粘りがないのでサラサラとしてカレーによくなじみます。

東部:アッサム・ナガランド・カルカッタなど

大きな河川が多く、魚料理が発達しています。
米を主食としています。

チベットやネパール、モンゴル系の民族も暮らすことから、発酵食品やモモ(蒸し餃子)など、他の地域とは違う料理が特徴です。

代表料理:フィッシュカレー・モモなど

伊藤華づ枝作・モモ

西部:ムンバイ・ジャイプールなど

主食はパンと米の両方で、素材の味を生かした料理が多く見られます。
インド独立の父と呼ばれる「マハトマ・ガンジー」の生まれ故郷である、グジャラート州は厳格な菜食主義のジャイナ教徒が多く暮らしているため、ベジタリアン専用の定食などがあります。

代表料理:グジャラート・ターリー(菜食の定食)・フィッシュカレー・カディなど

インドのホテルで食べたグジャラート・ターリー
2006年3月

インドと言えば「カレー」

インドでは、カレーは日本でいう「みそ汁」という感覚のため、毎日のように食べます。
味付けは地方や家庭によって異なります。
インドのカレーはサラサラとしており、とろみをつけないのが特徴です。

ターリーには4種のカレーがついてきました。
(1)カッテージチーズのカレー
(2)チキンのカレー
(3)野菜カレー(カリフラワーとグリンピース)
(4)豆のカレー
2006年3月

伊藤華づ枝作・チキンとほうれん草のカレー

手食文化

最近では、レストランにもナイフ・フォークがセットされている所が多くなりましたが、インド人の食事は手食が基本です。
右手はきれいなものを扱う「浄」、左手は反対に「不浄」とされ、食事中に直接料理に触れるものは右手のみで、親指・人差し指・中指の3本を使って料理をまとめて口に運びます。

旅行のガイドさんが手食をしているところ
2006年3月

筆者も手食を体験しました
2006年3月

不殺生とは

インドは4000年以上前からの信仰により、生きた動物を食べることを避けてきました。
牛肉はインドでは食品ではありません。
なぜなら牛は、神様のお使いとしての神聖な動物であり、人々はエサを与えるなどしてとても大切にしているからです。
豚肉は汚いという理由から好まれていません。
よってインドでは、鶏肉や羊肉などを主に食べます。

インドの街中には牛が歩くと、車も停まります。
2006年3月

豊富なスパイス

インド料理に香辛料は欠かせません。
インドの家庭で使うスパイスの量は、30~40種類と言われています。
小さなすり鉢で香辛料をすり潰すところから、料理作りが始まります。
スパイスと言っても、辛いものばかりではありません。
好みに合わせて、家庭ごとの調合があります。

インドの家庭に入り、家庭料理を習いました
2006年3月

パコラ(インド風てんぷら)を揚げているところ
2006年3月

伊藤華づ枝作・パコラ(野菜とエビのスパイシー天ぷら)

ミントチャツネ

チャツネとは、南と西アジアを中心に使われているペースト状の調味料のことです。
ヒンディー語で「舐める」を意味する「チャートゥナー」に由来しています。
各家庭に独自のレシピがあり、味が様々です。

このお宅では、コリアンダー、ミント、オニオン、ガーリック、レモン汁、塩をミキサーにかけて作っていました。
2006年3月

マサラティー(スパイス入りの紅茶)

マサラティーとは、ハーブやスパイスをすりつぶしたものを、牛乳や山羊のミルク、紅茶と煮込んだもので、インドやスリランカ、アラブ地方などで飲まれています。
マサラとは数種類のスパイスとハーブをミックスしたものを言い、体を冷やす作用のあるカルダモンをはじめ、内臓の働きを活発にするシナモンや、解毒効果のあるセージなど、ミルクと加工されることによって、栄養補給ができ、紅茶の利尿作用、疲労回復など、まさに灼熱の国々では、生きるための知恵と工夫が織り込まれた飲み物です。

マサラティーでティータイム
2006年3月

伊藤華づ枝作・チキンマサラ

乳製品を多用

3000年以上も前からのバラモン教の信仰には、「乳および乳製品は光明の糧・不死の糧である」とあり、この言葉を食事文化の基盤としています。
※例:ヨーグルト、牛乳、ギー(バターオイルの一種で発酵無塩バター)など

ラッシー(ヨーグルトの飲み物)ラッシーは、甘いものと塩味のものがあります。食事中には塩味のものを、食後には甘いものを飲むのが一般的です。夏には日本の麦茶のような感覚でよく飲みます。
2006年3月

伊藤華づ枝作・いちごのラッシーとキウイフルーツのラッシー

フルーツも豊富

道端でフルーツを売る農婦などを見かけます。
マンゴーやスイカ、いちじく、りんごなど、日本でもお馴染みのフルーツが食べられています。

緑のフルーツは、インドの名物
2006年3月

お供え用のフルーツ
青い未熟マンゴーは、アチャール(野菜や果物の漬け物)などに使われます。
2006年3月

世界遺産・タージマハル

アグラにある、白大理石の巨大なお墓です。
1983年にユネスコの世界遺産に登録されました。

タージマハル
2006年3月

<再現レシピ>豆とトマトのカレー

※豆がたっぷり入り、スパイスが効いたカレーは、インドの味そのものです

材料 4人分
ひよこ豆(乾燥又は水煮大豆) 70g(茹でたもので150g)
鶏もも肉 400g
小さじ1/3
黒こしょう 少々
サラダ油 大さじ3
赤唐辛子(種を出して使用) 2本
 
A  
玉ねぎ(小角切り) 1・1/2コ(400g)
しょうが(すりおろし) 小さじ1
にんにく(みじん切り) 小さじ2
 
B  
ガラムマサラ 小さじ2
ターメリック 小さじ1
レッドチリパウダー 小さじ1
 
トマト(完熟・種を出して小角切り) 2コ(400g)
 
C  
30~50ml
プレーンヨーグルト 1/2カップ(100g)
小さじ1
黒こしょう 少々
 
ご飯 4人分(約800g)

作り方

  1. ひよこ豆は一晩水に浸け、沸騰してから35分間をメドに柔らかくなるまで茹でます。
  2. 鶏肉は1枚を20~24切れ位のひとくち大に切り、塩とこしょうをふってもみ込みます。
  3. フライパンに油を入れて火にかけ、弱火で赤唐辛子を加えて炒めます。はじけてきたら火を止めて(A)を入れ、じんわりと炒めます。
  4. 3.の玉ねぎがしんなりしたら、2.の鶏肉を入れて炒めます。鶏肉の色が変わったら、(B)を加えて炒め合わせます。
  5. 4.にトマトと①のひよこ豆、(C)を加えてフタをし、15分間煮込みます。
  6. 5.をご飯と共に器に盛ります。

※写真にはご飯の上にキャラウェイシードをふり、ナッツを添えました

<再現レシピ>キウイフルーツのラッシー

※フルーツはいちごやマンゴー、スイカなどお好みのものでお作り下さい

材料 4人分
キウイフルーツ(大きめ) 2コ
 
A  
プレーンヨーグルト 200ml
牛乳 400ml
 
砂糖 大さじ6

作り方

  1. キウイフルーツは皮をむいて適当な大きさに切ります。
  2. 1.と(A)をミキサーに入れ、撹拌します。
  3. グラスに氷を入れ、2.をそそぎます。

※ミキサーが小さい場合は半量ずつかけます
※写真には輪切りのキウイフルーツをのせました

このページの一番上へ